42 / 54
第42話 瘴気
しおりを挟む
思わずしゃがみ込み感情のままに叫ぶと、ミズキが何かに弾かれたように飛んでいくのが見えた。
彼女は壁にぶつかり、そのまま倒れこんだ。
「大丈夫か! ミズキ!」
動けなかったミッシェが、必死な顔で彼女に近づいていく。その顔は泣きそうで、こんな時なのにミッシェは本当にミズキが好きなんだと思う。
ミッシェが抱きかかえるが、ミズキは意識がないのかぐったりしている。
呼びかけていても反応がない。
「なにが……どうして……」
全く状況がわからない。ミズキは生きているのだろうか。
私が殺した? どうしよう。どうしたらいいんだろう。
恐怖で頭の中がいっぱいになる。
「お前……ミズキと共に召喚されただけの、ただの女のくせに……!」
「ミッシェ殿下……」
ミズキを抱き留めたまま、私のつぶやきを聞いてミッシェがこちらを見た。その目は憎しみで満ちている。
ミズキをそろりと優しく床に寝かせると、ミッシェは右手を私の方にかざした。こちらをまっすぐ見たまま、何かを呟いている。魔法だろうか。
こわい。
感情がざわざわする。それと一緒に体の中にある何かがうごめいているのを感じる。
「やめてください! ミッシェ殿下。お願いです!」
やめてほしい。じゃないと、なにかが起こりそうで。
いや、私が何かを起こしてしまいそうで。
ミッシェ殿下に必死で呼びかけるが、彼は全く聞く素振りもない。
「ミズキをこんな目に合わせるだなんて、死んで詫びるんだ」
冷たい目が私を射抜く。ミッシェの声は、何故だかとてもよく響いた。
ああ、死んでしまう。
そう思うと、身体がかっと熱くなった。
何かが、すごく危ない。
ぎゅっと目をつむって顔を覆う。
私の中から何か力が湧いてくるのを感じる。
危ない何かだ。
何故私がこんな目に合うの? 彼らが先に私に攻撃したのに? それなら私がどうしようと、問題ない。力でねじ伏せてやればいい。
暴力的な気持ちが浮かんでは沈んでいく。この考えに支配されそうになるのを必死で食い止める。
こわい。
私ならこんな人達排除できる。お願いする必要なんてない。助かりたいのならば、彼らが乞うべきだ。
今まで考えたことのないような、高圧的な気持ちがどんどん生まれてきて、飲み込まれそうになる。
どうしたらいいんだろう。
ミッシェは私の事を殺そうとしているのに、このままでやられて死んでしまっていいの?
駄目だ。
そんな人たちに、優しくする必要なんてない。
私を攻撃してくる人に、やられる必要なんてない。
私に従うべきだ。私の方が、力があるのだから。
私は立ち上がってミッシェと向かい合った。
私の顔を見たミッシェは、びくりと肩を揺らして恐怖で顔を歪める。
どうしてそんな顔をするんだろう。反撃するなんて思いもしなかったのかな。
弱いと思っていたから、こういう事をするのかな。
ああ、傲慢だ。
怯えた顔のミッシェから大きな炎が飛んでくる。でも、私は避けなかった。
避ける必要なんてなかったから。
炎は私の前で霧散した。私の中の渦が、相殺したからだ。
魔法が使える。
使い方もわかる。
私はミッシェに向けて、ゆっくりと手をかざす。ミッシェは呆然とした顔で、その場に座り込んだ。
思わず笑ってしまう。馬鹿みたい。
「ツムギ!!」
良く知った声が聞こえて、ハッとする。
……フィスラ様。
フィスラがミッシェの後ろに居る。
綺麗な顔をぐしゃっと歪め必死な顔をして、私の名前を呼んでいる。
「フィスラ、さま」
頭がさっと冷え、今自分が何をしようとしていたかを悟った。
「私、なんでこんな……」
何故かミッシェに向けていた手を下げる。あのままだったら、フィスラだって無事じゃなかったのに。
何故こんな事をしてしまったのだろう。
自分に思考がおかしい事にぞっとする。
「瘴気の影響だ! 君は、聖魔法がないからきっと瘴気をコントロールしきれないんだ」
悔しそうな声で、フィスラがうなだれた。
この、今にも溢れそうになる憎しみの感情は、瘴気からだったのか。
すっかり影響されているようで、ミッシェがとても憎い。
ああ、思うままに力をぶつけてしまいたい。
暴力的な衝動が次から次へとわき出てくる。
「……瘴気をそのままにすれば、君は飲み込まれてしまうかもしれない。師団長なんて肩書があっても、この状況でどうしていいかわからないなんて……」
フィスラの目から、涙が流れる。
ただ涙をこぼす彼がとても愛おしい。
その気持ちでミッシェへの興味が薄れたのを感じた。
私は、こんな状況なのに彼を抱きしめたくなる。冷静な彼が、私の為に涙を流している。
気持ちのままに動いたら彼が危ないので、できないけれど。
大好きな彼にそんな顔をしてほしくない。でも、私がさせているのだ。
……私がさせているなら、私がどうにかできる。
簡単な事だ。
何故こんな事に気が付かなかったのだろう。
「大丈夫です、フィスラ様。私、瘴気の感情になんて負けません」
憎しみは浮かんでくるが、同じぐらい、いやそれ以上にフィスラへの愛情が溢れている。
きっと、大丈夫。
私は油断すれば憎しみと共に外に出ようとするその力を、内側に押し込める。
その力は強く、私の中で出口を求めて暴れているのがわかる。
「ツムギ、お願いだ……何でもするから、無事でいてくれ……」
フィスラが祈るように私を見ている。
身体がどんどん熱くなっていくのがわかる。でも、それでも自分の中にとどめなければいけない。身体のすべてがギリギリと痛い。
ミッシェなんて、ミズキなんてどうでもいい。私は、私の大事な人を守るのだ。
憎しみで我を忘れてフィスラに何かしてしまうだなんて、死ぬより辛い。
自分を抱きかかえるようにして、痛みに耐える。心臓が驚くほど大きな音で鳴り、歯が勝手に鳴っている。
時間がどれぐらいたったのかも、今がどういう状況かもわからず、頭がぼんやりしてくる。ただ、抑えることに集中する。
自分を見失いそうな痛みの中で、ふと何か温かいものに包まれていることに気が付いた。
いつの間にかつむっていた目を開くと、フィスラの顔が目の前にあった。
彼は私の視線に気が付くと、優しく微笑んだ。
しかし、顔色が驚くほど悪い。
ぐっと更に強く抱きしめられたかと思うとフィスラは激しくせき込んだ。彼は私から隠すように、震える手でぐいっと口元をぬぐう。その袖には血がついているのが見えた。
瘴気の影響だ。
いつの間にこんな近くにきたのだろう。危ないとわかっているのに。
「ツムギ。大丈夫だ。私が、何とかするから」
つらさを全く感じさせない声で、フィスラは囁く。
彼の手から何か温かいものを感じる。彼は何かしようと試みているようだ。
こんなにぼろぼろになりながら、私を見つめる目は優しい。
ミッシェを見る。ミッシェは私からミズキを隠すようにしながら、警戒心露わにこちらを見ている。その姿は、ただ好きな女の子を守る男の人だ。
自然に笑顔が浮かんだ。
憎しみの渦は確かに私の身体の中にある。でも、私が死んだとしても私の好きな人は守る。
私は自分の中の渦に再び集中し、いつの間にか意識を失っていた。
彼女は壁にぶつかり、そのまま倒れこんだ。
「大丈夫か! ミズキ!」
動けなかったミッシェが、必死な顔で彼女に近づいていく。その顔は泣きそうで、こんな時なのにミッシェは本当にミズキが好きなんだと思う。
ミッシェが抱きかかえるが、ミズキは意識がないのかぐったりしている。
呼びかけていても反応がない。
「なにが……どうして……」
全く状況がわからない。ミズキは生きているのだろうか。
私が殺した? どうしよう。どうしたらいいんだろう。
恐怖で頭の中がいっぱいになる。
「お前……ミズキと共に召喚されただけの、ただの女のくせに……!」
「ミッシェ殿下……」
ミズキを抱き留めたまま、私のつぶやきを聞いてミッシェがこちらを見た。その目は憎しみで満ちている。
ミズキをそろりと優しく床に寝かせると、ミッシェは右手を私の方にかざした。こちらをまっすぐ見たまま、何かを呟いている。魔法だろうか。
こわい。
感情がざわざわする。それと一緒に体の中にある何かがうごめいているのを感じる。
「やめてください! ミッシェ殿下。お願いです!」
やめてほしい。じゃないと、なにかが起こりそうで。
いや、私が何かを起こしてしまいそうで。
ミッシェ殿下に必死で呼びかけるが、彼は全く聞く素振りもない。
「ミズキをこんな目に合わせるだなんて、死んで詫びるんだ」
冷たい目が私を射抜く。ミッシェの声は、何故だかとてもよく響いた。
ああ、死んでしまう。
そう思うと、身体がかっと熱くなった。
何かが、すごく危ない。
ぎゅっと目をつむって顔を覆う。
私の中から何か力が湧いてくるのを感じる。
危ない何かだ。
何故私がこんな目に合うの? 彼らが先に私に攻撃したのに? それなら私がどうしようと、問題ない。力でねじ伏せてやればいい。
暴力的な気持ちが浮かんでは沈んでいく。この考えに支配されそうになるのを必死で食い止める。
こわい。
私ならこんな人達排除できる。お願いする必要なんてない。助かりたいのならば、彼らが乞うべきだ。
今まで考えたことのないような、高圧的な気持ちがどんどん生まれてきて、飲み込まれそうになる。
どうしたらいいんだろう。
ミッシェは私の事を殺そうとしているのに、このままでやられて死んでしまっていいの?
駄目だ。
そんな人たちに、優しくする必要なんてない。
私を攻撃してくる人に、やられる必要なんてない。
私に従うべきだ。私の方が、力があるのだから。
私は立ち上がってミッシェと向かい合った。
私の顔を見たミッシェは、びくりと肩を揺らして恐怖で顔を歪める。
どうしてそんな顔をするんだろう。反撃するなんて思いもしなかったのかな。
弱いと思っていたから、こういう事をするのかな。
ああ、傲慢だ。
怯えた顔のミッシェから大きな炎が飛んでくる。でも、私は避けなかった。
避ける必要なんてなかったから。
炎は私の前で霧散した。私の中の渦が、相殺したからだ。
魔法が使える。
使い方もわかる。
私はミッシェに向けて、ゆっくりと手をかざす。ミッシェは呆然とした顔で、その場に座り込んだ。
思わず笑ってしまう。馬鹿みたい。
「ツムギ!!」
良く知った声が聞こえて、ハッとする。
……フィスラ様。
フィスラがミッシェの後ろに居る。
綺麗な顔をぐしゃっと歪め必死な顔をして、私の名前を呼んでいる。
「フィスラ、さま」
頭がさっと冷え、今自分が何をしようとしていたかを悟った。
「私、なんでこんな……」
何故かミッシェに向けていた手を下げる。あのままだったら、フィスラだって無事じゃなかったのに。
何故こんな事をしてしまったのだろう。
自分に思考がおかしい事にぞっとする。
「瘴気の影響だ! 君は、聖魔法がないからきっと瘴気をコントロールしきれないんだ」
悔しそうな声で、フィスラがうなだれた。
この、今にも溢れそうになる憎しみの感情は、瘴気からだったのか。
すっかり影響されているようで、ミッシェがとても憎い。
ああ、思うままに力をぶつけてしまいたい。
暴力的な衝動が次から次へとわき出てくる。
「……瘴気をそのままにすれば、君は飲み込まれてしまうかもしれない。師団長なんて肩書があっても、この状況でどうしていいかわからないなんて……」
フィスラの目から、涙が流れる。
ただ涙をこぼす彼がとても愛おしい。
その気持ちでミッシェへの興味が薄れたのを感じた。
私は、こんな状況なのに彼を抱きしめたくなる。冷静な彼が、私の為に涙を流している。
気持ちのままに動いたら彼が危ないので、できないけれど。
大好きな彼にそんな顔をしてほしくない。でも、私がさせているのだ。
……私がさせているなら、私がどうにかできる。
簡単な事だ。
何故こんな事に気が付かなかったのだろう。
「大丈夫です、フィスラ様。私、瘴気の感情になんて負けません」
憎しみは浮かんでくるが、同じぐらい、いやそれ以上にフィスラへの愛情が溢れている。
きっと、大丈夫。
私は油断すれば憎しみと共に外に出ようとするその力を、内側に押し込める。
その力は強く、私の中で出口を求めて暴れているのがわかる。
「ツムギ、お願いだ……何でもするから、無事でいてくれ……」
フィスラが祈るように私を見ている。
身体がどんどん熱くなっていくのがわかる。でも、それでも自分の中にとどめなければいけない。身体のすべてがギリギリと痛い。
ミッシェなんて、ミズキなんてどうでもいい。私は、私の大事な人を守るのだ。
憎しみで我を忘れてフィスラに何かしてしまうだなんて、死ぬより辛い。
自分を抱きかかえるようにして、痛みに耐える。心臓が驚くほど大きな音で鳴り、歯が勝手に鳴っている。
時間がどれぐらいたったのかも、今がどういう状況かもわからず、頭がぼんやりしてくる。ただ、抑えることに集中する。
自分を見失いそうな痛みの中で、ふと何か温かいものに包まれていることに気が付いた。
いつの間にかつむっていた目を開くと、フィスラの顔が目の前にあった。
彼は私の視線に気が付くと、優しく微笑んだ。
しかし、顔色が驚くほど悪い。
ぐっと更に強く抱きしめられたかと思うとフィスラは激しくせき込んだ。彼は私から隠すように、震える手でぐいっと口元をぬぐう。その袖には血がついているのが見えた。
瘴気の影響だ。
いつの間にこんな近くにきたのだろう。危ないとわかっているのに。
「ツムギ。大丈夫だ。私が、何とかするから」
つらさを全く感じさせない声で、フィスラは囁く。
彼の手から何か温かいものを感じる。彼は何かしようと試みているようだ。
こんなにぼろぼろになりながら、私を見つめる目は優しい。
ミッシェを見る。ミッシェは私からミズキを隠すようにしながら、警戒心露わにこちらを見ている。その姿は、ただ好きな女の子を守る男の人だ。
自然に笑顔が浮かんだ。
憎しみの渦は確かに私の身体の中にある。でも、私が死んだとしても私の好きな人は守る。
私は自分の中の渦に再び集中し、いつの間にか意識を失っていた。
18
お気に入りに追加
1,787
あなたにおすすめの小説

恋愛は見ているだけで十分です
みん
恋愛
孤児院育ちのナディアは、前世の記憶を持っていた。その為、今世では恋愛なんてしない!自由に生きる!と、自立した女魔道士の路を歩む為に頑張っている。
そんな日々を送っていたが、また、前世と同じような事が繰り返されそうになり……。
色んな意味で、“じゃない方”なお話です。
“恋愛は、見ているだけで十分よ”と思うナディア。“勿論、溺愛なんて要りませんよ?”
今世のナディアは、一体どうなる??
第一章は、ナディアの前世の話で、少しシリアスになります。
❋相変わらずの、ゆるふわ設定です。
❋主人公以外の視点もあります。
❋気を付けてはいますが、誤字脱字が多いかもしれません。すみません。
❋メンタルも、相変わらず豆腐並みなので、緩い気持ちで読んでいただけると幸いです。
出ていってください!~結婚相手に裏切られた令嬢はなぜか騎士様に溺愛される~
白井
恋愛
イヴェット・オーダム男爵令嬢の幸せな結婚生活が始まる……はずだった。
父の死後、急に態度が変わった結婚相手にイヴェットは振り回されていた。
財産を食いつぶす義母、継いだ仕事を放棄して不貞を続ける夫。
それでも家族の形を維持しようと努力するイヴェットは、ついに殺されかける。
「もう我慢の限界。あなたたちにはこの家から出ていってもらいます」
覚悟を決めたら、なぜか騎士団長様が執着してきたけれど困ります!

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

面倒くさがりやの異世界人〜微妙な美醜逆転世界で〜
波間柏
恋愛
仕事帰り電車で寝ていた雅は、目が覚めたら満天の夜空が広がる場所にいた。目の前には、やたら美形な青年が騒いでいる。どうしたもんか。面倒くさいが口癖の主人公の異世界生活。
短編ではありませんが短めです。
別視点あり


おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23

嫌われ聖女は魔獣が跋扈する辺境伯領に押し付けられる
kae
恋愛
魔獣の森と国境の境目の辺境領地の領主、シリウス・レングナーの元に、ある日結婚を断ったはずの聖女サラが、隣の領からやってきた。
これまでの縁談で紹介されたのは、魔獣から国家を守る事でもらえる報奨金だけが目当ての女ばかりだった。
ましてや長年仲が悪いザカリアス伯爵が紹介する女なんて、スパイに決まっている。
しかし豪華な馬車でやってきたのだろうという予想を裏切り、聖女サラは魔物の跋扈する領地を、ただ一人で歩いてきた様子。
「チッ。お前のようなヤツは、嫌いだ。見ていてイライラする」
追い出そうとするシリウスに、サラは必死になって頭を下げる「私をレングナー伯爵様のところで、兵士として雇っていただけないでしょうか!?」
ザカリアス領に戻れないと言うサラを仕方なく雇って一月ほどしたある日、シリウスは休暇のはずのサラが、たった一人で、肩で息をしながら魔獣の浄化をしている姿を見てしまう。

魔力を持たずに生まれてきた私が帝国一の魔法使いと婚約することになりました
ふうか
恋愛
レティシアは魔力を持つことが当たり前の世界でただ一人、魔力を持たずに生まれてきた公爵令嬢である。
そのために、家族からは冷遇されて育った彼女は10歳のデビュタントで一人の少年と出会った。その少年の名はイサイアス。皇弟の息子で、四大公爵の一つアルハイザー公爵家の嫡男である。そしてイサイアスは周囲に影響を与えてしまうほど多くの魔力を持つ少年だった。
イサイアスとの出会いが少しづつレティシアの運命を変え始める。
これは魔力がないせいで冷遇されて来た少女が幸せを掴むための物語である。
※1章完結※
追記 2020.09.30
2章結婚編を加筆修正しながら更新していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる