145 / 449
溺れる魚
溺れる魚19
しおりを挟む
長々とメールをすると、1つ1つの言葉に返事が返ってきた。
『さっきの電話はさすがに俺も頭にきたよ。』
『だからなに?』
『奈良くんの考えにも自己中な面があると思うけど!?』
『だからなんだよ?』
『義援金以外にも今しかやれないこともあるだろ!?』
『今しかやれないことってなに?』
『献血とか他の方法もあるし。
とは言っても献血は今足りてるようだし、一度行ったらしばらく行けないから行く時期を考えたほうがいいけどさ。』
『じゃあ今じゃないじゃん?』
『別に義援金を今すぐ送らなきゃならないわけじゃないんだよ。
今集まってる義援金だってまだ使い切れていないんだから。』
『なんでそんなことがわかるんだよ?』
俺はこの時点でメールの先を読むのがうんざりするほど呆れていた…。
逆に義援金を使い切れていないことすら理解できない奈良くんに…。
『それにいつだって苦しい状況の人は日本以外にもいるんだよ!?』
『じゃあ自分はその人のために何かしたの?』
なんで分からないんだよ。
だからそんな人を無視して今まで生きてきたくせに。
今更騒ぎ立てんじゃねぇよ。
元々みんな自己中に生きてきたんだよ。
『焦って行動しても空回りしちゃうよ?
今何が大切で何をやるべきかしっかり考えながら行動しないと。』
『みんな考えてるのは一緒。考えても実行しないなら何もしないのと一緒。おまえが言ってるのは全部きれい事なんだよ!
今必要なのは義援金だ。そんなのだれが考えてもわかる。義援金を送るのが一番だ。
義援金じゃないというおまえがバカだ!』
それから俺は呆れてもう一度だけメールを返した。
『今は何を言っても無駄そうだから落ち着いたらまた連絡する』…と。
そして俺はこの日から胃がキリキリと痛み、
痛みがずっとおさまらなくなってしまった。
でも誰にも言えなかった…。
ちょっと友達と揉めたくらいで胃が痛くなるような
メンタルの弱い奴だと思われたくなくて…。
胃の痛みを隠してずっと我慢していたんだ--。
『さっきの電話はさすがに俺も頭にきたよ。』
『だからなに?』
『奈良くんの考えにも自己中な面があると思うけど!?』
『だからなんだよ?』
『義援金以外にも今しかやれないこともあるだろ!?』
『今しかやれないことってなに?』
『献血とか他の方法もあるし。
とは言っても献血は今足りてるようだし、一度行ったらしばらく行けないから行く時期を考えたほうがいいけどさ。』
『じゃあ今じゃないじゃん?』
『別に義援金を今すぐ送らなきゃならないわけじゃないんだよ。
今集まってる義援金だってまだ使い切れていないんだから。』
『なんでそんなことがわかるんだよ?』
俺はこの時点でメールの先を読むのがうんざりするほど呆れていた…。
逆に義援金を使い切れていないことすら理解できない奈良くんに…。
『それにいつだって苦しい状況の人は日本以外にもいるんだよ!?』
『じゃあ自分はその人のために何かしたの?』
なんで分からないんだよ。
だからそんな人を無視して今まで生きてきたくせに。
今更騒ぎ立てんじゃねぇよ。
元々みんな自己中に生きてきたんだよ。
『焦って行動しても空回りしちゃうよ?
今何が大切で何をやるべきかしっかり考えながら行動しないと。』
『みんな考えてるのは一緒。考えても実行しないなら何もしないのと一緒。おまえが言ってるのは全部きれい事なんだよ!
今必要なのは義援金だ。そんなのだれが考えてもわかる。義援金を送るのが一番だ。
義援金じゃないというおまえがバカだ!』
それから俺は呆れてもう一度だけメールを返した。
『今は何を言っても無駄そうだから落ち着いたらまた連絡する』…と。
そして俺はこの日から胃がキリキリと痛み、
痛みがずっとおさまらなくなってしまった。
でも誰にも言えなかった…。
ちょっと友達と揉めたくらいで胃が痛くなるような
メンタルの弱い奴だと思われたくなくて…。
胃の痛みを隠してずっと我慢していたんだ--。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
君の手の温もりが…
海花
BL
親同士の再婚で兄弟になった俊輔と葵。
水への恐怖症を抱える俊輔を守ろうとする葵と、そんなに葵が好きだと気付いてしまった俊輔が、様々な出会いによってすれ違い傷付き、それでも惹かれ合う…。
【完結】さよなら、私の愛した世界
東 里胡
青春
十六歳と三ヶ月、それは私・栗原夏月が生きてきた時間。
気づけば私は死んでいて、双子の姉・真柴春陽と共に自分の死の真相を探求することに。
というか私は失くしたスマホを探し出して、とっとと破棄してほしいだけ!
だって乙女のスマホには見られたくないものが入ってる。
それはまるでパンドラの箱のようなものだから――。
最期の夏休み、離ればなれだった姉妹。
娘を一人失い、情緒不安定になった母を支える元家族の織り成す新しいカタチ。
そして親友と好きだった人。
一番大好きで、だけどずっと羨ましかった姉への想い。
絡まった糸を解きながら、後悔をしないように駆け抜けていく最期の夏休み。
笑って泣ける、あたたかい物語です。

男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
私は生物学も心理学も学んでいない、ただの学のない女だ。ついでに恋愛経験もない、さらには友達もいない。告白されたこともないし当然したこともない。そんなわけでこの連載は、浅い知識と経験から「なんとなく思ったこと」を感情的に書き連ねるだけのものになる。読んでも何の学びもなく、不快になるだけなのでご注意を。(※LGBTQについては分からないので、基本的に古い価値観オンリーで書きます。)
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる