陽のあたる場所

こたろ

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剥落の虚偽

剥落の虚偽6

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別に生き方なんて個人の自由だ…。



例えば日本なら"法"の範囲で生きていれば、

どんな生き方だって罪にはならない…。




…だけど

俺は……?




「福永さん、

俺は福永さんのような人に会うのは初めてだし、

福永さんのような人の気持ちを分かってあげられん。


でも俺は、福永さんは男と思って接しとるし

"現在(いま)の福永さん"とこうして飲んでるんですからね…?



現在の福永さんと飲みたいと思って誘ったんですからね?」



「……。

…ありがとう。」



きっと将吾くんは『過去なんて関係ない』と言ってくれてるのだろう…。


そして、現在の俺を受け入れてくれてるのだ--。






その後、将吾くんの音楽の進行状況を聞いたら、

結局ハギはあまり時間がなくて、

俺と一緒に会った先週から一度も会っていないと言っていた…。



そんな音楽の話をしていると…


「あ!」


俺はフと思い出して自分のカバンの中をガサゴソと探りだした。


「え?どうしたんですか!?」


「ちょっと、将吾くんに読んで欲しいマンガがあってさ…

…えっと



……あ!あった!」


「なになに?」



俺がカバンの中からマンガを取り出すと、

将吾くんは興味津々に身を乗り出してきた。


「これこれ♪」




俺が将吾くんの目の前に見せたマンガ…




それはバンドマン達の物語、『ソラニン』だった--。
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