陽のあたる場所２

不実な策略

不実な策略7

上野くんは仕事が始まるや否や真央のことを聞いてきてくれた。


「ううん。まだ返ってきてないよ。

既読にはなってたから読んでくれてるみたいなんだけど

それで返事返って来ないってことは相当怒ってるのかもw」


「マジっすかぁ…。」


「ありがとね。気にかけてくれて。」


「いやぁ…親友だっていうし、やっぱ気になるじゃないっスか。

ホント一昨日何があったんスかね…。」


「返事も来ないからもう何とも言えないけどさ。

彼女にとって不快なことを言ったのは間違いないだろうね。

女性同士ってさ、常に本能的にマウンティングし合っててさ

それは脳科学的にも証明されてるみたいなんだけどさ

もしかしたら私も酔っ払って知らず知らずマウンティングみたいな事をしてしまったのかもしれない…。」


「確かに酔っ払ってる時ほど、本音を言ってしまう可能性はありそうですよね。

マウンティングかぁ…。

例えば…その親友の彼氏の悪口言っちゃったとか！？

その親友は彼氏います！？」


「その子今は彼氏いないやw」


「じゃあ逆に彼氏いないから嫉妬させるような事言っちゃったとか！？」


「う～ん…多分ないと思うなぁ…。

彼女はモテるし、今作らないだけで私に彼氏いようが嫉妬しないと思うよ？」


「じゃあ何でしょうねぇ？」


「まぁ考えてももう分からないから謝りようもないしw

とりあえず連絡くるのを待つよ（笑）」


「なんでわざわざLINEなんかで…。文句あるなら直接言えばいいじゃないっスかねぇ。」


「それだけ言いづらい事だったのか、悩んだ上でLINEしたのか…。

私さ、女に戻ってから自然と我慢しちゃってる面もあってさw」


「それはどうゆうことですか？」


「男同士の友情ってさ、『お前バカだなぁw』とか『だからお前はダメなんだよw』とか

常に貶しあってたりしてさw それでも時々『お前のそうゆうとこ好きだわっ！』みたいに

普段は憎まれ口聞いててもたまに褒めるみたいのが友情の証みたいな感じだったんだけどさw」


「あ～！確かに俺もそんな感じっスね（笑）」



「だけど、女に戻ったら女同士は普段から褒め合いでさw

みんな本心なのかも分からない褒め合いをして生きているから…


私はそうゆうの苦手っていうか、ちょっと窮屈に感じちゃってるんだよね（笑）」