陽のあたる場所

こたろ

文字の大きさ
上 下
212 / 449
沈む太陽

沈む太陽28

しおりを挟む
将吾くんはここ最近すっかり笑わなくなってしまっていて、

治さんもかなり気になっている様子だった…。


「そうっすね…。」


この日も仕事が終わったのは深夜0時近くで…

将吾くんが帰った後、俺と治さんで立ち話をしていた。



「福永さん、

俺はどうしたらいいでしょうか…?


何かアイツにしてやれることありますかね?」



「…。いや…

特にいつも通りでいいと思いますよ?


変に気を遣い過ぎても、将吾くんも気にしちゃうと思うんで…。」


「確かにアイツ敏感ですからね。」


「ですね。…ただ

あくまで俺の個人的な意見ですけど、

例えば将吾くんの近くには商品を大量に置かず、

小出しにしていくとかどうですか?


この前も『こんだけ量があると思うとしんどい…。』って言ってたんですよ。

今商品だらけで圧迫感あるじゃないですか?

だから小出しにすれば圧迫感も減って、少しは気持ちも楽になるんじゃないですかね?」


「なるほどぉ。」


「平常心が保ててれば、将吾くんの働き自体も円滑になって効率が上がると思うんですよね。

変な話、その方が治さん自身も無駄な時給が発生しなくて済むし、

効率が良くなればお互い無駄がなくなっていいと思うんです。


ただホントにこれはあくまで俺の主観ですから、

治さんがそこまで気に掛ける必要は全くありません!!」



「まぁそうですよね…。

ただ、今シゲルさんもいなくなって、仕事場自体の雰囲気的にも悪くなってますし、

俺自身もなんとか改善していきたいんですよね。」


「だとしたら、今将吾くんてかなり重要なポジションですし、

とにかく今は将吾くんの負担を減らした方がいいと俺は思います。」


「でもアイツ『自分が必要とされていないような気がして…』って言ってたじゃないですか…。」



「いや…それは…。


治さん!

人間誰でも必要とされ過ぎも、必要とされなさ過ぎもしんどいと思います!!



仕事も愛情や気遣いもある程度"普通"じゃないと、

誰しも"しんどい"って感じると思いますっ!!!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人物アーカイブ

遠野エン
エッセイ・ノンフィクション
有名人に関する情報を一覧形式で紹介します。

株式投資日記

小狸日
エッセイ・ノンフィクション
自分が行っている株式投資の記録を残しています。 初心者は記録を付けた方が良いという話を聞いて、今からでもと自分の行動の見直しを考え行う事にしました。 正直、株って難しいけど、面白いかも。 生活資金位は稼げる様にと奮闘中です(;^_^A

「日常の呟き(雑談)」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
日常のことを綴ってます✨

硝子の大瓶

しゃんゆぅ
エッセイ・ノンフィクション
詩集、散文などを詰めました。 私の好きな物を詰めるの 大きな大きな硝子の瓶 私の大好きなものを詰めるの 大きな大きな硝子の瓶 痛いも悲しいも 辛いも怒りも 恋も愛も 幸せを温かさを 全部全部詰めました これは私の分身です これは私の心です 幸せで大好きな私です 今まで書いたものをつめました。 他の所で発表したものもはいっています。

よくあるある

Ete
エッセイ・ノンフィクション
日常の中のよくある出来事。

誓いの言葉

  *  
エッセイ・ノンフィクション
誓いの言葉です

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

わたしは花瓶。呪文のように言い聞かせる。

からした火南
現代文学
◇主体性の剥奪への渇望こそがマゾヒストの本質だとかね……そういう話だよ。 「サキのタトゥー、好き……」 「可愛いでしょ。お気に入りなんだ」  たわれるように舞う二匹のジャコウアゲハ。一目で魅了されてしまった。蝶の羽を描いている繊細なグラデーションに、いつも目を奪われる。 「ワタシもタトゥー入れたいな。サキと同じヤツ」 「やめときな。痛いよ」  そう言った後で、サキは何かに思い至って吹き出した。 「あんた、タトゥーより痛そうなの、いっぱい入れてんじゃん」  この気づかいのなさが好きだ。思わずつられて笑ってしまう。

処理中です...