陽のあたる場所

こたろ

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溺れる魚

溺れる魚17

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携帯の向こう側から奈良くんの怒鳴り声が聞こえて、俺はびっくりした…。


「…え?何が?」


「何がじゃねーよ!?

あの書き込みはなんだ!?

何が『音楽って素晴らしい』だ!?

だから俺らがその音楽やろうって言ってんのに乗ってこねぇで

あーゆう綺麗事言ってんじゃねーよ!?」


「俺はやりたくないなんて言ってないだろ?

ただマイキーが忙しいから無理はしない方がいいと言っただけだ。」


「マイキーさんも断るなんて自己中だ!!

せっかくみんなで東北を助けようっていうのにっ!!

ケンジさんも福島出身だ。ケンジさんは福島に友達がいるし一緒にやろうと言ってくれたよ!!

お前は自分だけがよければいいのかよ!?」


「そんな事は言ってねぇよ。マイキーだって助けたいとは思ってるだろ?」


「だからストリートライブやろうって言ってんだよ!!

俺らはみんなと同じ事だけしてればいいのかよ!?

俺らは1人1人じゃ無力だ!!だからみんなで力合わせてやろうじゃねーかよ!!

俺らには音楽しかねぇだろ!?

だからその音楽で義援金集めて助けようって言ってんだよっ!!」


ダメだ…。

完全に暴走している…。


俺は奈良くんの考えに、正直既に興醒めしていた…。

「俺はそうは思わないけど。

奈良くんにとっては音楽が一番かもしれないけど、

俺は歌が得意なわけじゃないし、音楽が最善だとは思わない。

最近練習さえしてないし、他の方法でもいいと思ってる。」


「じゃあそれはなんだよ!?!?」


奈良くんは話しているうちに更にヒートアップしていく…。


「別に今すぐ何かしなきゃなんないわけじゃないと思うけど?」



俺は淡々と話しながらも

だんだんと怒りを隠せず表情が強張っていった…。


「お前は何もしないのかよ!?!?

フクさんはいつも良いことばかりいって何もしないっ!!

自分から何もしねーのかよ!?この偽善者がっ!!!



お前は偽善者だっ!!!!」
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