陽のあたる場所

こたろ

文字の大きさ
上 下
43 / 449
後悔の先

後悔の先22

しおりを挟む
その後、彼女は母親と共にスナックで働き、しばらくしてから一度神奈川に戻ってきた。




その時、彼女の髪の毛は金色に染まっていた。

手入れが行き届いていなく、パサついて以前の光沢をなくしていた。


化粧は濃く、全体的に雑で品のないような印象を受けた。



そして、俺に対しての言葉遣いもタメ語になり、

以前のような謙虚さをなくしていた…。




別にそれをみて彼女を嫌いになったわけではない。



ただ俺には、"男にだらしがない母親"と共に堕ちていく未来しか見えなかった。




やたらテンション高く俺に話しかけてくるのに、

彼女が決して幸せそうには見えなかった。



「でさぁ、フクさん!

彼にティファニー買ってもらったんだぁ♪」



福岡でできた彼は、お店の常連客らしい。





彼女には相変わらず、"友達"がいないようだった---。








それから、彼女とは一度も会っていない。



俺はその後、携帯を無くしてアドレスがわからなくなってしまったし、

連絡を取る手段が無くなってしまった。




彼女の家も知らなければ、彼女の名字さえ知らない。



俺はあの時知ろうともしなかったんだ…。




あんな小さな携帯電話1つでしか繋がっていなかった事に気づかされた。




人生とは何があるかわからない。



だからこそ、後悔しないように……





「私はさぁ、もし自分に娘ができたら、



絶対に自分と同じような人生を歩んで欲しくないっ!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】真実の愛はおいしいですか?

ゆうぎり
恋愛
とある国では初代王が妖精の女王と作り上げたのが国の成り立ちだと言い伝えられてきました。 稀に幼い貴族の娘は妖精を見ることができるといいます。 王族の婚約者には妖精たちが見えている者がなる決まりがありました。 お姉様は幼い頃妖精たちが見えていたので王子様の婚約者でした。 でも、今は大きくなったので見えません。 ―――そんな国の妖精たちと貴族の女の子と家族の物語 ※童話として書いています。 ※「婚約破棄」の内容が入るとカテゴリーエラーになってしまう為童話→恋愛に変更しています。

あなたのサイコパス度が分かる話(短編まとめ)

ミィタソ
ホラー
簡単にサイコパス診断をしてみましょう

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

【完結】限界離婚

仲 奈華 (nakanaka)
大衆娯楽
もう限界だ。 「離婚してください」 丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。 丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。 丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。 広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。 出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。 平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。 信じていた家族の形が崩れていく。 倒されたのは誰のせい? 倒れた達磨は再び起き上がる。 丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。 丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。 丸田 京香…66歳。半年前に退職した。 丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。 丸田 鈴奈…33歳。 丸田 勇太…3歳。 丸田 文…82歳。専業主婦。 麗奈…広一が定期的に会っている女。 ※7月13日初回完結 ※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。 ※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。 ※7月22日第2章完結。 ※カクヨムにも投稿しています。

それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。 まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。 転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。 ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。 「本当に可愛い。」 「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」 かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。 「お願いだから、僕にもう近づかないで」

心躍るロンド ~面白き自然農の世界~

うーちゃん
エッセイ・ノンフィクション
偶然本屋で出会った一冊の本に導かれ、それまで農業経験ゼロだったぼくは「自然農」の世界に足を踏み入れることになった。そこで見たもの、感じたこと、出会った人々。自然農を実践する中でぼくも大きく成長していく。自然を感じながら作物を育てる喜び。それはまるで心躍(おど)るロンド(輪舞曲)だった。

君が届かなくなる前に。

谷山佳与
恋愛
女神フレイアが加護する国、フレイアス王国。 この国には伝説があり、女神の色彩を持つものは豊かさと平和をもたらすと言われている。 この国の王太子殿下の正妃候補の内の一人は六公爵家の一つ、知のエレノール。代々宰相を務めてきたこの家の末姫は、貴族には必ずあるという、魔力を一切持っておらず、ふさわしくないと言われてはいるけど・・・。 ※誤字など地味に修正中です。 2018/2/2 ※お気に入り登録ありがとうございます。励みになります^^ 2018/02/28 ※誤字脱字、修正中です。お話のベースは変わりませんが、新たに追加されたエピソードには「✩」がタイトルの最後に付けております。  2019/3/6 ※最後までお読みいただきありがとう御座ます。ライラックのお話を別リンクで執筆中です。ヒロインメインとはなりますがご興味のある方はそちらもよろしくお願いいたします。 2019/4/17

雑学・豆知識・話のネタ「一つ賢くなった」(面白い・誰かに話したい・盛り上がる話題作り…)

ふんころう
エッセイ・ノンフィクション
私が大人のくせに知らなかった事を備忘録代わりに投稿しようと思います。 元々、一般常識が乏しい私ですが、(あれ?これは何だろう?)と疑問に思う事は、すぐにネットで調べるようにしています。 しかし、悲しい事に一度調べた事すら忘れて、二度も三度も同じ検索をしている事があります。 Google様に「もしかして、認知症?」と疑いをかけられても言い返せません。 そこで、調べた事を書き溜めていくことにしました。 スマホのメモ帳に残してもいいのですが、誰かに読んでもらえる方がモチベーションが上がるので、アルファポリス様にお世話になります。 読んでくれた方が、(知らなかった!一つ賢くなった)と思ってもらえると嬉しいです。 しかし、「とにかく、読んで賢くなりたい!」という方は、参考書を読んだ方が時間を有効に使えます。 あくまで備忘録ですので、雑学半分・無駄話半分というスタンスで書くつもりです。 ゆっくり長く続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

処理中です...