陽のあたる場所２

愛の音

愛の音6

”勘違い”や”思い込み”って、時に人生をも左右する。


地味でおとなしかった中学時代、私はクラスに馴染めず勝手に疎外感を感じていたけど

そんな私のことをまさか裏では”アイドル”だと思ってくれていただなんて……。



そして佐川くんなりの愛ある気遣いに私は全く気付くこともなく、2度と会いたくない人間の1人になっていたのだ……。



他人の愛に気づけない事ほど、愚かなことはないかも知れないーー


その愛に気付けないと、”感謝”の気持ちも持てないからーーー




「幸子、愛してるよ」


「え！？何、いきなりびっくりするじゃん！？w」


2016年7月末ーー


加藤さんは真夜中に逮捕され、その翌日のお昼に篤史と電話をしていた。


「なんだよっ！？愛してる人に愛してるって言ってるだけだべ！？

いけねーのか！？」


「いや、そうゆうことじゃなくて電話出ていきなりだったからさ（笑）」


「だからいけねぇのかい！？

しかもいっつも言ってるべさ！？幸子からはあんまり言ってくれねぇけどさっ！」


篤史はいつも『愛してる』を連発してくる。

私はそうゆう言葉を何度も言うのって好きじゃなく、たまに言うからこそ価値があると思うから……


『はいはいw ごめんね（笑）

それより結局加藤さんはどうなったの！？」


「それよりって！？ったく冷てぇなぁっ！」


「そんないじけないでよw」


「別にいじけてねぇべさっ！！」


「はいはいw

で、加藤さん捕まったって言ってたけど結局×××がみつかっちゃったの！？」



「あぁ…それがさ

夜LINEしたように奴は確かに捕まったんだけどさ

実は×××じゃなくて…




”傷害事件”起こして捕まったのさっ！！」