陽のあたる場所

こたろ

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幸福の変革者

幸福の変革者21

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「なるほどね。

でもフクちゃん、それはフクちゃんの考えよね?」



「はい。でも、飲み会の途中で帰ってしまうのって、

彼女にとっても、せっかくのその機会が勿体無いと思うんですよね。

別に俺が一緒に帰らなきゃいけないのが嫌とか、そうゆうんじゃなく

彼女の人見知りが治って、最後までいられるようになれればお互い一番いい気がするんですよ。」



「うん。でもね、

それはあくまでもフクちゃんの考えで、

彼女にとって、最後までいることが必ずしも良いこととは限らないのよ。」



「…うーん。

でも、せっかく来たんだからなぁ…って。」



「そしてね、フクちゃん

必ずしもあなたが一緒に帰る義務はないのよ?」



「……。

それは分かってます。

ただ俺が心配なだけなんです。」




「例えばこうゆう考え方もあるわ。

あなたにとっては最後まで楽しめるのが一番。

でも彼女にとって、その飲み会は最初だけでもう満足なの。

だから彼女の中では用事が済んだから帰る。

ただそれだけのことだとしたら?」



「……。

でも先に帰られると周りの人たちも『あれ?』ってムードになるじゃないですか。」



「でも、彼女は最後までいるとみんなに約束してるわけじゃないのよね?」



「…そうですけど。」



「だからそれは彼女の自由なのよ。


あなたは彼女が心配。

周りの空気も心配。


でもそれはすべてフクちゃんの見方で、彼女からしたらまた別なのよ。」




それからしばらく鳥飼さんは他にもいろんな考え方を教えてくれた。



正直、鳥飼さんの話をすべて受け入れられたわけじゃないけど、

もっといろんな見方ができる柔軟性が必要なのだとわかった。




要は何事も俺が勝手に決めつけてはいけないのだと…。






大久保からの道のり、チャリンコをひきながらずっと話に夢中で

気が付いたら遠回りしていて、やっと歌舞伎町までたどり着いた。



そして歌舞伎町を通り抜けると、以前来たことのある居酒屋をたまたま通り過ぎた。



……あ、ここは。




それは以前飲み会で、真央と一緒に先に帰った居酒屋だった---。
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