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満月から太陽に 2-2

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ひと休み。マスクを外して、
水を一口飲んだら元気モリ、モリ、出発だ。 しゅっ・ぱぁつ!
しばらく進むと前方から、物音が聞こえた。用心して進むと、、
少し開けた場所で彼女とアベル君が、こちらに背を向けている
6~7体の黒いオーガと、黒く大きなオーガ1体と戦っていた。

実戦? 疑問なっしぃ!彼女を助ける。
全力疾走、短槍を左手に持ち替えながら、
ノンストップモーションで苦無を大きなオーガに投げた。
背中を突き抜け、前にいたオーガまで刺す。
笑い声が聞こえた様な気がして、、、 消えたぁ??
其のまま短槍(たんそう)を構え、彼女達を囲んでいるオーガ2体を
大きく捌(さば)き深く鋭く切り裂いた。
2体とも朽ち木の様に倒れ、
彼女を見ると右手のロングナイフでオーガの剣を流し、
左に持った苦無で刺した。   消えた?
アベル君も右手の剣でオーガの剣を抑え喉を左の苦無で刺すと
オーガは倒れ・・・ そして
消えた?
残るオーガも、僕の短槍で倒れ消えた。
戦闘終~了。

身体中の血が、ホンワリ暖かくグルグル回った感じがして、
2人の方へ行こうとすると、
アベル君も、彼女も、怖い顔で警戒し叫んでいる。
公園で会った、エメリーさんと、アベレ君と似た人なのかな?
固まって動けなかった。

「エメリーさぁーん!アベル君!」
声をかけて気が付いたっ。マスクのせいで声が籠もっている。
いけねぇー 、
急いで角指とグローブを外し、両手でフルフェイスマスクを外すと、
2人は、満面の笑みを浮かべ、駆け寄ってくれ、
エメリーさんは、僕の両手を掴み話しかけた。
{サスケさん、また助けてくださり、本当に有難うございます。
日本国からどのように?}
あれぇ・・・・?
ゴッチンしなくとも、よく通じる。

手を繋いだまま、公園から此処までの、いきさつを話した。
2人は、この広場から少し離れた草むらに着いてすぐに、
黒いオーク達が近くにいることに気が付き、
隠れながら逃げてきたが広場の近くで襲われ、此処で戦っていた。
アベル君と手を繋いでも通じない。
恥ずかしそうに、ゴッチ・・・・ン

{サスケさん、有難う本当に強いですね!一瞬で5体も倒すなんて、
向こうの世界の、騎士か、大冒険者ですか?}
僕は、強く否定し、忍者サファリゲームの説明をしたが、
首を傾げられた。
彼女の傷を手当てしようと肩を見たが、
服袖が切れているだけで、綺麗になっていた。

2人に手を引っ張られ、倒したオークのところに行くと、
いろいろ品物が転がっていた。
アベル君は近くの茂みで、蔦を捜しに行き、
彼女は品物の説明をしてくれた。
基本的に、個人で倒し落ちているものは、すべて倒した者の戦利品。
グループは、グループルールで分ける。
助けてくれたので、全部僕の物だと言われたが、
倒した者分配にしてくれる様、お願いした。

アベル君が蔦を採取してくると、蔦を彼女は手もみすると
細いロープになり、オーガごとに分けて、品物を縛るそうだ。
いつの間にか、倒したオーガも消えていた。
3人で品物・アイテム・魔核の回収を始めた。

大きなオークの品物に来ると、エメリーさんは手を繋ぐ・・・
{オーガも魔人も見たことが無いので、詳しく判りませんが、
ドロップアイテムも見当たりません。
魔人を倒したと思います。私とアベルのレベルでは無理です。
3神と精霊様の、ご加護の奇蹟と思います}
 
彼女の話によると、レベル?13~16では、ゴブリンでも厳しく、
ましてオーガ、魔人では不可能。
兵士と魔法使いのいる100人部隊でも負けることが多く、
A級?のスキルを持った、複数人のグループで、
やっと倒すことが出来るそうです。

大きな魔人からは、宝石飾りに鞘付きロングソード、
手のひら位の大きな宝石をちりばめたペンダント、
鎧・宝石付きの指輪6個・幅広のブレスレッド2個、
握り拳より大きい白の魔核が拾えた。

僕の倒した残り4体の魔人から、
宝石飾ペンダントライフカード2個・
ライフプレート2個腕輪7個・ロングソード3本・
大剣1本・ロングナイフ4本・弓・ベルト付アイテムポーチアイテム袋3個・
チェーンメイル上着3枚・ズボン3枚・鎧・握り拳半分の白い魔核4個・
拾い集め、それぞれ分けて縛りアイテム袋に入れた。

彼女達は、弓・ロングソード・ナイフ3本・アイテム袋2・
宝石飾ペンダントライフプレート・ライフプレート・
鎧・チェーンメイル上着・下着・握り拳半分の白い魔核2個・拾い、
それぞれ分けて縛り、アベル君のアイテム袋に入れた。

魔人はアイテム小袋を使えない。
人間の時入れた物が残っていれば、後で使用者変更して中が確認できる。
苦無を拾い、短槍の槍頭の両方を見たが、血も汚れも付いていなかった。

3人で一息入れることにして、台車を出し、
スーパーで夜食兼朝食の粒アンパンと、おにぎりの入った
ビニール袋を外し、2人に一袋ずつ渡した。
売れ残りのおにぎりなので具は昆布か梅干、どっちかだっ?
僕は、アンパンから食べた。
食べ終わりおにぎりの開け方を教えようと、2人を見ると、
アンパンを4分の1ほどしか食べていない。アレッ?
不味いのかなと思っていると、エメリーさんが、手を触れ、 
{これだけ食べたら,満腹になりました。
美味しい食べ物ですね!残り後でいただきます」
えらく小食?傷んでしまうと思ったら、
アイテム袋に入れた物は、いつまでも変化しないそーです。ヘェー

{サスケ様はこれから、どうされますか?
お決まりでなければ、家にお越し頂けませんか}
{喜んでお願いいたします。サスケかサスケさんでお願いいたします}
{うふ、はい}
腰から水筒を取りコップに入れようとすると、
{今度は私が水を差し上げます}
彼女がコップに手をかざすと、水がコップ一杯入っていた・・・・
水魔法?
アベル君のアイテム袋から、コップを出しそれぞれ、
彼女が手をかざすと一杯になっていた。
(ほっとした。さっき口をつけて水筒の水を飲んだっけ)
水を飲み終わると、アベル君を先頭に、
僕とエメリーさんは手を繋ぎ、森の入り口めがけ出発。

3人が出発する前にエメリーさんが全員に
身体強化の魔法と追い風の魔法をかけてくれた。
僕は右手に短槍、彼女は左手に苦無を持ち、
手を繋ぎお互いの事を、走りながら声を出し話していた。
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