陽のあたる場所

沈む太陽

沈む太陽37

ケースケさんは以前俺と同じ服屋で働いていたけど

現在は原宿の本社でウェブサイトの運営をしている。

それ以外にウェブサイト内で自らモデルとなったり、洋服のデザインも手がけていて、

会社の中ではかなり重要なポジションにいる。



「…そうですね。

こんな状況じゃアパレル企業はなんか対策考えないと厳しいっすよね…。」


「お前の方は仕事大丈夫なの？」


「俺は震災の影響で高円寺の職場は逆に忙しくなってますね。

あと撮影現場も、店頭の販売員と違って商品が売れなくてもとりあえず撮影はしなきゃなんないんで

やたら商品は送られてきますけど、ホントにこんなの売れるのかな…って思っちゃいます(笑)」


「そう思ったらダメだろ？(笑)

俺は売らなきゃいけない立場だからな。」


「ですね(笑)

そういう意味では"マナミ"なんかもかなり大変そうですね。」


ケースケさんと共通の友人"マナミ"はアクセサリーやアロマ、コスメなど扱う会社の管理職を勤めながら

表参道の店頭で自ら販売も担当している。


普通の販売員の３倍は売るという接客の実力派だが、

この状況はさすがのマナミもかなりこたえているだろう…。



「マナミの奴、今かなり精神的にキてるぞ。



アイツさぁ、

震災から夜余震が怖くて酒が飲めなくなったって言ってた。」


「マジっすか!?ｗ

そんなにびびっちゃってるんすか!?

そりゃだいぶキてますねｗ」


「しかも震災からまた彼氏とヨリ戻したらしいよ？

あのお前と一緒にラップやってた奴(笑)」

「アハハｗ"東野"ですよね!!

ヨリを戻したのはマナミから直接聞きましたよ(笑)」


「あのさぁ、フク…






お前もホントは今だいぶ疲れてんだろ…？」