陽のあたる場所

崩壊の序曲

崩壊の序曲6

「……。

…分かってるよ。


ま、とりあえず一緒に住んでるヤツも独り立ちしたら

ちゃんと恩返ししてもらうからさ(笑)」


「そんなの分からないでしょ？

多分そんな事してくれないと思うわよ？」


「だったらだったでしょうがないよ。

その程度のヤツだったってことだろ？


だいたいちょっと疲れてるから話を聞いてもらいたかっただけなのに…

なんでさっきからそんな責めるような言い方してくるんだよ!?

俺別に悪い事してないだろっ!?」


「でも幸子にとって良くないと思うけど…？

幸子はいつもちょっと変な友達に巻き込まれるから心配なのよ…。」


「は？変な友達とかいうなよっ!?」


「だってそんな他人の家に住んでる友達おかしいでしょ？」


「お母さんはスタイリストの業界を知らないからそう言うんだよっ!!

俺だって元々スタイリストになりたかったよ!!

でもお母さんが理解してくれなかったから…。

あの時諦めるしかなかったんだよっ!!


せめて都内に実家があったら…って思ったよ!!

だからコイツにはなって欲しいんだよっっ!!!!」



「そんな怒らないで…」

「別に怒ってるわけじゃねぇよ!!」


「幸子やっぱりちょっと疲れてるのよ…。

ちょっと仕事休んだ方がいいんじゃない？」


「やだよ。こんな時に休めないよ。

だいたいその職場のヤツの方が弱ってるのに…。

俺が休むならそいつに休みを取らせるよ。」


「そんなに具合悪いなら、その子も病院でも行った方がいいんじゃない？」


「病院は昔通ってたんだよ。

でもそいつが病院に行きたくないって言うんだから別に行く必要なんてないんだよ。」



「なんで幸子がそんなこと決めるの？


幸子、あなたはカウンセラーじゃないのよ!?」