陽のあたる場所

こたろ

文字の大きさ
上 下
265 / 449
剥落の虚偽

剥落の虚偽19

しおりを挟む
そう思ったら一刻も早くケースケさんに連絡したくなって、

仕事が終わるまでウズウズしていた--。



それから定時の19時をむかえると、俺は何も言わずに帰り支度をした。


俺はこの職場では19時までの契約で仕事をもらっている。


周りはまだ働いているようだったけど、俺は1人で帰ることにした…。




身支度を終えると…


「すみません…。お先に失礼します。」


「あ、フクっちお疲れ~!!

ってか、用意早っ!!(笑)」


リーダーの若内さんにだけ挨拶して、

後はロクに挨拶もせず、一番乗りで外へでた…。



目の前のエレベーターのボタンを押すと、

エレベーターは1階からゆっくり上がってくるのが分かった…。



その間に誰か来てしまうかもしれない。



そう思ったら待っているのが億劫になって、

俺は駆け足で階段に向かった…。


そのまま駆け足で1階まで降りて、建物の外にでた後、

俺は震えながらやっと携帯を開いた。



時刻は19時5分…。



ケースケさんはきっとまだ仕事中だ…。



俺はケースケさんに電話したい衝動を抑えながら、

ケースケさんにメールすることにした。





メールを打っている間ずっと震えがとまらなくて…

俺は何度も訂正しながらメールを打っていた…。


メールが打ち終わると、今度は文章が変じゃないか何度も何度も読み返して、訂正して…


『ケースケさん、今日仕事終わった後暇ですか?』


たったコレだけの文章を打つのに何分もかかってしまった…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伏線回収の夏

影山姫子
ミステリー
ある年の夏。俺は15年ぶりにT県N市にある古い屋敷を訪れた。大学時代のクラスメイトだった岡滝利奈の招きだった。屋敷で不審な事件が頻発しているのだという。かつての同級生の事故死。密室から消えた犯人。アトリエにナイフで刻まれた無数のX。利奈はそのなぞを、ミステリー作家であるこの俺に推理してほしいというのだ。俺、利奈、桐山優也、十文字省吾、新山亜沙美、須藤真利亜の6人は大学時代、この屋敷でともに芸術の創作に打ち込んだ仲間だった。6人の中に犯人はいるのか? 脳裏によみがえる青春時代の熱気、裏切り、そして別れ。懐かしくも苦い思い出をたどりながら事件の真相に近づく俺に、衝撃のラストが待ち受けていた。 《あなたはすべての伏線を回収することができますか?》

REALITYのあれこれ

伊藤穂乃花
エッセイ・ノンフィクション
配信アプリREALITYの豆知識や雑学みたいなものを簡単にまとめたエッセイです。

【日記】35歳で洋服屋に転職した37歳の日常

ichi0yon0
エッセイ・ノンフィクション
こんにちは。ichi0yon0と申します。 小説というかエッセイというか,家族や自身の日常の他愛もない出来事を綴るため始めました。

リョーマ的Y2K子供文化史考

一刀星リョーマ
エッセイ・ノンフィクション
あの時少年だった筆者があの時の少年少女とそうでなかった人たちに贈る、2000年代~10年代初頭の子供文化に関する考察と持論集

大人のいたずらがき画集

一郎丸ゆう子
エッセイ・ノンフィクション
CANBAで抽象画を描く実験中です。 絵の知識は全くない素人です。 形のないものを絵で表現してみるという試みでやってます。 AIじゃありません。

炊事と温弁当勉

淀川 乱歩
エッセイ・ノンフィクション
Copyright © いらすとや. All Rights Reserved. ※時計じかけのオレンジ オリジナル・サウンドトラック サントラ CD · 中古商品, 非常に良い ¥1,407Amazon

「繊細さんの日々のこと」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
「繊細さん」の私が、日常で感じたことなどを綴ります。 ちなみに私は内向型HSPです✨

喪女に悪役令嬢は無理がある!

夢呼
恋愛
都立高校に通う山田椿は高校二年生。クラスでも存在感0の喪女。 そんな彼女が校舎の片隅の階段で昼休みにぼっち飯を終えてライトノベルを読んでいた時、ふざけた合っていた男子生徒達の放ったサッカーボールが顔面に当たり階段から落下してしまう。 気が付いたらさっきまで読んでいたラノベの世界に入り込んでいた!しかも役どころは断罪決定の悪役令嬢のオフィーリア!完全無欠の喪女の椿にはハードルが高すぎる! 自分が死んで転生してしまったと信じた椿は無駄に断罪回避に走らず、このまま断罪される道を選ぶのだが・・・。 自分を断罪するはずの婚約者のセオドア様に声を掛けられた。 「あんた、山田じゃね?」 なんと、どういうわけかセオドア様の中にクラスメイトの柳君が憑依していた! 驚くだけじゃ済まない。柳君は完全たる陽キャ!陰キャ喪女の椿には彼を相手にするのもハードルが高い。 とは言っても、この世界の事情を全く知らない柳君は椿しか頼る人はおらず。 結局二人は常に一緒にいることに。断罪はどこへ? カクヨム様にも投稿しています。 ※10万文字を超えてしまいましたので、長編へ変更しました。  申し訳ありません・・・。

処理中です...