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躊躇のない暴力で、ミシェラは咳込んだ。
その姿を嬉しそうに見ながら、更にグルタは言い募る。
「さっき聞こえたんだ。お前は魔術が使えないから後方支援だって。俺たちをさんざん馬鹿にして竜神様への生贄の役目も放棄して村から出て、村に損害を与えて、結局魔術も使えないんだってな。お前はどこに行ったって役立たずだ!」
イライラした様子で、何度もミシェラの事を足蹴にする。
痛みと向けられる悪意に、頭がぼんやりとしてくる。
暴力の時は、ただ時間が過ぎるのを待つのが正解だ、ときっと身体が覚えているんだと、他人事のように思う。
「お前は予定通り、生贄になるべきだ」
グルタはミシェラのあごを掴み、目を合わせてくる。ぞっとするほどの狂気が見え、気持ち悪くなったミシェラはそっと目を瞑った。
やり過ごすすべはわかっている。
そう、目を瞑って、痛みに耐え、時間が過ぎるのを待つ。
大丈夫だ。
何度もやってきた事を、またやるだけだ。
「あんな魔術師団が来たところで、竜神様はおさまならない。今だって戦ってはいるが、そのうちやられるだろう。魔術師だなんて偉そうにしやがって、無能のくせに」
いつものことだと思っていたのに、憎々しく呟かれる言葉に、黙っていることは出来なかった。
目をあけて、整った顔を憎しみにゆがめるグルタにはっきりと伝える。
「彼らは無能なんかじゃない。ドラゴンを倒して、あなたたち村人を守るために来たのよ!」
ミシェラの心からの反論を、グルタは鼻で嗤った。
「彼氏のことを言われて怒ったのか? あのスカイラとかいう師団長にお前は取り入っていたもんな。この村から連れ出してもらってお前もあいつに絆されたのか? まったくあいつも物好きだな。こんな女の事を助けるだなんて」
「ハウリー様はそんなんじゃない! 私が魔力を持っているから、連れていってくれただけだわ!」
「その魔力も結局魔術が使えないなら無駄だな。見る目もない馬鹿ってことだ。馬鹿と馬鹿だ」
ハウリーの事を馬鹿だというこの男の事を、ミシェラは今までで一番不快に思った。
頭が怒りで真っ赤に染まる。
今すぐに掴みかかって、謝らせたい。それでも足りない。
今まで殴られても蹴られても、どんなに馬鹿にされたってここまでの怒りは湧いてこなかった。
しかし、今、この男を許すことができない。
怒りで手が震え、呼吸も荒くなっているのを自覚する。
だめだ。
この男と同じことをするのではだめだ。
ミシェラは心を落ち着かせるために息を吐き、まっすぐに彼を見据えた。
「……馬鹿はあなたよ。グルタ」
「なんだと! 生贄ごときが偉そうに!」
馬鹿にされたグルタが、怒りに任せてこぶしを振り上げる。ミシェラは避けもせずにさっと魔法陣を展開し、グルタの腕に触れた。
『凍らせて』
「なっ……! なんだこれ」
ミシェラの魔術によって、腕の一部が凍り、固まった。
急に腕が凍って動かなくなった事に焦ったグルタは、周りをキョロキョロと見渡す。
「まさか、魔術師団が!?」
グルタは思い当たったように叫び、周りに対して警戒態勢をとった。
でも、当然違う。
ミシェラは立ち上がり、馬鹿みたいに警戒している彼を見つめた。
グルタの前では弱みを見せたくないのに、まっすぐに立つと蹴られたお腹が痛くて俯きそうになる。
必死でこらえていたが、ミシェラはある事に気が付いて、笑ってしまう。
「ああ、そうだった。もう誰かの目を気にする必要なんてないのよね。……『回復』」
魔術は言葉を発すると、より効果が高まる。それは、きちんと神様に伝えるからだと思っている。
淡い光に包まれ。ミシェラの身体はあっという間にどこも痛くなくなった。
ミシェラが回復魔術を使う姿に、グルタは驚いて目を見開いた。
「まさか……これは、お前が? 魔力を流しても、自分は回復しないって親父が……」
「魔力を流す方法では自分は回復できない、これは回復魔術よ」
「魔術が使えないなどと、俺をだましたのか! 馬鹿にしやがって!」
カッとなったのか口汚く罵りながら、そのままの勢いでミシェラに向かって掴みかかってくる。しかし、ミシェラが魔術を展開する方がずっと早かった。
「いたっ」
グルタを囲うように、氷の板を作る。グルタは勢いのまま氷にぶつかり、こちらに来ようとするも氷に阻まれ、グルタはそのまま動けなくなる。
どんどんと氷を叩いているが、その程度で壊れるはずもない。
氷の檻に入れられたグルタは、それでもミシェラに偉そうに命令した。
「なんだよこれ! 出せよ!」
「……出すわけないわ。私が最初のころ、いくら痛いからやめてって言ってもやめてくれなかった。それなのに、どうして今私があなたのいう事を聞くと思うの?」
「お前は生贄だろう! 俺とは違う!」
「何も違わないわ」
生贄として生まれてきたわけじゃない。皆と同じ人間だったのに。
村で生贄として扱われ、ミシェラもそう思わされてきただけだった。
「……私は、生贄じゃない。ただ、魔力の多い人間だわ」
呟く言葉は、グルタには届かないだろう。
でも、今は心からミシェラはそう思えた。
ミシェラはただの魔力が多い人間で、魔術師になれると、ハウリーがそう言ってくれたから。ミシェラは彼との会話を思い出して笑う。
彼と話していると、ミシェラもなんでもできるような強い気持ちになれた。
「いえ、私はハウリー様と同じ化け物かもしれないわね」
「……なに笑ってるんだよ、気持ち悪いな。ああ、お前はそうだよな。村がなくなれば生贄にならずに済んでいいからな。だから村の人間の事も、村の皆が信じている竜神様の事だってどうだっていいんだ! 所詮生贄だから、お前は竜神様を信じてないから!」
「私だってドラゴンは好きだわ。……信仰はないけれど、ドラゴンの事を好きな人の事を知っているもの。あの人が好きだったから、私だって親しみくらいもってた」
「誰だよあの人って。村に誰か通じてる人間でもいたのか!」
馬鹿みたいなことを言いながら、グルタがドンドンと氷を叩いている。手が冷たくなるだけなのに、と冷めた気持になる。
こんな事にずっと囚われていたなんて。
「こんな弱い人に私はずっと虐げられていたのね」
ミシェラがため息をつくと、グルタが言葉にならない叫びをあげる。
彼が叫べば叫ぶほど、ミシェラの気持ちは村から離れていった。
「なんだ。……本当に、馬鹿みたい」
その姿を嬉しそうに見ながら、更にグルタは言い募る。
「さっき聞こえたんだ。お前は魔術が使えないから後方支援だって。俺たちをさんざん馬鹿にして竜神様への生贄の役目も放棄して村から出て、村に損害を与えて、結局魔術も使えないんだってな。お前はどこに行ったって役立たずだ!」
イライラした様子で、何度もミシェラの事を足蹴にする。
痛みと向けられる悪意に、頭がぼんやりとしてくる。
暴力の時は、ただ時間が過ぎるのを待つのが正解だ、ときっと身体が覚えているんだと、他人事のように思う。
「お前は予定通り、生贄になるべきだ」
グルタはミシェラのあごを掴み、目を合わせてくる。ぞっとするほどの狂気が見え、気持ち悪くなったミシェラはそっと目を瞑った。
やり過ごすすべはわかっている。
そう、目を瞑って、痛みに耐え、時間が過ぎるのを待つ。
大丈夫だ。
何度もやってきた事を、またやるだけだ。
「あんな魔術師団が来たところで、竜神様はおさまならない。今だって戦ってはいるが、そのうちやられるだろう。魔術師だなんて偉そうにしやがって、無能のくせに」
いつものことだと思っていたのに、憎々しく呟かれる言葉に、黙っていることは出来なかった。
目をあけて、整った顔を憎しみにゆがめるグルタにはっきりと伝える。
「彼らは無能なんかじゃない。ドラゴンを倒して、あなたたち村人を守るために来たのよ!」
ミシェラの心からの反論を、グルタは鼻で嗤った。
「彼氏のことを言われて怒ったのか? あのスカイラとかいう師団長にお前は取り入っていたもんな。この村から連れ出してもらってお前もあいつに絆されたのか? まったくあいつも物好きだな。こんな女の事を助けるだなんて」
「ハウリー様はそんなんじゃない! 私が魔力を持っているから、連れていってくれただけだわ!」
「その魔力も結局魔術が使えないなら無駄だな。見る目もない馬鹿ってことだ。馬鹿と馬鹿だ」
ハウリーの事を馬鹿だというこの男の事を、ミシェラは今までで一番不快に思った。
頭が怒りで真っ赤に染まる。
今すぐに掴みかかって、謝らせたい。それでも足りない。
今まで殴られても蹴られても、どんなに馬鹿にされたってここまでの怒りは湧いてこなかった。
しかし、今、この男を許すことができない。
怒りで手が震え、呼吸も荒くなっているのを自覚する。
だめだ。
この男と同じことをするのではだめだ。
ミシェラは心を落ち着かせるために息を吐き、まっすぐに彼を見据えた。
「……馬鹿はあなたよ。グルタ」
「なんだと! 生贄ごときが偉そうに!」
馬鹿にされたグルタが、怒りに任せてこぶしを振り上げる。ミシェラは避けもせずにさっと魔法陣を展開し、グルタの腕に触れた。
『凍らせて』
「なっ……! なんだこれ」
ミシェラの魔術によって、腕の一部が凍り、固まった。
急に腕が凍って動かなくなった事に焦ったグルタは、周りをキョロキョロと見渡す。
「まさか、魔術師団が!?」
グルタは思い当たったように叫び、周りに対して警戒態勢をとった。
でも、当然違う。
ミシェラは立ち上がり、馬鹿みたいに警戒している彼を見つめた。
グルタの前では弱みを見せたくないのに、まっすぐに立つと蹴られたお腹が痛くて俯きそうになる。
必死でこらえていたが、ミシェラはある事に気が付いて、笑ってしまう。
「ああ、そうだった。もう誰かの目を気にする必要なんてないのよね。……『回復』」
魔術は言葉を発すると、より効果が高まる。それは、きちんと神様に伝えるからだと思っている。
淡い光に包まれ。ミシェラの身体はあっという間にどこも痛くなくなった。
ミシェラが回復魔術を使う姿に、グルタは驚いて目を見開いた。
「まさか……これは、お前が? 魔力を流しても、自分は回復しないって親父が……」
「魔力を流す方法では自分は回復できない、これは回復魔術よ」
「魔術が使えないなどと、俺をだましたのか! 馬鹿にしやがって!」
カッとなったのか口汚く罵りながら、そのままの勢いでミシェラに向かって掴みかかってくる。しかし、ミシェラが魔術を展開する方がずっと早かった。
「いたっ」
グルタを囲うように、氷の板を作る。グルタは勢いのまま氷にぶつかり、こちらに来ようとするも氷に阻まれ、グルタはそのまま動けなくなる。
どんどんと氷を叩いているが、その程度で壊れるはずもない。
氷の檻に入れられたグルタは、それでもミシェラに偉そうに命令した。
「なんだよこれ! 出せよ!」
「……出すわけないわ。私が最初のころ、いくら痛いからやめてって言ってもやめてくれなかった。それなのに、どうして今私があなたのいう事を聞くと思うの?」
「お前は生贄だろう! 俺とは違う!」
「何も違わないわ」
生贄として生まれてきたわけじゃない。皆と同じ人間だったのに。
村で生贄として扱われ、ミシェラもそう思わされてきただけだった。
「……私は、生贄じゃない。ただ、魔力の多い人間だわ」
呟く言葉は、グルタには届かないだろう。
でも、今は心からミシェラはそう思えた。
ミシェラはただの魔力が多い人間で、魔術師になれると、ハウリーがそう言ってくれたから。ミシェラは彼との会話を思い出して笑う。
彼と話していると、ミシェラもなんでもできるような強い気持ちになれた。
「いえ、私はハウリー様と同じ化け物かもしれないわね」
「……なに笑ってるんだよ、気持ち悪いな。ああ、お前はそうだよな。村がなくなれば生贄にならずに済んでいいからな。だから村の人間の事も、村の皆が信じている竜神様の事だってどうだっていいんだ! 所詮生贄だから、お前は竜神様を信じてないから!」
「私だってドラゴンは好きだわ。……信仰はないけれど、ドラゴンの事を好きな人の事を知っているもの。あの人が好きだったから、私だって親しみくらいもってた」
「誰だよあの人って。村に誰か通じてる人間でもいたのか!」
馬鹿みたいなことを言いながら、グルタがドンドンと氷を叩いている。手が冷たくなるだけなのに、と冷めた気持になる。
こんな事にずっと囚われていたなんて。
「こんな弱い人に私はずっと虐げられていたのね」
ミシェラがため息をつくと、グルタが言葉にならない叫びをあげる。
彼が叫べば叫ぶほど、ミシェラの気持ちは村から離れていった。
「なんだ。……本当に、馬鹿みたい」
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