陽のあたる場所

儚いユートピア

儚いユートピア11

「…ん～、なんかよく分かんないですけど…

とりあえず疲れました(笑)」


正直俺は、このゲームに意味があったのか謎だった…。


鳥飼さん自体が俺の昔話を聞いてくれるワケでもなかったし

ただただ俺に昔の事を細かく思い出させて、むしろ更にストレスが溜まっていた…。



「そうでしょ？ｗ

普段使わない部分の脳を使ったからきっともの凄く疲れたんじゃないかしら？」


「…はい。

ぶっちゃけめちゃくちゃ疲れました!!(笑)」



俺はなんだか騙された様な気分で、早く電話を切りたくなっていた…。


「私もね、これを初めてやってもらった時、もの凄く疲れたのｗ

どうかしら？フクちゃんは何か変化あるかしら？」


「いや…。ぶっちゃけよく分かんないです。

何も変化ないというか…

正直、それが原因ではなかったのかもしれません。


…って、自分もそれを分かっていてやったのかもしれません…。」



「そぉ…それならそれでいいのよ。

それなのに沢山考えたなんて…

フクちゃんは最後までよく頑張ったわね。」


「…ありがとうございます。」


「今までとっても苦労してきたのね。」


…え。


「…いやっ…特には…」


「大丈夫、きっと苦労した分、これから先良いことが待っているわ。」


「…ぅ…あ…りがとう…ござい…ます

うぅ…うぅっ…

す…びません…突然…」



「いいのよｗいっぱい泣いて。

大丈夫、きっと今日からあなたは変われるから。」


「…うぅ…うぅ－…うっ…うぅ－…あぁ…うっ…」



それから俺は涙がとまらなくなって、会話もまともに出来なくなって…

泣いたまま鳥飼さんと電話を切った。


「うぅっ…うぅっ…あぁ－っ…うぅっうぅっ…」


電話を切った後、更に涙がとまらなくなっていた…。



俺はなんで泣いているのだろうか…？



「うぅっ…うぅっ…うっうぅっ…ぁあ－…」



それでも泣きやめず、俺はいつの間にか大号泣していたんだ…。