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中庭昼食会は激務の号砲―1

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中庭昼食会は激務の号砲―1

泉の池の縁まで一気に跳んだ。
池の縁から樹の館裏までの間に造ったパーティー庭はいつの間にか大きな
12人用ドーナツテーブルが作られ、先に男爵夫妻・エリス夫妻・エマ様・
ホルクスさん、知らない獣人の男女が席に着いて待っていた。
僕たち4人が席に着くと男爵から、知らない獣人の男性は犬族族長・
女性は猫族族長と紹介され、2人は僕の側に来て忠誠の誓いをする。

僕はアイテム袋のお礼と、 いつもの言い訳・・
当分の間 商人として接して貰う了解を得て、小金貨950枚・銀貨58袋・
小銀貨85袋・銅貨80袋渡した。
困ったことに2人ともアイテム袋を持っていないので硬貨を運べない事が分り、
食事の後にアイテム袋を融通する事にして、全員で食事を始めた。
男爵の話では、
朝ホルクスさんの所に行くと男女の獣人2人が一緒に待っていて、
マドック家に居住許可と食料援助などを求めて来た。

男爵は人族と同じ条件で居住することを許し、
病人怪我人の回復藥は援助の約束をした上で・・それ以外は忠誠を誓うサスケに
任せる事としてマドック家に敵対せず協力する誓約を求め了承された。

「今朝、移動石でマメリカ村に行き族長達と戻ってきた。
セシリアから街での問題は聞いたが、獣人族の問題を先に解決する。
食事をしながら、、、サスケ考えておけぇ!ワッハッハハ」

{忠誠の代償は食糧問題と自活問題?責任重すぎない?}
状況確認するために
移動獣人族の犬族族長のエリアルさんに人数を教えて貰う。全員で3561人。
7歳以下の子供487人、内4歳以下138人83家族だった。

今後の方策を考えながら食べていたので味もわからず、パンだけ
かじっていたらしい。エメリーさんに注意され食事に集中。
終わりにエールを飲んでいると・・

「サスケどうする?」
男爵に催促された。 
うぅ~ん? 仕方が無い・・・
今までの見聞で確認できたお人好しで善意の領民気質を信じよぉう!

僕はマメリカ村住民の許可が出る前提で計画の説明初めた。
一時的にマメリカ村に全員収容します。
収容後、病人怪我人の手当て食事などで体力の回復を図ります。
マメリカ村に隣接した所に4ヤルドのサスケの臨時農園を造ります。
魔物騒ぎが一段落した後・・
マドック市に近い廃村になった開拓村を4ヤルドに拡げ子供のいる家族中心に
居住して貰います。
農業生産物は僕の指示に従って生産する。その代わり市場価格で全数買い取る。
生活が安定するまで、マドック市に避難してきた獣人と同条件で雇用する。

居住後の食料・生活用品・住居・衣服など総ての援助は行わない。
獣人・各自の働きに任せ、不足部分だけ援助を行う。現在食料は確保出来ている。
衣料も古着だが集めている。
生活用品は生活魔法石以外解らないので必要品は後日要望品を用意する。
住居は落ち着くまでアイテム袋に入っているテントを補修して使う。
テントを広げる場所はサスケ農園の居住区にする。
男爵様の都合が良ければ今夜から開拓し始める。
混乱を避けるため緊急の医療以外明日から販売を開始する。

販売経験者が必要なので100~160人移住者から雇用する。
1日小銀貨7枚今夜希望者募集を完了したい。
各族長の協力を求める。
説明が終わると、、、
2人の族長さんは椅子から立ち上がり僕に向かって片膝付き頭を下げ

「御意志に従います!」

{またまた責任負ちゃった!内心焦りまくり}
{だいじょうぶ}

{どうして}
{つよくなるのよ}

{ハァー?}
2人の族長さんにアイテム袋を渡そうと思い出したので、冒険者ギルドで
買ったアイテム袋の中身を出そうとするとエメリーさんに止められた。
エメリーさんはメイドさんに大きな盥(たらい)を持ってこさせ、
マドック家全員が円形並び僕とエメリーさん2人の手でアイテム袋を持って

{試したいことが有ります}
{探知と鑑定と選別魔法でこのアイテム袋から、魔核を盥に出してみたいのです}
エメリーさんの念話呼びかけで、探知と鑑定が始まった。
手を結ばなくても
他の人の探知と鑑定が一体になり袋の中が俯瞰できる。
2セテド四方の空間が広く感じたとたん、他の人の探知が重なり狭い
小さな空間に変わった。
次に街でアイテム袋を出した時の様に、もっとはっきり星空に光る星の様な
魔核が無数見えた。

{選別で集めて出します}
大きな盥に小さな魔核が砂をこぼす様に出て行く3分の2ほど埋めると止まった。

{草地の作業場に移動して大きく広がり武具別に出してみます}
片手盾・大盾・胸当て・プレートアーマー・ヘルメット・チェーンメイル・
グローブ・ロッド・解らない物・次々大山に積み上がり広い草地を狭くした。

まだ残っている金属を出すと、銀貨・小銀貨・銅貨の小山が出来上がり。
さらに残っている物を出すと魔物の素材が小山程度少し出て来て、
ごみをたい肥場に出し終わり空になった。
もう一つのアイテム袋も同じ様だったので積み上げられないので中止して、
獣人族のくれたアイテム袋の中身を他のアイテム袋に移して空にする。

空になった2個のアイテム袋にアイテム袋のお礼金を入れ恐縮する2人の移動獣人
族長さんに無理やり渡した。

男爵はエリスさんとダリウスさんに街を任せ、僕の説明をマメリカ村の
族長さん達に話すため2人の族長さんと一緒にマメリカ村に移動石で
跳ぶ事に決まる。
回復藥詰はベルミーさんが管理しているから、僕の必要なだけ使えと 言い残して
エマ様もマメリカ村行くことになった。

残された6人で他のアイテム袋から探知と鑑定と選別魔法で
テントだけ寄りだすと、1つのアイテム袋に複数のテントが入っていて
270個数えると出し終わった。

これで手持ちのテント数は1037個なり、ひと安心。
テントを出していた途中で小中アイテム袋と判断した小148個・中143個の
中身を全部他に移し、中アイテム袋で比較的容量の大きい67個の内26個を
選び草地に山積みで明日武具その他分別収容する。

グレーテに大きい容量のアイテム袋を1つ渡し、
護衛部隊小・分隊長・ぼくのメイド分隊長さんに中容量アイテム袋8個、
隊員2人に1個割り当て預けた。
エリスさんとダリウスさんは、王都館と領兵の回復藥を交換してくるまで、
4人で留守番を頼まれ、自分たちの仕事を進める事にする。

大きな盥に出した、小や屑魔核の山盛りを平らにすると8分目まで有った。

使っていない作業部屋に行き、床に小や屑魔核を砂の様に撒き拡げ、
エメリーさん達3人は 分別を面白がり、部屋中拡げ分け始めた。

魔核売買の分け方は大きく5段階だが、拡げた魔核は中より小さい。
5円玉の大きさから始まり極小米粒大まで6段階5種に分別始める。
小袋の5倍入る銅貨革袋に、5円大5種46個・1円大5種28個・
3番目5種61個・4番目5種53個・米粒大5種64個・極小5種47個出来た。

革袋を開けるためにアイテム袋の中に
バラ銅貨299000枚増やして入れ終えた。
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