陽のあたる場所

こたろ

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沈む太陽

沈む太陽10

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聞き覚えのある声に反応して振り返ると…

「あっ!やっぱり!」


治さんがこっちに向かってやって来た。


「お疲れ~っす!」

治さんはこっちに来るなり迷わず将吾くんの隣の席に着いた。

すると将吾は跋(ばつ)が悪そうな顔をしながら口を開いた。


「治さん、昨日は突然すみません…。」



治さんも昨日の事が気に掛かっていたに違いない…。


なんで突然帰ってしまったのか…?



将吾くんが心配でココに来たのだろうか--?



「いやいや、別にいいよ。

それよりお前、今日は大丈夫か?


調子悪かったら無理せず言えよ?」


治さんもまた気ぃ遣いな性格だ(笑)


『別に俺は昨日の事気にしてねぇよ?』とばかりに、

将吾くんを見ずにライターをカチカチしてさりげなくタバコに火を付けた。

「ふぅ…。」


治さんは時々将吾くんに兄貴ぶってちょっと背伸びをしてる姿が見受けられる(笑)

やっぱり年下の前では大人ぶりたくなるものだ。


なんだかそうやって将吾くんを気遣いながら可愛がっている治さんが微笑ましくもある(笑)


本当は3人ともメンタルが弱いのだと思う。


だからみんな気遣い合って上手く調和しようとしているんだろう…。



つまり気ぃ遣いな人ってそもそもメンタルが弱い人が多いんだと思う。



自分が弱くて傷付きやすいから、

相手の傷にも敏感で自然と気を遣ってしまうのだろうか…。



「治さん…

俺、実は昨日仕事中に突然チックがでてしまって…それで」

「…へ?ちっく?

何それ!?」



「チックって、痙攣みたいなモンで、

それで俺、顎のあたりがガクガクして…


焦ってなんかもうその場に居られなくなってしまって、

それで突然帰っちゃったんです…。」


「何?痙攣って突然!?」


「なんかタマコさんの昨日の悲鳴でスイッチ入ってしまったみたいで…。」


治さんは将吾くんの話に?マークがいっぱいのようで、

ずっと目を見開きながら将吾くんの話を聞いていた(笑)




そして俺はそんな2人のやり取りを黙ってみていた--。
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