陽のあたる場所２

恩讐の乱

恩讐の乱28

「あぁ、予定通り”山本”が部長になったよ。」


”山本”さんとは篤史と同い年で独身の男性のことだ。

無遅刻無欠勤と真面目な上に几帳面な男性で、篤史とはまるで真逆な男性と話には聞いていた（笑）


「良かったぁ♪無事に部長になれたんだね！！

これで篤史もとりあえず一安心だね♪」


山本さんを部長に推薦したのは篤史で、最初は『俺のポストを任せられる奴が見つからない！』と話していたけど、

その真面目で勤勉な山本さんの仕事に対する姿勢を篤史が買い、推薦することに決めた。


そんな真面目な山本さんは人柄はいいのだが、少々頼りない面があるようで……w



「とりあえず部長には昇級したけど、アイツにはまだ管理職はやらせねぇ。

俺だって管理職就くのに3年はかかったからな（笑）

アイツは真面目なのはいいが、とにかく仕事が遅い！！

まだまだこれから教育しなきゃならないな。」


篤史はこの日までに付きっ切りで山本さんに仕事を教えていた…。


自分の仕事が終わった後、寝る間を惜しんで山本さんと一緒に遅くまで残って仕事を教えていたから、篤史は身体を壊したりもしていた…。


その上、会長も社長も山本さんの事をあまりよく思っていなかったようだから、

『山本が部長になるのは無理かもしれない。もしかしたらとりあえず部長の席は空席にするかもしれない…。』

と、篤史はボヤいていた。


「ま、これからがスタートだよねっ！

山本さんの事は気がかりだけど…

篤史専務！今日から心機一転頑張ってねっ！！」



篤史の環境は一気に変化し、それと同時に高円寺の私の職場も……


「治さん！今までありがとうございますっ！

約6年間、本当にお世話になりました！

ココでは治さんが唯一おなべ時代から私のことを知ってる人ですしw

思い出もいろいろあり過ぎて寂しいですけど……


異動してもまた飲み行きましょうねっ！！」