陽のあたる場所２

不実な策略

不実な策略24

「そうだな…それがあったな！？」


「ちゃんと取っといてある！？」


「あぁ…それは捨ててないから、どこかにはあるはずだわ！」


「最近忙しいから大変だと思うけど、次の調停までに見つけられないかな！？

引っ越しした後だとますますどこにあるか分かんなくなっちゃいそうだしさ。」


「そうだな！？探してみるわっ！」


「DNA鑑定の書類があればこっちの方が優位になると思うの！

いくら事実婚だった男性との子供が”腹いせ”だったと嘘付いても

篤史と離婚する前から彼女に不貞があったって証明になるからさっ！」


「確かにそうだなっ！

どこにしまったか忘れちまったけどなんとか探してみるさっ！

早くこんな問題片付けて幸子と一緒になりたいからよっ！！」


「絶対に見つけてねっ！

奥さんは篤史がDNA鑑定していたこと全く知らないんだよね！？」


「あぁ、知らないハズさっ！こっそり調べたからな（笑）

だからその当時の子供も俺の子じゃないって、俺が分かってることも知らないはずさ（笑）」


「良かった♪それならビックリするだろうね（笑）

何も知らなきゃ裏工作もできないだろうしね（笑）」


「あぁ、俺はちゃんと信実だけ話して勝負するからよっ！！」


それから篤史は結局DNA鑑定の書類を探す暇もなく時間は過ぎて行った（笑）


私はモヤモヤしていたけど、篤史は仕事が忙しくてそれどころじゃなくて

DNA鑑定の書類は見つからないまま１週間が経過していたーー。



そんな忙しい篤史に、無情にも更なる試練がやってきて……



「幸子！

うちの会社、解散することになったわ！！（笑）」