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沈む太陽
沈む太陽6
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「…え?今呼びました?」
治さんの後ろから声をかけると、何度も呼んでやっと気づいてくれた(笑)
「はい(笑)」
「え、もしかしてずっと呼んでました!?」
治さんは片耳が聞こえない…。
『この障害は後天的なものだから、
普通に話すこともできるし大して不自由はないですよ(笑)』
と以前話していた。
しかし、普段話をしていると、なかなか声が聞き取れないらしく、
『聞き返すのが面倒で、時々内容がわからないまま頷いてテキトーに流してしまう (笑)』
とも話していた(笑)
「治さん、これはどうすればいいですかね?」
「…え?それ多分将吾が知ってますよ?」
「いや、一応治さんにも確認しておこうかと…。」
ホントは将吾くんに訊くのが面倒というか…
多分訊いても素っ気なく、ちゃんと教えてくれなさそうだったから…。
治さんは片耳が聞こえない代わりに、とても洞察力がある。
周りをよく見ているから、人の表情や行動を観察していて、
正面から俺と目が合うと、割といろんな事を言う前に察知してくれたりする。
だから治さんも絶対に今日の将吾くんの異変には気が付いているだろう…。
人間て不思議だ。
どこか欠陥があると、それを埋めるように別の機能が発達する。
治さんのように聴覚があまりないと視力がよくなり、
視力がないと聴覚が発達したりする。
逆に言うなれば、何か障害がある人ほど
普通の人間よりその障害をカバーする別の機能がズバ抜けるため
"天才"になる可能性を秘めていたりする。
つまり障害とは欠陥ではなく"個性"なのかもしれない--。
治さんに確認してから、また仕事に戻ったけど、将吾くんはずっと暗くて
俺はその空気に呑まれそうになっていた…。
今日は明らかに変だ…。
昼休憩になると、将吾くんは無言のまま外へ出て、
俺も追いかけるように早足で外へ出た。
後ろから追って、タバコを吸いながらゆっくりと歩く将吾くんの横にさり気なく並んだ。
「将吾くん、どした?
なんかあったんしょ?」
治さんの後ろから声をかけると、何度も呼んでやっと気づいてくれた(笑)
「はい(笑)」
「え、もしかしてずっと呼んでました!?」
治さんは片耳が聞こえない…。
『この障害は後天的なものだから、
普通に話すこともできるし大して不自由はないですよ(笑)』
と以前話していた。
しかし、普段話をしていると、なかなか声が聞き取れないらしく、
『聞き返すのが面倒で、時々内容がわからないまま頷いてテキトーに流してしまう (笑)』
とも話していた(笑)
「治さん、これはどうすればいいですかね?」
「…え?それ多分将吾が知ってますよ?」
「いや、一応治さんにも確認しておこうかと…。」
ホントは将吾くんに訊くのが面倒というか…
多分訊いても素っ気なく、ちゃんと教えてくれなさそうだったから…。
治さんは片耳が聞こえない代わりに、とても洞察力がある。
周りをよく見ているから、人の表情や行動を観察していて、
正面から俺と目が合うと、割といろんな事を言う前に察知してくれたりする。
だから治さんも絶対に今日の将吾くんの異変には気が付いているだろう…。
人間て不思議だ。
どこか欠陥があると、それを埋めるように別の機能が発達する。
治さんのように聴覚があまりないと視力がよくなり、
視力がないと聴覚が発達したりする。
逆に言うなれば、何か障害がある人ほど
普通の人間よりその障害をカバーする別の機能がズバ抜けるため
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昼休憩になると、将吾くんは無言のまま外へ出て、
俺も追いかけるように早足で外へ出た。
後ろから追って、タバコを吸いながらゆっくりと歩く将吾くんの横にさり気なく並んだ。
「将吾くん、どした?
なんかあったんしょ?」
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