陽のあたる場所

こたろ

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後悔の先

後悔の先12

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ちくしょう…っ!


なんで気が付かなかったんだよ、俺…。




「何かあったらいつでも電話してね。


とりあえずは絶対彼氏の家に帰ること!」



この日、俺と詩織ちゃんは初めてアドレスを交換した。



この頃、季節は冬で2月の一番寒い時期だった。


「あと2ヶ月の辛抱だな。」


「早く卒業して働きたいっ!」




そう、あとたったの2ヶ月辛抱すれば、

彼女は中学を卒業し、仕事を始める事ができる。



彼女が希望するのは、もちろん住み込み可の仕事だ。



「いい仕事見つかるといいね。」




あと2ヶ月…。


あと2ヶ月耐えれば彼女は自由になれるのだ。






それから俺は、母親に電話して彼女の事を相談した。


母親から児童施設の話など聞いて、

とにかく国で保護してもらうことは可能という母の意見を、彼女本人にも伝えたけど

彼女自身、あと2ヶ月だけの辛抱だからと彼氏の家に身を置くことに決めたようだった。




そして最も残念な事に、

彼女はそれでも義父の事を嫌いにはなれず…

「私が家に帰らないから、お義父さんは心配してるんです…。」

と携帯を眺めながら、義父からの着信から出ようか迷う彼女を俺は必死でとめていた。



「もう電源切っておいたら?」


携帯は何度も何度も鳴り響いていた…。




しかし、その彼女の持つ携帯電話は

義父に渡されたものなのだ。



俺にはその着信にでるなという権利はあるのだろうか…?




そして義父にとって、彼女はどんな存在なのだろうか…?





娘か…?


恋人か…?





はたまたヤツの欲求を満たす



"道具(おもちゃ)"だろうか---?
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