陽のあたる場所

復興のキーマン

復興のキーマン7

「だって興味ないし～!!(笑)」


「なんかその"どらごんあっしゅ"って、歌というより喋ってるみたいな…

まるで"お経"みたいで歌っぽくないんだもん(笑)」


「分かってないなぁｗ

"ＲＡＰ"だよ!?ラップ!!


超かっこいいじゃん!?」


「え～、全然分かんな～い!!ｗ

とりあえずフクの聴く音楽ってマニアックでついていけな～いっ!!(笑)」



あの頃のDragon Ashは私の学校の女子の中ではまだ全く知名度がなくて…



「でもさっ!!



佐藤さんと鈴木さんも好きだって言ってたよ♪」



同じクラスの佐藤さんと鈴木さんくらいしか共感してくれる人はいなかった…。



「さっちゃん何気にあの２人と仲良いよね？」


「私なんて喋ったことな～いｗ」


「あの２人ってちょっと恐いから私話しかけらんなくて…。」


「繭ちゃん!!そんなことないよ？


佐藤さんも鈴木さんも優しいし全然良い子だよ!?」



あの頃の私には佐藤さんと鈴木さんは特別な存在だったから、

そんな事をいいながらみんなには仲良くして欲しくなかった…。



そんなギャル２人と実は仲良しな自分にどこか優越感を感じていたかったんだ－－。




今、私の心を動かすのは音楽とファッション…



もっと知りたい…


もっとおしゃれしたい…



もっと…もっと…




「建ちゃんっ!!

またFRUITS出たけどみる？」


「お！みせてみせて♪」



「建ちゃん、私にもROCKIN'ONみせて～♪」



二学期も終わると、私は兄と過ごす時間がますます増え、


音楽知識豊富な兄の存在は、私の好奇心を刺激してくれて

いつも飄々(ひょうひょう)としているから、私の相談にもサラリとアドバイスをしてくれて…



私をプラス思考にしてくれる、キーマンとなっていたのだ－－－。