陽のあたる場所

幸福の変革者

幸福の変革者25

「う～ん…。

ギリで無しっすねぇ。ちょっとだけサイズ小さいっすねぇ…。」


「やっぱりそうかぁ…。」


「う～ん、丈がちょっとねぇ…。私も無しかなぁ。」


「店長、今日は良いと思うやつみんなサイズが合わないっすね(笑)」

俺と真央にダメ出しされると店長は

「もういいっ!!

もう今日は諦めたっ!!」


と言いながらも、まだ買い物に未練があるようだった(笑)



「ま、良いじゃないですか♪

正月のセールで散々買ってたじゃないですか(笑)」


「でも、せっかく入間まで来たのに残念だなぁ…。」



「ってか、今のアウターこないだ買ったのと似てますし

俺は買う必要ないと思いますよ？


しかもまたジャーナルスタンダードじゃないですか(笑)」



「あ、やっぱり？(笑)」




人間とは不思議なものだ。


１つ手に入れても、またもう１つ似たようなものを選んでしまう傾向がある。



人間というのは自分では無意識に好みがあって、

自然とまた似たようなものを追いかけていたりする。



別にそれが悪いことではない。


本人が満足ならばそれで成立する。



それはものを選ぶ時だけでなく、人間の行動自体にも言えることだ。

自然と習慣づいてしまっていることから反れるような

新しい行動をするには勇気が必要だし、



例えば俺が昔から何度もコンビニのバイトを選んでしまうように


無意識にまた似たような行動をとる人間が多い。




ただそれが"悪いこと"と本人が感じるのであれば、

その習慣づいてしまった悪いループを自ら断つ必要があるのだ。





「でもやっぱりシップスにあったシャツも気になるから

フクくんもう一度だけ来てもらっていい？」


「はいはい(笑)

それも前回セールの時に買ったシャツと似てるやつですよね？(笑)」