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ギルド巡り2―6

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ギルドの外に5人で出るとエメリーさんが、
「神殿礼拝場に行くのでしょう、少し待ってください」
広い歩道の光る木の下でエメリーさんに止められた。
アベル君セシリアさんと4人で手つなぎ輪になってギルドで買った
古い武器武具を入れた僕のアイテム袋を探知・鑑定・・
頭の中に袋の中身が映る様に見えた。

{サスケさん、中に有るアイテム袋を考えて}
アイテム袋中身がズームアップして頭の中で映る様に見える。
アイテム袋の中に 又、アイテム袋が有った。

{アイテム袋を外に出す様に感じて}
アイテム袋からアイテム袋が出てきた。

{まだ有ります}
良く見ていると、回りより少し明るく小さな袋が見える様になり、

{外に出ろ}
感じるとアイテム袋が取り出せる。さっきまで部分部分しか
見えなかったけれど、今は全体を俯瞰して見ることが出来る様になった。
少し明るく小さな袋が俯瞰(ふかん)したままの状態で見える。
ズームアップして取り出す。
17回繰り返すともう見つけることかできなかった。

2個買った袋も同じように探知・鑑定すると152個も出てきで驚いた。
昨夜の話本当だぁ!
獣人族から奪ったりしていたから価値が低かったんだ。
少し意味もなく悲しい気持ち。
いけない、伝わった?
3人の目が悲しそうに見えて、接続完了エメリーさんの手を放した。

「神殿礼拝所に行きますか?」
アベル君に聞かれ、商業ギルドを先に行くことにして貰う。
商業ギルドマスターのドロレスさんを訪ねて行くと、応接室に案内され
直ぐにドロレスさんが現れ先日のお礼と挨拶を終えると用件を尋ねられた。

「回復藥に興味をお持ちですか?」
「回復藥市場はいつも不足しております。お売り下さるのでしたら是非!」
回復藥は神殿と各地の魔法師が作っているが、近ごろ素材が少なくなり
神殿からの放出も無くなってしまった。
魔法師の作る回復藥は水増しされランクD以下がやっとで有ったが、
やはり作れなくなってしまった。
街に出店している商人の多くは良質なマドック家の
回復藥を手に入れる目的が関心の中心だった。

「近日中にマドック家が手持ちの回復藥を入れ替える予定です」
「噂は本当でしたか!エマ様が新回復藥を大量に御作りなさったとか?」

「効果確認中ですので直ぐに市場に出せません。確認後今の1.5倍にて
売り出す予定です」
「それは素晴らしい事です!入れ替えた回復藥をどうされる
予定なのでしょうか?」
「私に任されております。ギルドとの取り決めでは、3分の1は
王都ギルド.3分の1はマドック市ギルド・3分の1はマドック領民充て
ですから3分の1は私が自由に処分しても
協定に反しないと考えますが、いかがでしょうか?」
「別段問題は御座いません」

「新回服薬は新しい協定対象として新な取り決めをしたいと考えますが・・」
「お考えをお聞かせ下さい!」

「マドック家の自由販売です。ギルドの皆様には今回と同数を
毎年出荷する予定です」

「自由販売と申しますと?」
「マドック家の望む貴族領地と、夜と昼の仲間商会販売です。
最も初めのうちは、行商でランクf 藥とE藥を売る予定です」

「今回のお売り頂ける数はお幾つで?」
「ランクB藥650個・C藥1680個・D藥2240個・
E藥1630個予定です」

「毎年お売り頂けますか?」
「ランクB藥は確約できませんが、他は年2回お約束できます。」

「商業ギルドは新協定に同意致します。王都ギルドにも連絡致します」

「マドック市内では回復藥袋を作って、ランクf藥を5千個
受け取る人たちが出てきます。新回復藥も
マドック領内では小銀貨1枚で売る予定ですのでどなたがまとめ役さんと
交渉して買い取りを進めたとしても、マドック家の妨害は有りません」

「失礼ですが、サスケ様の持ち分はどうされる予定でしょうか?」
「王都で商店と行商を始める予定です。ドロレスさんから王都の大店に
ご協力をお願いできる様お口添え頂けますと大変助かるのですが」

「王都商業総ギルドマスターは当商店主がしております。ご便宜図る様
早速伝えます」
「王都の機微に詳しい方をご紹介頂けると有難いのですが心当たりの
方がいらっしゃりますか?」

「一人おります。王都商業ギルドにお寄りになる時ご紹介させて頂きます」
「回復藥も関所に止められるのですか?」

「アイテム袋の中まで見ようとしますので、道が遠くなり難儀しています」

「私のお願いを聞いて頂けるならばマドック市支払い
王都品渡しをさせて頂きますが・・」「願っても無い、どうかそのお話を!」

「王都品渡し条件として、1店ごとに2店主お連れいただきご紹介下さい。
王都ギルドの回復藥買い付け店も同じく2店ご紹介ください。
ご来店取引は見本と致しまして1店様
ランクB藥1個・C藥10個・D藥40個・E藥50個・
f藥100個の新回復藥と見合う使用できる古着、調理器具と交換して頂きたい。
不足はお店に有る在庫品で構いません。価格は、1.5倍相当でお願いします」

「そうしますと私どもの商店は、マドック市と王都店で
4名ご紹介できるのですか?」
「いえ今後ドロレスさんと王都商業総ギルドマスター様には
お世話になりますから、8名までご紹介ください。
買い付け店も使用できる古着、調理器具と交換して頂きたい」

「大変ありがたいご提案です。
回復藥のマドック市支払い王都品渡しお願いいたします」
「ドロレスさんは私の3分の1の回復藥を買う予定は有りますか?」
「私にとって大変ありがたい。直ぐにお取引願いたいが金貨が足りません。
揃うまでお待ちいただけますか?」
「数が確定するまでお取引出来ません。3~4日後に改めてご連絡します。
他のギルド員様と買い付け分担の調整もお願いいたします」

「お任せください」
「他領内に行商する時、簡単な状況・税率・犯罪・領兵気質・孤児などの
状態を、ギルドで分る範囲で構わないのでお教え頂けると大変助かります」

「後ほど分る範囲で一覧にして報告させて頂きます。ところで
サスケ様は使えないアイテム袋を集めていると聞きましたが・・
まだ必要ですか?」

「お値段に依りますが、お持ちなのですか?」
12個持っているが売れなくて困っている。
訳を聞くと神殿が使えるようにする費用を20年ほど前から値上げして、
金貨100枚が最低で人により1千枚要求される。

又10枚で開けて貰った人もいるが、少なく・・・
条件を神殿は明かしてくれない。
1度金貨300枚で王都店主が開けてもらったが中身は
金貨2枚にしかならず袋も金貨60枚で大損をして
それ以降使えないアイテム袋の買い付けは中止している。

金貨50枚で良いから買い取って欲しいと言われ即金貨50枚で買い取る。
金貨50枚渡して魔法石にタッチ!取引完了~ぉぅ。
話し終えドロレスさんは嬉しそうに外まで見送りしてくれた。

{神殿どうかしたのかしら、ずいぶん変わったのね}
{目算がだいぶ狂ってしまった。しょうがない}

{そうなの、計算石も買わないといけないし}
{計算石、なんなのそれ}

{計算石が無いと王税5%の記録と納税が出来ないの。サスケさんは
神殿登録だから何処でも税は掛からないけれど、取引し難くなるわ}
{エメリーさん、忘れていました集計にフレンドも必要ですね}

{王税は街や村を出るときに支払いますが、集計にフレンドは絶対必要よ}

目算がだいぶ狂ってしまい・・・

少ぉ~し 憂鬱になりながら神殿礼拝所に向かった。
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