陽のあたる場所２

思考と嗜好

思考と嗜好16

慎二郎は結局服飾の専門学校さえ卒業できず、その後は露頭に迷うような人生を送っていた…。


でもあの頃、お互い自分に自信がなかった２人にとってファッションは自分の自尊心を保つ材料でもあったし、自己表現の方法でもあった…。


でも今思えば、お互いファッションが好きという気持ちより、自信を持つ為や見栄を張る為の材料でしかなかったのかもしれない…。


だからと言って、本当に自分が好きな事を10代のうちに見つけるのって難しいのかもしれないけど

今思えば人生の選択肢を増やす為にはとりあえず大学に行って勉強しとくのも悪くないと思うーー。



そういえば私は高校までは成績も良かったし、真面目ちゃんだったけど

ファッションに興味を持ってファッションに生きてから勉強なんて全くしなくなってある意味ダメ人間になってた…（笑）


篤史は篤史で私と全く真逆で、高校までは勉強もせずヤンキーだったけどw

高校卒業して専門に入学してから猛勉強をして資格を取りまくり、今の会社での今の地位まで上り詰めた…。


それは下克上のような生き方で、現代に例えるならばまるで遅咲きな『ビリギャル』のような人生なワケで…w


高校時代までは勉強を頑張っていた私…

高校を卒業してから勉強を頑張った篤史……

お互い全く違う生き方だから、お互い惹かれあっているし、補い合っているのかもしれない……。


だから篤史には尊敬できる面も沢山あるけれど、時に彼の考えが理解不能でヒヤヒヤすることも多いワケで……w



「幸子！

俺、昨日会社に辞表提出してきたわっ！！」