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調整中・・・調整中。本日多忙で~すぅ!ー4
しおりを挟む気を取り直してお金の確認を忘れた・・と食堂に走っていく。
食堂と販売係のメイドさんに、支払い小銀貨の手持ちを確認する。
販売所と食堂の売り上げで足りパン代も支払えると確認してから、
5人で産業ギルドから行くことにする。
急ぎ足で産業ギルドの受付に着くと応接室に案内された・・
と同時に、コンロイさんが飛び込んで来た。
「いらっしゃいませ、皆様方、今日もお買い上げ頂けるのですか? それとも
他のご用件でいらしたのですか?」
イシュタルの登録と、先日頼んだ商品の引き取りと伝えた途端
・・ えっ?・・・!
村から集めた小麦2ナラ当たり小銀貨95枚が20万ナラ、
小銀貨72枚が9万ナラ計金貨1万2千740枚、
野菜はレタス・玉ねぎ・ニンジン・かぶ・ジャガイモ中心に金貨18枚分、
食用なたね油18ナル金貨9枚分
合計金貨1万2千767枚分をアイテム袋越しに送り込まれた。
予定以上の量で??開拓村から小麦を集めたのか尋ねると、
いきなり床に伏せ頭を付け、同じ農民をお助け下さいと懇願された。
僕たちにギルドマスターさんが床に伏せる事などは無いので、
椅子に腰かけてから説明する様に頼んだ。
コンロイさん説明によると
隣のブルマン子爵領は急に土地税、人頭税が上がり物納は認められず、
麦も売れずの困窮していた農民が農畜ギルドに麦を買ってくれる様に
押し掛けたがお金は無い。
困り果てた農畜ギルドから売却を頼まれ預かった小麦で買取を再度
コンロイさんから懇願された。
「ブルマン子爵領の村は2村か3村と聞いています。
街の農地を含めた売却量としても多すぎる様に思います。
野菜もほとんど収穫して、次の収穫までに飢えるのでは有りませんか?」
「領主に分からぬ様芋を作るなど工夫はしています。
マドック領農民から野菜などを援助供与しています。
直ぐ命を絶たれるよりましです・・・何卒お聞き入れ下さい」
買い取ることを承諾して金貨を渡そうとすると、食用なたね油は
農民からのお礼で受け取る様に頼まれる。
金貨1万枚・小金貨27袋・銀貨67袋アイテム袋越しに渡し計算石にタッチ、
役務所の依頼を受けた話を聞き、礼を言うとギルド会員が増える事は
名誉なことで、農民も手伝いが増え喜ぶ企画とほめてくれた。
登録する為のフレンドを取りにコンロイさんが席を外している間に
「グレーテ、直ぐに人を送り、ブルマン子爵が金貨を必要とする
理由や噂などを調べろ!
役務所が言っていた忠誠、誓約していない者の中に元ブルマン子爵領民と
繋がる領民がいるかも知れないのなら、怪しい者がいないか調べろ。
ブルマン子爵領内から近頃移住してきた者達から話を聞く命令を出せ」
セシリアさん先頭に疑問投げかけの眼付を受けて、
手を出し5人の手を重ね念話
{急にお金の必要な事は、婚姻・建設・賄賂・戦争と決まっています。
今朝男爵の言っていた隣国がブルマン子爵家ならば婚姻の線は消えます。
種麦まで売り払い領地を疲弊させるのは、領地替えか隣国と短期決戦を
目論むかどちらかと考えました}
{朝の、バカ息子はブルマン子爵後継者の事です}
{やはりセシリアさんの婚姻を隠れ蓑に使い、何か企てていると思います}
{サスケ兄さん、敵になる可能性が有るのに金貨を与えるのですか?}
{ブルマン子爵領民の為と防衛の為です。どちらにしても領民の麦は
取り上げられます。
金貨にして渡す事は領民の敵意をマドック家に向けない為、
又戦の噂を広げれば麦の価格が上がり、渡した金貨の価値は下がります。
魔物警報を出した後冒険者が王都でも集まらないと聞きました。
ブルマン子爵と応援する者が傭兵を集めた可能性も有ります。
万を超える軍による短期決戦を目指す可能性も有ります}
{サスケさん、これを予見して今夜会議を頼んだの}
{違いますエメリーさん、魔物対策計画変更でお願いしたい事が有りました}
{情報を集めてから、対策を決めましょう}
人の来る気配に気付いたセシリアさんが念話を打ち切る。
フレンドを持ってギルドマスターさんが3人そろって部屋に入って来た。
「サスケ様、ギルドに入会されるのは、こちらの美しい方ですか?」
コンロイさんはイシュタルに恭しくフレンドを差し出し、
イシュタルも当たり前の顔をしてライフガードを差し込み処理して、
他のマスターも同じように恭しくイシュタルのライフカードを処理する。
恭しくされるイシュタル馬鹿にしたつもりはないけれど、
おかしな扱いだなぁ~と見ていた。
ヤバ~イ、イシュタルに心を読まれ、睨(にら)まれた。
今後商会メンバーは貢献度が大きいので産業ギルドの登録料、年会費無料と
告げられ、草木マスターのバイロンさんに用を聞かれた。
液肥吸収剤用素材デ・カニエビの鰓20個アイテム袋越しに渡し、
光木街路樹植え付け予定を聞いた。
苗の採種は順調で建築予定地の家造りが終わり次第
作業員の手が空いたら植え付けを始める予定で、埋め戻しに使っている
培養土を分けて欲しいと望まれる。
土と堆肥を混ぜた物で幾らでも用意できる話をしていると、
農畜ギルドマスターのコンロイさんが
「サスケ様、堆肥を見せて頂けませんか?」
アイテム袋から堆肥を一掴み出して見せた。
コンロイさんは手のひらで潰したり臭いを嗅いだりして調べていて
地力の上がる良い堆肥で売るだけの量は有るか?聞かれる。
コンロイさんに厚み1プチ1ヤルド当たり銀貨2枚販売で
ギルド手数料20%で決まり、1セテ立方2個をアイテム袋越しに預けて、
マドック領周囲の領地は小麦の収穫が多いのか教えて貰う。
マドック領大湖と大河の北側領は小麦が栽培できずライムギ中心、
東隣領3マル先は低台地になり小麦の生産量は少なく、
南の子爵家を超えると水が多すぎ、王都10マル周囲の土地が
小麦の生産適地になっている。
その先、山脈を超えた南の15マルの土地については何も知らない。
マドック領周囲10マルが高台地の北地でありながら小麦など農作物が
良く育ち、寒さも少なく、温暖な恵まれた不思議な土地になっている。
{樹の加護か}
{そうなのよ}
「王都とマドック領周囲を除くと小麦の収穫量は少ないのですか?」
「マドック領は1セテドの土地で10シラから15シラ収穫できますが
離れた土地では5シラ~8シラしか収穫できません」
「王都周囲しか他領に小麦を売ることが出来ないのですか?」
「王都周囲は人口が多いので、遠くに売る必要も無く恐らく他領に売る小麦は
サスケ様のお持ちの量くらいと見ております」
「東隣の6王騎士家とデイノル伯爵家が小麦を他領に売っているのかな?」
「王騎士家は人口が少なく耕作地も少ないので売る量も少ないです。
デイノル伯爵領民は12万シラ~15万シラ売っていましたが、
商人が買わなくなり困っていると聞いています」
「手数料込みで商会の条件で少し麦を集められますか?」
「回復藥で半分支払って頂けるのでしたら、手数料は2%で集めます」
「金貨は必要ないのですか?」
「王税が20%掛かり農民は回復藥で受け取り、又回復藥で商品と
有利に交換出来ます」
大アイテム袋に金貨6万枚・小金貨100袋・銀貨500袋・小銀貨200袋・
回復藥f藥15万個・E藥15万個・D藥15万個・C藥5万個入れて渡し、
「回復藥f藥銅貨15枚・E藥銀貨2枚・D藥銀貨25枚・C藥小金貨30枚の
計算でマドック家周囲の麦を無理をしないで出来るだけ集めて下さい」
コンロイさんは黙って両手で受け取り一礼して部屋の外に出て行った。
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