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4巻
4-1
しおりを挟む1 Sランク冒険者
人化してからだいぶ経ち、人間の姿での生活にもすっかり慣れた俺、ジャー。
いや、元々俺は人間だったのだが、異世界に来てから邪竜となり、その生活を数年間続けていたのだ。
それが今では、グリザードの町で邸宅までもらい、一度は別れた子分のスライムたちとも再会して、この家でヨロシクやっている。
スライムたちは、イレーヌやルシルともすぐに仲良くなった。
あいつらのコミュ力は俺なんかよりずっと高いらしい。もっとも、ルシルなんかはスライムと目が合った瞬間抱きしめてたんだけど。
まあ、カワイイは正義ですから。
さて、そのカワイイ三銃士はすでに朝食を取り終わって、リビングでルシルと一緒にジャレ合っていた。
「しゅっぱつしてください!」
「はーい、いくわよー。ぱっかぱかぱー」
四つん這いになったルシルが、ハイハイするようにリビングの中を進んでいく。ルシルの、そう広くない背中の上で、スラパチたちが嬉しそうにぴょんぴょん跳ねている。
お馬さんごっこを楽しんでいるらしい。この空間、日本の田舎レベルの平和さだわ。
「ルシルは、魔法使いより保母さんとかのほうが向いてそうだな」
遊びに夢中になるルシルたちを眺めつつ、俺はテーブルに座るイレーヌに話しかけた。
「はい。ルシルさんって貴族なのに、すごく親しみやすいですよね」
「だな。立ち食いとかも平気でやるし、庶民派令嬢って感じか」
「平民を見下している貴族の方は多いですけれど、ルシルさんにはそういう選民意識はないようです」
「あんま身分とか気にしないんだろう。あいつの親もできた人間だからな」
「教育はやっぱり大事なんですね」
「よし、じゃあルシルをスライムの教育係にするか」
――と、俺の一存で勝手に決定したところで、ふと気づく。
全く会話に参加してこないクロエが、何か思い詰めるように床を見つめていると。
何気ないふうを装って声をかけてみる。
「どうした? なんか嫌なことでもあったのか?」
「……あ、いや、なんでもないんだ。うん、なんでもない。……イレーヌ、そろそろギルドに向かってもいいかな」
「は、はい」
イレーヌは最近、よくクロエの依頼の手伝いをしているようだが、今日も約束していたらしい。
玄関へと向かっていったクロエを追いかけようとして、イレーヌは動きを止める。そして、心配事でもあるのか、沈んだ表情を俺に向けた。
「ご主人様……。今晩はお家に帰ってきますか?」
「おう、ちゃんと帰ってくるぞ」
「では、夜に。クロエさんのことで、少しお話ししたいんです」
「わかった」
「いってきますね」
クロエが悩んでいるのは明らかだが、イレーヌはその原因について何か知っているのだろう。
二人が出かけたあと、俺は久しぶりに頭を働かせて、クロエが抱えているであろう問題を推理することにした。
たぶんだけど、目標を見失って道に迷っている的なやつじゃねえかと思う。
あいつは元々、邪竜やら魔王を倒すことに並々ならない執着を見せていた。だが、結局どちらも達成することはできなかった。
そもそも邪竜は俺だし、魔王はすでに死んでたし。
邪竜はともかく、魔王を倒したのはどこのどいつなんだよ、おかげでクロエの夢が破れたじゃねえか!
……俺だったわ、ごめん。
よく考えりゃ、俺のせいであいつは目標を失ったとも言えるな。なんか俺って、すげー悪いやつに思えてきたんですけど。
「ねえジャー、最近クロエ元気ないわよね?」
お馬さん歩きをしながら、ルシルが近寄ってくる。
「こら、馬はしゃべるときに、ひひーんって付けなきゃダメなのよ!」
背中で跳ねるスラミに怒られて、ルシルはセリフを言い直す。
「ねえジャー、最近クロエ元気ないわよねひひーーん?」
「……おまえも大変なのな」
「そんなことないわよひひん。それより、今日スラパチたちのこと学校に連れてっていいかしら? こんなに賢いスライムって他にいないから自慢したいの」
「ルシル!」
再びスラミが注意する。
「自慢したいのひひーーん」
「……あんまり危ないことさせねえでくれよ」
「ありがと、じゃなくて、ありがひひーん」
クロエと違って悩みなんてなさそうなルシルと三銃士は、ご機嫌な様子で学校へと出発していった。スライムは魔物だから警戒するやつもいるだろうが、ルシルが一緒なら大丈夫だろう。
それより、やっぱりクロエのほうが気になっちまう。
どうせ予定もないし、俺もギルドに行ってみるか……。受付嬢のシエラに会って、最近のクロエの様子なんかを訊き出すのがいいかもしれないな。
そうと決めたら、さっさと行動に移すか。
◇ ◆ ◇
何か特別なことが起きているのだと、ドアを開けてすぐにわかった。
室内には多くの冒険者たちがおり、皆一様に掲示板の前の人だかりに注意を向けていた。
俺も視線を向けてみると、そこにはクロエやイレーヌがいて、それと対面するように妙な女の二人組が立っていた。
「長期クエストを終えて久々に戻ってきてみたら、ギルドに肥溜めの空気が流れていますわねぇ。本当に息をするのが苦しくて苦しくて。あぁ、どうしたらいいものか」
芝居がかった口調でそう言うのは、二人組のうちの一人。虎の紋章の入ったハーフマントを羽織る背が低い女だ。年齢はまだ二十歳には達しないくらいか。
ウェーブがかった金髪、灰色の瞳、上向いた鼻先、薄い桃色の唇、これらをまあまあ上手い具合に組み合わせた顔立ちをしている。膝上くらいまでのスカートとブーツという軽装で、冒険者には珍しく武器を所持していない。暗器を隠し持っている可能性はあるが。
「あぁとくにこの辺はクサイ、クサイ。ど~してこんなにも臭うのかしらねぇ。アネント、理由を教えてちょうだい」
金髪女はこれ見よがしに鼻をつまむと、近くにいた痩せ型の黒髪女に話しかける。
この黒髪も、虎の紋章が刺繍されたハーフマントを身につけていて、金髪と同じように無手だ。冒険者にしてはかなり線が細いが、隙のない佇まいから相当な実力者だということが伝わってくる。
アネントと呼ばれた黒髪女は眉一つ動かさず、無表情のまま声を発する。
「……臭いの元は、ミミール様の目の前にあるかと」
「あら、わたくしの目の前ですって? わたくしの目の前にいるのは……、あぁ納得ですわ。ど~~りでクサかったわけですわ」
ミミールの侮蔑をはらんだ瞳が、うつむくクロエを捉える。
「服は洗っているのだが……。すまない。では、私はこれで」
クロエは波風立てないようにそう告げると、踵を返してさっさと立ち去ろうとする。
馬鹿のいなし方としては百点の対応だと思ったが、相手はなかなか厄介なやつらしい。クロエを呼び止めて嫌味を続ける。
「待ちなさい。去るのなら、ここの登録を取り消してからにしてくれませんこと?」
「……ギルドを辞めろと」
「昔から何度もそう言い続けてきましたわ。面の皮の厚い貴女は、決して聞き入れようとはしなかったけれど。邪竜や魔王を倒すまでは~云々と。……それで、どちらかでも倒せましたの?」
「そ、それは……」
「大言壮語ばかりの貴女には、本当に辟易させられますこと。あの母親にしてこの子在り、といった感じですわね」
「母さんの悪口は、許さない」
クロエが負の感情を表すことは滅多にないのだが、このときばかりは射殺すような目つきでミミールをにらんだ。
一方、ミミールはそんなの屁でもないとばかりに平然としている。
「許さなければどうなりますの? 淫乱ゴミ女と呼ばれる貴女の許しなど誰が請うというの? わたしくは誇り高きオルセント侯爵家の人間よ。では貴女は? 貴女の両親はすでに亡くなっているけれど、父親は騎士になることすらできなかった情けない傭兵と聞いていますわ。そして何より母親は」
「やめ、ろ」
「やめろ? どうして? 恥ずかしいの? そうですわよねぇ。あんな母親、恥の塊みたいなものですもの」
「恥……、なわけ、……恥なわけなどない。私は母さんを尊敬している!」
「アハハハハ、あなた方聞きました!? クロエは、品のかけらもない娼婦を、尊敬しているようですわよ! これが笑わずにいられますか? アハハハハハッ」
ミミールが甲高く哄笑すると、釣られて一緒になって嗤うやつも出始めた。クロエが強く出られないところを見るに、母親が娼婦だったというのは真実なんだろう。
するとイレーヌが、室内を埋める汚い笑い声を掻き消すように声を張った。
「クロエさんはすごく立派な人なんです! 馬鹿にされるような人じゃありません!」
「立派? どう立派なんですの?」
「魔物の被害に遭って困っている人を、多く救っています」
「そんなこと、わたくしたちも日常的に行っていますわ。わたくしたちはクロエより上のSランク冒険者。このギルド『真光の戦士』でもトップクラスの功績を収めているんですのよ?」
S級冒険者ってのは、数多存在する冒険者の中でもトップクラスに優秀なやつしかなることができないと耳にしたことがある。なんでも致死率の高い依頼を笑顔でこなせるような選ばれし者やらなんたららしい。
あれだけ傲岸不遜であるにもかかわらず周囲のやつらが誰も逆らおうとしないのは、そういう理由のようだ。
ただ、冒険者の中に注意するやつはいなくとも、職員はまた別らしい。一人の受付嬢が抑揚のない声で告げる。
「そこまでにしてちょうだい。人には相性もあるから仲良くしろとは言わないけれど、積極的に相手を攻撃する姿勢は好みじゃないの」
どこか気だるそうに前髪をかき上げる超美人、シエラだ。
「あーら、受付嬢ごときがわたくしに意見しますの?」
「S級でもF級でも私にとっては同じ冒険者よ。貴族か平民かも関係ない。私はクロエの両親のことは知らないけれど、彼女がいつも真面目に依頼をこなしてくれることは知っているわ。だからアナタの話すことに全く同意できないのよ」
S級というとギルドへの貢献度が高いので、職員でもヘコヘコしてもおかしくねえはず。そこを、そんなの関係ねえ! と言い放つシエラは、相変わらずかっこいいな。
しかし、相手も簡単には引き下がってくれないらしい。ミミールが口角を高く引き上げて攻勢に転じてくる。
「さすが、わたくしと同じS級冒険者のシエラですわ。いえ、元S級冒険者というべきですわね。中央大陸ではだいぶ活躍したようですけど」
「どうして……、それを……?」
「オルセント家は優秀ですの。なんだって調べられますわよ~。アネント、彼女の活躍ぶりを皆に教えてさしあげなさいな」
そう言ってミミールが動揺するシエラを追い込むと、アネントが淡々と口にしていく。
「……今でこそ受付嬢であるシエラですが、元々彼女は中央大陸で冒険者をしていました。同じSランク冒険者とパーティを組み、一部ではかなり有名な存在だったようです。向かうところ敵なしとさえ言われていましたが、ある日、そんな彼女たちに不測の事態が生じます。彼女のチームは魔物の討伐に失敗し、一人を除いて全員が亡くなってしまいました」
「その生き残った一人というのが~?」
「シエラです」
ミミールはニヤニヤとしながら、とぼけた様子でアネントに尋ねる。
「ねえアネント、一人だけ生き残るって、それってどういうことですの?」
「推測ですが、敵が予想以上に強かったため、仲間をおとりにして自分だけ逃げ帰ったのではないかと思われます」
「わ、私はっ、そんなことっ」
今まで見たことのないような悲痛な顔で反論するシエラ。しかし、それを遮るようにアネントは話を進める。
「一人生き残った彼女は、そのあとすぐに冒険者を辞めて、ここ南大陸へと渡ってきました」
「なっさけな~~い!」
「く……」
アネントは俯くシエラを邪魔そうに突き押すと、クロエの前に立つ。そしてクロエの胸ぐらをつかみ上げた。
「……ミミール様への無礼な態度、言語道断。謝罪を要求する」
「……断わるよ」
さすがにそこは折れないクロエ。だが次の瞬間、クロエの体が後方へと吹き飛んでテーブルの一つと派手に衝突した。
アネントが、ノーモーションからクロエの顔面へ掌打を放ったのだ。
人相手に一分の迷いもなく技を放つとは、相当頭がイカれてる……。が、それはともかく、Sランクってのは嘘じゃないな、身体能力が高い。
黒髪のアネントはさらに追撃を加えようと、クロエの顔面に足を下ろし――。
しかし、下ろせなかった。
飛び入り参加した俺に目を奪われたからだ。
「お返しな」
俺はとくに小細工もせず、アネントの顔めがけてストレートを打つ。当たらないだろうと予想していたけど、マジで当たらなかった。
アネントはくるりと体をひねって俺のパンチを無効にすると、避けた動作の延長で裏拳を俺の右頬に送り込んでくる。
これはまあ、喰らった。
こっちの右手が伸びきっていたこと、相手の裏拳の速度が半端じゃなかったこと、これらが重なれば必然そうなっちまう。
その細身の体格から、どうやったらこんな威力出せるんだか。そこそこ痛い。
さっきクロエに見せた残虐さからして、ここで攻撃が止まるような相手じゃない。
思った通り剛撃を繋げてきた。
わき腹、顎下と強打してきて、お次は心臓。
全部防いだ。
すると、急所蹴り上げ攻撃を仕掛けてきやがったので、手を下に伸ばしてガード。
もっとも、これはフェイクだった。
顔を下に向けた一秒後には、後頭部にフック気味の拳が飛来してきたのだ。まあ腕使って弾いたけども。
しかし、嵐のような隙のない攻めだ。一つひとつもけっこう重いし。
この黒髪無表情女は、裏金とかでS級冒険者になったわけじゃないなと痛感した。
けど――。
俺は、攻撃が途切れたところを見計らい、がしっと捕まえた。
アネントの足首を。
「……ッ!?」
「そっちのチビに話あるからよ、ちょっと席はずしてくんねえか」
俺は、力任せにアネントを振り上げると、ハンマーを打ちつけるように、床へと何度も叩きつけた。
そうして床を何ヶ所もヘコませたあと、仕上げに入り口のドアめがけてスローイング。
人間砲弾は、ドアを簡単にぶち破って外へと飛んでいった。
「ふー、邪魔者がいなくなってせいせいした」
爽やかな笑顔を金髪女に向けると、怨念めいた表情で見返された。気にせず俺は、肩をコキコキと回しながら金髪女の正面に立つ。
確か、ミミールって名前だっけか。
子連れの母熊みたいな攻撃的な眼光だ。若い女がしていい顔じゃない。
ま、ぜんぜん怖くはねえんだけど。
「俺がガキの頃にさ、まなみちゃんっていう女の子が同じ学校にいたわけ。おまえ、そいつに雰囲気がすげー似てるんだよな」
俺が話を振ると、ミミールは獰猛な目のまま小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「さぞかし、才色兼備な女子だったのでしょうね」
「確かに見た目は可愛いかったし、頭も良かった」
「ふっ、そうに違いありませんわ。だってわたくしに似ているんですもの」
この不遜で怖いもの知らずの態度とか、似てるなんてもんじゃない。もしかして、あいつの生まれ変わりだったりして。……あり得そうだ。俺も転生してるわけだし。
「まなみちゃんはよ、女子のリーダー的存在だったんだけど人格に問題あったわけ。いっつも攻撃対象を探してて、見つけると喜々としてイジメるのよ。泣かされた被害者は数知れずってやつ」
「人は平等じゃありませんの。上の者が下の者をどう扱おうと勝手ですわ。違いまして?」
「弱肉強食か。そういう考えもあるわな。けど、それを地で行くやつって大抵自分が食われる側に回る。まなみちゃんもそうだった。ある日、一人の女子が転校してきたんだけど、そいつがスーパーな女子だったわけ。かなえちゃんっていうんだけど、家は大金持ち、眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経抜群と完璧だった」
「そんな女、わたくしだったら即座に勝負を挑んで潰しますの」
「まなみもそうしてた。そして完敗したわけ。何やっても勝てなかった。差は圧倒的だった。そして負け犬になった翌日から、まなみはかなえたちから激しいイジメに遭う。半年続いたところで、まなみは引きこもりになっちまった」
ミミールは心底くだらないといった顔をして言う。
「わたくしと、そのまなみという女を同一視したいのでしょうけど、大きく間違っていますの。その話で言うなら、わたくしはかなえのほうですわ。生まれてこの方、自分より優秀な同年代なんて見たことありませんもの」
「まあ、かなえも中学行ってから集団イジメに遭って、引きこもりになるんだけどな」
「なっ!?」
「いろんな女子から恨み買ってたからよ。一対一じゃ勝てなくても、三十対一なら大抵イケるだろ? かなえは三ヶ月でギブだったわ」
予想外の展開を聞かされ、恥をかかされたミミールは、悔しそうに歯ぎしりをしている。
そして、すぐに懐からモノクルみたいなのを取り出してかけた。それで俺を真剣に観察してくるので、能力を読みとれるやつなのかもしれない。
データ解析を待ってやる義理はない。俺は背中から剣を抜き出し――。
突如、背後で膨れ上がった殺気に振り返る。
そこには、黒髪女アネントがいて、俺に向けて奇襲の鉄拳を放とうとしていた。
「――やめてください!」
鋭い一声に即座に反応し、動作を急停止するアネント。なぜアネントが声に従ったかといえば、そうしなきゃ射抜かれてしまうからだ。
――イレーヌの矢に。
「ご主人様に手を出したら、撃ちます」
「……」
アネントは動きこそ止めたが殺意は消していない。矢を番えるイレーヌの隙を狙ってるらしい。
「お、お待ちなさいアネント……」
そこで、どういうわけかミミールが面食らったような顔をしながらも叫んだ。アンビリバボーとか口にしそうな感じだ。
「ここは、一旦退きますわよ」
「……よろしいのですか? 私はまだ戦えますが」
「その男、無礼ではあるけれど、無類でもありますの」
「……どういう意味でしょう?」
「適性属性が八ですわ」
ずっと無表情だったアネントの顔に変化が訪れる。といっても、片眉を少し持ち上げただけだが。
そして俺の属性がばれたということは、やっぱりあの片眼鏡はデータ解析アイテムだったらしいな。適性属性以外にも何が読みとれるのか少し気になる。
とにかく、相手側は俺との争いをやめるようだ。二人とも殺気を完全に消し、ギルドの出入り口に向かって歩きだした。
だが、当然、俺としては見逃してやるわけにはいかない。
「あのよ、クロエに謝っていけよ。背中切られても文句言えねえと思うけど」
ミミールは顔だけこちらに向けると、相変わらずイラッとくるセリフを吐く。
「こちらも貴女のことを放置しておくつもりはありませんの。近々、場を改めて決着をつけてさしあげますわ。そこの汚娘とは仲が良いのでしょう? 一緒に葬ってあげてもよろしくてよ」
そのままミミールらが出て行くと、張りつめていた空気が一気に弛緩する。
俺は剣を収め、怪我を負ったクロエたちに意識を向けた。
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