陽のあたる場所

こたろ

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幸福の変革者

幸福の変革者5

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「…え、将吾ですか?」


「はい。

ま、将吾くんというか、みんななんですけど

ここの職場って人数少ない割には、みんな付き合いが浅いのかな…って。


ただ、馬場さんと将吾くんはお互い音楽好きだし、2人でよく音楽の話してるじゃないですか。

だからてっきり仲いいと思っていたんで。」



「ん~…、将吾かぁ。

確かに将吾と2人で飲みに行ったりとかはないですねぇ。


なんか将吾って16の時からずっと仕事してて社会に揉まれて生きてるせいか、

やたら気ぃ遣えるヤツなんですけど…返って何考えてるか分かんなくて…



俺は正直、将吾が一番何考えてるか分かんないんですよね。」



……ふ~ん。


「……そうなんですかぁ…。」



気ぃ遣い…ねぇ…。



確かに将吾くんはかなり気を遣うタイプの人間だ。


まぁそれはもう昔から身に付いていて、もう体に染み付いてしまっているものなのだろう。



ただ、馬場さんが"分からない"というように

将吾くんはあまり本当の自分を出していないような……。




それから、俺は終電で帰ることにして、

馬場さんに『牛乳買って帰るの忘れないように』と余計な忠告をして駅前で別れた。




そしてその翌日…

馬場さんは早速、映画『SHORTBUS』のDVDを貸してくれたのだった--。
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