異世界で生きていく。

モネ

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第四章の話

お礼

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翌朝、ずいぶん調子も良くなりスッキリしている。
「んー、よく寝た。今日は活動できそうだな。無理しない程度にしよう。」
今日はゆっくり動こう。
顔を洗って身支度をした。
洗濯物が溜まっていたので洗面所で洗いと乾燥を済ませてしまった。
やっぱり前の世界も今の世界でも洗濯物終わらせるとスッキリする。
本当は天気の良い日は外に干すのが気持ちいいけれど。

ダイニングで朝食を済ませて、食後のコーヒーを窓辺で飲んでいた。
「モエさん。おはようございます。体調はいかがですか?」
「おはようございます、ケイさん。ゆっくり眠れてすっかり良くなりました。ご迷惑おかけしました。ありがとうございます!」
「フフッ。それならよかったです。あまり無理しすぎずゆっくりできる時はしてくださいね。」
「はい。今日は買い物に行ってきます。ずっと寝てばかりだったので。」
「そうですか。お気をつけて行ってきてくださいね。」
「はい、ありがとうございます!」

宿を出て、マリン通りへ向かった。
皆さんによくしてもらったのでなにかお礼をしようと思い買い物にでた。

何がいいかな。レンさんにもたくさんお世話になったから、何かしたい。
実はマリン通りに美味しいお菓子屋さんがあってそこで買いたいと思っている。

可愛い外観のお店に入るといろんなお菓子が並んでいる。
外まで香る甘い匂いにつられて入ってくる人もいるだろうな。
「いらっしゃいませ♪」
可愛いふんわりした雰囲気の店員さんが迎えてくれた。
「あの、お世話になったお礼にお菓子を贈りたいのですがオススメありますか?」
「お礼ですね!素敵ですね♪それならこのマカロンはどうですか?カラフルだし、いろんな味を楽しめます!」
マカロン!
こっちの世界にもあるんだ!
ピンク、赤、黄色、緑と
カラフルで可愛い。
「これにします!」
「ありがとうございます!」

大きな箱のものは宿の皆さん。
小さな箱のはレンさんとケイさん。
そして自分用に数個包んでもらった。
あとはこれに皆さんに一本ずつ調合した栄養剤をおくろう。
んー、でもレンさんとケイさんにはこれだけでは少ないかな。
そのうち美味しいお料理を、振る舞おう!

素敵な贈り物を購入できて満足だ。
今日も暑くて良い天気だ。
露店でレモネードを買って木陰のベンチに座って飲んだ。
水分補給と休憩はこまめにとらないと前みたいになってしまう。

でも本当に無理はしすぎない方がいいだろう。
旅をする時も気をつけないと。
あとは体力をもう少しつけたいな。
なんか良い方法はないかな。

「モエさん。」
呼ばれた方を見るとケイさんがいた。
「ケイさん!あれ?どうして?」
「商業ギルドに用があって行ってたんですよ。休憩ですか?」
「そうなんですね!はい!そこの露店で飲み物買って。美味しいですよ♪」
「なら、私も飲み物買ってきます!一緒に休憩いいですか?」
「もちろんです!」
ケイさんはアイスコーヒーを買ってベンチに座った。
「うん、美味しいですね!暑い日に冷たい飲み物は癒してくれますね!」
「はい!木陰で涼しいし。」
「そうですね!暑い日は涼む時間も大切ですね!」
「はい!あっ!あの、ケイさん!これお世話になったのでお礼です!受け取ってください!」
ケイさんの分のマカロンと栄養剤を渡した。
「え?そんな、気を遣わず。」
「いえ、とても助かりました。そしてゆっくり休めましたし。」
「そうですか?これはお菓子ですね!美味しそうです!それと栄養剤!仕事の休憩にいただきます!ありがとうございます!」
「いえ、こちらこそありがとうございます!」
「モエさんはいつも元気なのにびっくりしました。でも今後も無理しすぎず、ゆっくり過ごさず時間も作ってくださいね!」
「はい!ありがとうございます!」

少し話してケイさんは宿へ戻った。
私は少しゆっくりとマリン通りを見て周り、宿に戻ることにした。

帰り道の海沿いの道をゆっくりと歩く。
波の音と海風が気持ちいい。
こんなに気持ちいい道をゆっくり歩くのは元の世界ではあまりなかったな。
ビルが並ぶ街並みを歩くことはあっても。
今日はレンさん家にいるのかな?
寄ってみようかな。お礼を渡したいし。

宿を通り過ぎ、レンさんの家の方向へ歩いた。
門を入っていくと庭の方に海を眺める後ろ姿が見えた。
レンさんだ。
静かに海を眺めるレンさん。
レンさんがボーッと海を眺めてるの珍しいな。
何か考え事だろうか?
その眺めているレンさんの目が少し切なそうで、その姿がとても綺麗だった。
レンさんはどんな風に生きてきたのだろう。
ピクっとしてレンさんがこちらを見た。
「モエ。」
「あっ、すみません。声かけようとしてました。」
「あっ、あぁ。悪い。ボーッとしてた。どうした?」
「あの、倒れてお世話になったのでお礼をお渡ししようと思って来ました。」
「いや、気にしなくていい。気をつかうなよ。」
「ありがとうございます!お礼がしたかったんです。ささやかですが。」
そう言って渡した。
「ありがとう。お菓子と栄養剤。嬉しいよ、いただくよ。」
「はい!」
「出かけてたのか?」
「はい、このお礼を買いに。ちゃんと休憩して涼みながらだから大丈夫ですよ!もう帰りですし。」
「そうか。宿もどるのか?」
「はい、お昼ごはん食べなかったので、早めに夜ごはんにしようかと思って。」
「そうか。なら俺も行こうかな。飯はダイニングだろ?」
「はい!一緒にごはん食べましょう!」
「あぁ。」

レンさんはニッコリ微笑んだ。
さっきの切ない感じの顔とは違ういつものレンさんだった。
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