陽のあたる場所

こたろ

文字の大きさ
上 下
182 / 449
君の鼓動

君の鼓動35

しおりを挟む
将吾くんはベッドの俺の横で泣きながらもずっと話を続けていた--。


俺は話を聞きながらずっと将吾くんの泣き顔をみていて、

なんだか俺ももらい泣きをしそうになっていた…。



あまりにもずっと泣き止まないから……




俺は将吾くんの肩をそっと抱き寄せてから、

ゆっくりと頭を撫でていた--。



「うっ…うっ……。」


だんだん言葉も減ってきて、将吾くんは子供のように泣いていた…。


俺はなんだか遠い日の幼い弟を思い出していた…。



そして俺は『うんうん』と頷きながら、ずっとずっと頭を撫でていた--。





もし俺にまだ"母性"が残っているならば、

彼に母のような温もりを与えることができるだろうか---?






そのまましばらく経って…


「…福永さん…。」


「…ん?」




「俺の事…

嫌いにならないでね…?」


……!


「アホか!?w

嫌いになんてなるかボケっ!!(笑)」



俺は撫でていた左手でそのまま彼の髪をくしゃくしゃっとして…




それからまたゆっくりと…ずっと頭を撫でていた--。







別に彼に同情しているわけではない…。


だからといって"恋"しているわけではない……。




ただ、"愛おしい"と思った---。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人物アーカイブ

遠野エン
エッセイ・ノンフィクション
有名人に関する情報を一覧形式で紹介します。

株式投資日記

小狸日
エッセイ・ノンフィクション
自分が行っている株式投資の記録を残しています。 初心者は記録を付けた方が良いという話を聞いて、今からでもと自分の行動の見直しを考え行う事にしました。 正直、株って難しいけど、面白いかも。 生活資金位は稼げる様にと奮闘中です(;^_^A

「日常の呟き(雑談)」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
日常のことを綴ってます✨

硝子の大瓶

しゃんゆぅ
エッセイ・ノンフィクション
詩集、散文などを詰めました。 私の好きな物を詰めるの 大きな大きな硝子の瓶 私の大好きなものを詰めるの 大きな大きな硝子の瓶 痛いも悲しいも 辛いも怒りも 恋も愛も 幸せを温かさを 全部全部詰めました これは私の分身です これは私の心です 幸せで大好きな私です 今まで書いたものをつめました。 他の所で発表したものもはいっています。

よくあるある

Ete
エッセイ・ノンフィクション
日常の中のよくある出来事。

誓いの言葉

  *  
エッセイ・ノンフィクション
誓いの言葉です

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

わたしは花瓶。呪文のように言い聞かせる。

からした火南
現代文学
◇主体性の剥奪への渇望こそがマゾヒストの本質だとかね……そういう話だよ。 「サキのタトゥー、好き……」 「可愛いでしょ。お気に入りなんだ」  たわれるように舞う二匹のジャコウアゲハ。一目で魅了されてしまった。蝶の羽を描いている繊細なグラデーションに、いつも目を奪われる。 「ワタシもタトゥー入れたいな。サキと同じヤツ」 「やめときな。痛いよ」  そう言った後で、サキは何かに思い至って吹き出した。 「あんた、タトゥーより痛そうなの、いっぱい入れてんじゃん」  この気づかいのなさが好きだ。思わずつられて笑ってしまう。

処理中です...