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戦士の呟き
戦士の呟き33
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そう言った後、母親はまた手帳を見ながら今度はカレンダーにメモをし出した…。
「……。」
黙ってその様子を見ていると、
母親はひたすらカレンダーにクラスメートの誕生日を書き込んでいた…。
「あ、来週は○○ちゃんの誕生日よ♪」
私は怒りを通り越して呆れてしまった…。
不気味だ…。
母はなんでここまで誕生日を覚えたがるのだろうか--?
「お母さんねぇ、学生時代はずっといじめられていたの…。」
そんな私の母親は、子供の頃からずっといじめられていたようだった…。
"いじめ"っていじめられるほうにも問題があるっていうけれど、
母親の場合、"火傷の跡"が原因だった。
生まれた直後に大火傷を負った母親は、大人になるまで火傷の跡が残っていた…。
昔から母親のことを"シミ"が多いなwって子供ながらに思っていたけど、
まさか顔や体中にあるシミが火傷の跡だとは知らなかった…。
「先生も助けてくれるどころか…
『お前は見ているだけで不愉快だ!!』って…w
……。
先生からの方が生徒達より酷い発言をいっぱいされたわ…。」
「……酷いね。
先生が言うと、子供達は悪気なくても便乗しちゃうしね…。」
私はずっと母親の話を聞きながら、怒りと悲しさの感情を繰り返していたけど…
母親にはなんだかんだで助けてくれる"親友"と呼べる友人がいた…。
そんな話をずっと聞き続けて高校生になった時、
不謹慎にも母親が"羨ましい"と思ってしまった…。
"いじめ"って、いじめられるのは辛いけど、
いじめられているのが分かると、正義感の強い人が助けようとしたり、同情してくれる人もいたりする。
でもあの頃…
私はいじめられるどころか、まるで居ることさえ忘れられてしまう
"空気のような存在"だったから……。
「"誕生会"やって、将吾くん喜んでくれるといいね♪」
真央にそう言われて、俺はなんだかハッとした…。
"誕生日を記憶する"ことは、母親が数少ない"友達"を作る手段だったのかもしれない…。
"誕生日おめでとう♪"
…きっと誰だって言われたら無条件に嬉しい言葉だ。
「うん♪頑張るっ♪
"誕生日"はその人にしかない…
どんな記念日より大切な日だからねっ♪」
「……。」
黙ってその様子を見ていると、
母親はひたすらカレンダーにクラスメートの誕生日を書き込んでいた…。
「あ、来週は○○ちゃんの誕生日よ♪」
私は怒りを通り越して呆れてしまった…。
不気味だ…。
母はなんでここまで誕生日を覚えたがるのだろうか--?
「お母さんねぇ、学生時代はずっといじめられていたの…。」
そんな私の母親は、子供の頃からずっといじめられていたようだった…。
"いじめ"っていじめられるほうにも問題があるっていうけれど、
母親の場合、"火傷の跡"が原因だった。
生まれた直後に大火傷を負った母親は、大人になるまで火傷の跡が残っていた…。
昔から母親のことを"シミ"が多いなwって子供ながらに思っていたけど、
まさか顔や体中にあるシミが火傷の跡だとは知らなかった…。
「先生も助けてくれるどころか…
『お前は見ているだけで不愉快だ!!』って…w
……。
先生からの方が生徒達より酷い発言をいっぱいされたわ…。」
「……酷いね。
先生が言うと、子供達は悪気なくても便乗しちゃうしね…。」
私はずっと母親の話を聞きながら、怒りと悲しさの感情を繰り返していたけど…
母親にはなんだかんだで助けてくれる"親友"と呼べる友人がいた…。
そんな話をずっと聞き続けて高校生になった時、
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いじめられているのが分かると、正義感の強い人が助けようとしたり、同情してくれる人もいたりする。
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「"誕生会"やって、将吾くん喜んでくれるといいね♪」
真央にそう言われて、俺はなんだかハッとした…。
"誕生日を記憶する"ことは、母親が数少ない"友達"を作る手段だったのかもしれない…。
"誕生日おめでとう♪"
…きっと誰だって言われたら無条件に嬉しい言葉だ。
「うん♪頑張るっ♪
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