陽のあたる場所

沈む太陽

沈む太陽35

人間の体力って割と自分の気力次第でどうにかなるもんだ。


ダメだと思うとダメになってしまう…。


だからと言って、気力だけじゃどうにもならない時もある…。



将吾くんが突然早退したように、突発的にダメになることも人間にはあるのだ…。



だけど、俺はいつだってタフな自信があった－－。




将吾くんが早退した日からちょうど一週間後、

俺の住むマンションのドアの改装工事が行われた。



この日改装工事にあたって立ち会いをするため、元々は休みをとる予定だったけど…


やっぱり高円寺の職場が忙しくて俺はまた早朝から出勤した。


そして改装工事は神奈川に住む母親に頼んで、母親に立ち合ってもらった－－。




その夜、11時頃家に帰ってくると改装が済んでいて、

見違える程キレイになっていた－－。



部屋にはモニター付インターホンとか取り付けられちゃって、

古いマンションなのに、だいぶ見栄えがよくなった。



そんな家の変化を実感していると…



プルルルル～♪



携帯が鳴った。


着信は、以前働いていた服屋の上司"ケースケさん"からだった－－。



「もしもし？

ケースケさんお疲れ様ですっ!!

久しぶりっスっ！」


ケースケさんはいつも俺の相談役になってくれる俺の兄貴分のような存在で

なんだか久々に連絡がきたから俺は嬉しくて勢い良く電話に出た。



「フク、お疲れ。

最近元気してたか？」



ケースケさんは俺のテンションとは対照的に落ち着いた口調で淡々と話してきた(笑)