陽のあたる場所

クレシェンド

クレシェンド18

そういえば自分は昔からマザコンだけど、

今となってはシスコンでもありブラコンでもある(笑)



兄貴にはずっと嫌われてたけど、あの頃から変わり始めていたんだ－－－。




「お疲れ様です♪」


マザコン話をした翌日の昼休憩、

今日は将吾くんとも出くわすこともなく、１人でラーメンに行くと

同じ職場の"馬場さん"がいた。


「あぁ、福永さん！

お疲れ様です!!」

そのまま馬場さんの隣に座って、メニューを迷いながら注目をした。


「福永さん、ココ初めてですか？」


「はい(笑)

この辺ラーメン屋多いんでいろいろ廻って開拓中です♪」


「ココはおいしいですよ♪」


「じゃあ楽しみにしてます♪」


ワクワクと待つ間、

馬場さんは隣で既に出てきたラーメンをズルズルとすすっている。


「ココ（の職場）の人たちは、

割とみんな単独で昼飯食べてるんですか？」


「そうですねぇ。

たまに治さんとラーメン屋でバッタリ出くわすくらいで、

１人で食べに行くことが多いですね。」



「…ビリーくんや将吾くんとは行ったりしないんですか？」


「あ～、あまり行ったことないですねぇ。」



……。


「そうなんですかぁ。」



"ビリーくん"は同じ職場で超真面目キャラで天然な、俺と同い年の男だ。



馬場さんは俺の２コ下だけど、オシャレで雰囲気があるし、

それなりに悪さもしていろいろ遊んできたんだろうなぁ…って人だ。


『遊びを卒業して、今は真面目に生きてます』的な

大人な雰囲気を醸し出しているから、

俺も年下と分かっていても"さん"付けで呼んでいる。


まぁ、そんな馬場さんはビリーくんのようなタイプにはあまり興味なさそうだけど…。


音楽好きな馬場さんは、休憩中に将吾くんとタバコを吸いながら

俺の知らない洋楽の話をしているのをよく見かけていた。



だからもうちょい仲良いと思ってたんだけどな…？



「へい、お待ち♪」



あれこれ考えてるうちにラーメンが出てきた。


「いただきます♪」


手を合わせてから、思い切ってラーメンをすすった。



「うん、おいしいですね♪」


「でしょ？」


馬場さんが満面の笑みでこちらを向いた(笑)