陽のあたる場所

幸福の変革者

幸福の変革者29

16の夏も終わる頃、私は相変わらずの地獄耳で…

バイトの人たちの陰口を耳にしては落ち込んでいた。




家の中ではファッションに興味があったけど

バイト先の私の評価なんて全く変わっていなかった…。



私は相変わらずのおとなしい女の子だったし、

ノッチ以外の人にはよく思われていない事は分かっていた。



だから恋愛話も下ネタもみんなと話せるわけもなく、みんな私の前では避けていたんだ。


そしてみんなは玉木さんとのことも

一切私には触れてこなかった…。



ノッチと玉木さんがいない日のバイトなんて、私には苦痛だったのだ…。




私は自分を変えたかった。


でも、どこから変わればいいのか分からなかった…。






それから私はいつの間にか…

家の中で兄と２人でファッショントークする方が楽しくなってきていたのだった。




「ねぇ、FRUITSに載ってる人たちって、

みんなマニアックな音楽聴いてるよね？」