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戦士の呟き

戦士の呟き18

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人間の価値観とは人それぞれで

時に面白く、そして厄介でもある…。



自分がどんなに素晴らしいと思っても、他人には伝わらない事がある…。



いや、むしろその方が多いのかもしれない…。



奈良くんを認めた将吾くんも、将吾くんを信じている俺も、

結局ただの自己満な感情に過ぎないのだ。




それは音楽に限らず、全てに共通して言える事だから--




「ぉおっ!?シゲルじゃんっ!!」


「フクっ!!久しぶりっ♪


おっ♪

将吾くんも久しぶりぃ~!!」



将吾くんと昼ご飯を終えて職場に戻ると、

北海道から戻ってきたシゲルが遅れて出勤していた--。



「って、おまえ洒落た髪型してんじゃん!?(笑)」


「だろぉ?(笑)

北海道でパーマかけてきたんだ♪」



北海道に帰省したシゲルは、父親の葬式の後、更に北海道で友人の結婚式に出席し、

ドタバタで多忙なスケジュールを終え、今日の朝やっと東京に戻ってきたという。



父親が亡くなったというのに、シゲルはいつも通り明るく振る舞っていた--。



「シゲルさんホンマ洒落た髪してますなぁ♪」


「なんかその髪型、お洒落で美容師っぽいなw」


「ハハw

俺カリスマだからねぇ♪(笑)」



いつも通り笑い話をしてくれるシゲルは"強い"と思った…。



いつも脳天気そうに振る舞っているけど、

本当は感情のコントロールが上手い"大人"なのかもしれない--。



「いやぁ~…お父さんの最期の姿みたら…

さすがに涙止まらなかったわぁ…w」



葬儀の事はこの一言しか語らなかったけど、

シゲルのこの一言に全てが込められている気がした…。



シゲルの父親は見たこともないし、シゲルが泣く姿なんてのも想像できないけど、

"父親の死"はシゲルにとって、人生の価値観を大きく変えたに違いない--。



「親父が死ぬ前に孫の顔でも見せたかったなぁ…。


せめてお母さんには見せてあげたいな。」



父親の死をキッカケに、シゲルは交際中の彼女との結婚を本格的に考えるようになった。




「つーかさぁっ!!フクっ!!

俺今来て超びっくりしたんだけどっ!!



何なのっ!?

この異常な商品の量はっ!!!!w」
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