陽のあたる場所

こたろ

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B型行進曲

B型行進曲23

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「あれで19歳とはホンマの天才ですな!!」

「うん、マジ天才っ!!」



「それに比べて俺は何やっとんじゃぁ……

はぁ…。





俺みたいな糞っタレには幸せになる権利なんてないんですかね?」



「は?何言ってんスか!?(笑)

んな大袈裟なw」




「建志は19であんなすげぇ曲作って人の心を動かしとるのに、

俺は生きてて誰かの役に立っとるんかな…?




ただ好きな女1人さえ…


たった1人の心さえ動かせんっちゅぅのに…。」



俺「将吾くん…





大丈夫っすよ!


人間、仕事しているだけでも誰かの役には立ってますから♪」




「はは…。」



将吾くんは納得いかないような表情で、半笑いしてまた仕事に手をつけ始めた。



将吾くんのマイナス発言はきっと半分は冗談なんだろうけど…


裏を返せば半分は本音なのだろう…。



俺より5つも年下でまだ若いし、

きっとまだいろんなモヤモヤが今彼の中にあるのだろうか…?



「将吾くん、

そういえば将吾くんて、確かバンドやってるんスよね?


活動はしてるんですか?」



「……。


バンドは…


一応やっとりますが、

なんとなくやってるだけでほとんど活動してませんし、


趣味程度に続けよう思っとるくらいですね…。」




将吾くんは手をとめずにそっぽ向いたまま話していた…。



なんだかそれをみて、俺はもうこれ以上ツッコんではいけない気がして…


「そっかぁ…。」


一言だけ呟いて俺も仕事を続けた。





それから、その日の昼休憩、

いつも通りに将吾くんと高円寺の天使のもとに向かって、


俺は数日前からフと思い出した昔話を、なんとなくし始めていた…。



そう…

それは将吾くんの言った一言がキッカケだったんだ--。
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