陽のあたる場所

クレシェンド

クレシェンド13

「でしょ！？」

将吾くんは目キラキラされながら嬉しそうに身を乗り出してきた。


「うん。パニーニも美味しいし、とにかく今来た店員さんはヤバいっすね♪」


「俺と治さんは"高円寺の天使"と呼んでます(笑)」


「はははっ!!

間違いない!!」



女友達が１人もいないという将吾くんにとって、

"女"という生き物は"特別"らしい。


「ホンマ綺麗な女性ってのは、いるだけで野郎に幸せを与えてくれますからなぁ(笑)」


「そうですねぇ(笑)」


将吾くんの言う"綺麗な女性"というのは、必ずしも容姿の事という訳でなく、

内面の輝きや、表情etc.…そういった女性を総称して言っているようだ。



とは言え、"高円寺の天使"は紛れもなく容姿も綺麗な女性だ(笑)


それから何故か２人で男女の性別の違いを話していた。


「俺、女と男に友情っつうもんは成り立たんと考えてます。」


「……。」



この時、俺は将吾くんに性別を明かしていなかったし、

なんだか騙しているような気になって

それ以上深くは突っ込まなかった。



それから話題をかえたくて、俺は洋服の話をふった。


「将吾くんは買い物とかどの辺でしたりするんですか？」


将吾くんの格好をみていると、

俺と多少好みが似ていたから前から気になってはいた。



「最近は高円寺ばっかですなぁ。


あ！フクさん、

高円寺の"MAD SECTION"ってお店知っとりますか？」


「…？知らないっスね。」