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作戦室での会議-1

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作戦室での会議-1

談話室を改造した作戦室前の小部屋に5人で移動。
作戦室に入る。
円形に並べられたテーブルの中央席は
先に戻った男爵が座り右側からセシルさん、セシリアさん。
アベル君、バート隊長、エドガーさん、僕、エメリーさん。
エリスさん、エマ様の順で席に着いた。
席の後ろには、男爵従者のパリルさんはじめ各人の後ろに1人従者さんかメイドさんが立ち、
僕の後ろにもグレーテさんが立っている。

「会議を始める前に、グレーテの昇格を伝える。護衛メイド部隊は隊長の下に
小隊編成だが、サスケ小隊は将来、中隊と拡大しグレーテは臨時中隊長とする。
マドック家会議においては小隊長扱いとし、
サスケの行動中は中隊長として部下の管理権限を与える。
給与は年金貨15枚。もっとも将来サスケが払うから交渉するのだな」

「グレーテ、忠誠の誓いを」
エドガーさんに言われ、
「マドック家に改めて忠誠を誓い、サスケ様に忠誠をつくします」

{サスケさん、受けてください。}
{どうやって}
{受けると言うの}
エメリーさんと緊急念話終わり。

跪くグレーテさんに立って向かい、
「僕はマドック家に忠誠を誓えませんが、敵対しないことを誓い、
グレーテさんの忠誠を受け入れます」

「それでよいのじゃ」
「次にマドック家の生い立ちをサスケに少し話しておく」
男爵の話によると
マドック家初代は冒険者でかなり山師的なところが有った。
当時この辺はゼピュロス国内と認識されていない程の辺境地だった。
冒険者グループで魔物を追いこの辺りをキャンプ地にして、
森から大森林手前を狩場に暮らしていた。

ある時、獣人族500人ほどのマメリカ村を発見して、
族長と不介入協定を結び狩りを続け暮らしていた。
当時この国では獣人族は奴隷とされ、捕まえた者の財産扱いされていた。

ある日獣人族長が森の精霊を助けて欲しいと頼みに来た。
子細を聞かず応援に出たので火の魔法を使うなと忠告されているにも関わらず、
アリと青虫の魔物の大群に驚いた仲間が、運悪く森と草原終わり境で
火の魔法を使い大火事になってしまった。

初代を除いた仲間は逃げ出してしまい、初代と獣人族は草原の火を突っ切り、
魔法を使い全力でこの街近くで大規模な迎え火を起こした。
迎え火が成功すると又火の中を突っ切り、
火傷を負いながら手持ちの回復藥を使い森に戻り、
魔法の使える獣人族と湖から水球をリレーで飛ばして、
木を切り倒し精霊魔法雨の応援を受け大火事を消し止めた。
大火事は収まったが、
大火傷を負い回復藥も無く死を覚悟した初代は獣人族に、
精霊の樹の基に運ばれ急速に回復して、
樹の精霊と契約を交わした。
 
*マドック家は森で緊急時であっても火を使わない。
*人から精霊の樹を守る。
*精霊の樹の場所は公にしない。

3つの約束を交わし、この館の樹の種と、精霊の加護を貰うことが出来た。

獣人族と第1の誓約、互いに戦わない協力をする、を交わした。
草原の大火事を発見し偵察に来た
ゼピュロス家の隊長に大火事の説明をしたところ、
国王と会いこの辺りをマドック家の領地として認められて
男爵の爵位と忠誠を交わした。
2代目から騎士学校に行き騎士の称号を受ける事になり、
聖魔法使える子供が生まれる様になった。

男爵の父も又騎士称号を受けエマ様と大冒険の末 結婚したが、
男爵が親衛隊を務めて領地に戻ると直ぐに、魔物との戦いで命を落とした。

19歳の時現王のアビエル・マクミリアン・ゼピュロス王を認めない
1人の公爵と貴族の1部が反乱を起こし王権戦争が始まったが、
獣人族を率いた男爵の敵陣を分断する大活躍により、王の大勝利で戦争は
終わった。
戦功として獣人族の人族と同様な権利保障と子供の借金奴隷中止を求め
国法と定められ、さらに領地を追加されて今の領地に拡大した。

戦争中命を懸けて男爵を守った獣人族と、第2の誓約。
マドック家領地内に生きる獣人族の困難はマドック家の困難とする。
誓約がマドック男爵と交わされた。

精霊の樹の館は精霊の結界で守られ、魔物の侵入を効率よく防ぎ、
作物の収穫も高い事から辺境ながら、現在は繁栄する領地になっている。
近いうちに樹の精霊が僕と合う連絡を寄越すと言っているが
マドック家の秘密なのでそれまで場所に案内できないそうだ。

マドック家4代の簡単な歴史と樹の精霊との関係。
 分り難かったけれど・・
そのうち分るでしょ・・??
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