陽のあたる場所

こたろ

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B型行進曲

B型行進曲20

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人はなぜ、自分と相反するモノに惹かれるのだろう…?


そして時になぜ、似たモノ同士が惹かれ合うのだろう…?




「え、フクっちも"いくえみ綾"好きなの!?」


あの日から、佐藤さんと鈴木さんと、

そして時々名字もしらないユキエちゃんと

私たちは授業をさぼって度々教室で話をするようになっていた。


私は相変わらず緊張していたけど

意外とみんな似た趣味もあって、共通の話題で盛り上がっていた--。


「マコトは実は漫画オタクだからねぇ(笑)」


鈴木さんは少女漫画からあらゆるジャンルの漫画に詳しく、

私が当時好きだった漫画家"いくえみ綾"の話をお互い熱く語ったりしていた--。





実は漫画好きな鈴木さんと

音楽好きな佐藤さんと

とにかくDragon Ash好きのユキエちゃんと…


授業をさぼったほんの数十分の時間が、

私には刺激を受ける学校で唯一楽しい時間だったのだ。



「フクっちぃ、

次も移動教室でみんな帰ってこないっぽいからサボっちゃおっか?(笑)」


「うん♪そうしよっか(笑)」




彼女たちは私と相反するようで

案外似た者同士だったのかもしれない--。



そんな自分は今も漫画好きで…

音楽好きで…


洋服好きで……




すでにあの頃自分の土台が出来上がっていたのかもしれない…。







「福永さんはどんな音楽聴いとるんですか?」

「…え?」



2011年3月の始め、将吾くんは仕事中にiPodで"Hi-STANDARD"の曲を流し、

反応を伺うように俺に訊ねてきた。



まるで『Hi-STANDARDは好きですか?』と言わんばかりに…(笑)


「なにか好きな音楽やジャンルありますか?」

「あ--。俺はあんまり最近音楽聴いてないけど、

無難にJ-POPと…あとはHIP HOPが好きでしたね。」



「ヒップホップ?

福永さん、それって例えば…





"Dragon Ash"とかですか?」
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