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第13話 復讐者リベンは三度目の復讐対象に復讐する

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「あんたはアヴェンジヤン!?」

 ビチの素っ頓狂な声にリベンはボキボキと関節を鳴らしながら、ドスのきいた低い声でこう答えた。

「貴様に受けた恨みの数々、まとめて返しに来てやったぜババア」

 リベンはそう言うと、ぎろりと睨みつけた。

 ついでに関節を鳴らしすぎて、骨が折れた。

「腕があああああああああああああ!!僕の腕がああああああああああああ!!」

 痛みで悶え苦しむリベンに何も言わず、ビチはこう言った。

「あんたこんなことやってどうなるかわかってるの!?何してるの、警備兵!!警備兵を呼んで!!」

「ふんっ、無駄だ。貴様の部下も貴様を見捨てたそうだ。警備兵はおれの能力によって来ない。貴様は袋の中の鼠だ」

「な、何言ってるの…?」

 その言葉にビチは顔が青くなった。

「おれは貴様らに追放されたことによって、新たなに“復讐”の力を手に入れた。感謝しているぞ、おかげで貴様に復讐できるだけの力を得たからな」

「いやいや、みんなあんたたちのハチャメチャっぷりについていけないだけだからね」

 ルミエはリベンの発言に突っ込みを入れた。

「あら、ルミエちゃん。何でそいつらと一緒にいるわけ?」

「あっ…いや、その…」

「あんた仕事はどうしたの?それにこんな不審な奴らと一緒にいて恥ずかしくないの?悪いけど、後で…」

 モクモクモクモク…。

 ふっと、ビチは黒い煙に気づいた。

 慌てて彼女が振り返ると、旅行用のブランドバッグがリベンに燃やされていた。

「きゃあああああああああ!!何すんのよ、あんた!」

 ビチは慌ててリベンを止めようとした。

「骨アタック!!」

 しかし、リベンは自身の折れた骨を腕から取り出して思い切り殴り飛ばした。

「いったあああああああああああああああああああああ!!な、何すんのよあんた!?ちょっと、何茫然としているのよ!!早くこいつを…」

「部下に頼らず自分でやれ!!クソババア!!」

 ルミエに頼ろうとするビチの頭を掴むと、それを思い切り机に叩きつけた。

「ガハッ…!!」

「ふっ、ここまでおれが暴れているのにも関わらず、誰も助けないとはさてはお前相当嫌われているな」

 事実、部下に対してパワハラを続けていたビチは部下には当然嫌われていた。

 ルミエも本音を言えば、助けたくなかった。

「ああ、助けて!!お願いだから、あの時のことを謝るから…」

「ほう?」

 リベンはそう言うと、刀を抜いた。

 そして、復讐の力を宿してビチを斬った。

「芭唖火保二刀流奥義“怨恨斬”!!」

「ぶひぃ!!」

 ビチは斬りつけられると、そこは昔通っていた職場だった。

「こ、これは…?」

 ガラガラと音共にロークスが台車を押しながら現れた。

 そして、台車にあった荷物を全部落とした。

「ちょっとあんた何やってんの!?全部自分で直しなさいよ!!」

「お前も直すの手伝えええええええええええええええ!!」

 しかし、カブトムシのコスプレをしたリベンが彼女の頭を掴み、それを思い切り顔面を壁に叩きつけた。

「い、嫌よ!!あたしは肉体労働なんて…」

「だから、デブなんだよ!!ちっとは動けぇええええええええええええええ!!」

 リベンはそう言うと、彼女の足を掴み、ベルトコンベアの上に投げた。

「な、何なのよ…これは一体…」

 彼女が血をぬぐうと、ベルトコンベアは動き出した。

「な…!!」

 ベルトコンベアの先には大口を開けて待っている鮫の大群がいた。

「きゃあああああああああ!!何、何なのよ!!」

「芭啞火保二刀流奥義“強制ダイエット”!!」

 それを見たロークスは思わずこう呟いた。

「これ前もやらなかったけ?」

「い、いやあああああああああああ!!助けて!!」

 ビチは慌ててベルトコンベアから降りようとした。

 だが、それをリベンは許さなかった。

「対策済みぃ!!」

 リベンはボタンを押すと、巨大な落とし穴がベルトコンベアの周りに現れた。

「な…!!」

「貴様はサメの餌になるか、痩せるかのどちらかのどちらか一方だけだ!!死にたくなければ走れ!!」

「ひっぃいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 ビチは必死に走った。

 止まったら、死ぬからだ。

 すると、戦闘服を着たリベンが現れた。

「死に晒せやああああああああああ!!」

 リベンは地面に野菜の種を植えると、そこからゴリラみたいな怪物が生えてきた。

「うおおおおおおおおおおおおお!?あいつら着ぐるみじゃねぇのかよ!?」

「行け!見知らぬ化け物ども!!」

 そう言うと、怪物たちはビチにしがみついた。

「な、離れなさいよ!!」

 すると、化け物たちは突然発光しだし、そのまま爆発した。

「爆発した!!何なの?あの化け物!?」

「魔物の一種じゃないのかな…」

 その爆風で弾け飛んだビチはそのままサメがいる場所へ吹き飛んだ。

「シャーク(よっしゃ、餌だ!!)!!」

「鮫に鳴き声何てねぇだろうが!!」

 鮫たちはビチが入ってくると、食べ始めた。

 ゴリラみたいな怪物を主に。

「きゃあああああああああ!!助け…助けて!!」

「ガッデム!!」

 リベンは口から破壊光線を出して、ビチごと鮫を一蹴した。

「「「ぎゃああああああああああ!!」」」

 ぼんっ☆

 鮫はそのまま牛丼になった。

「あっー!!サメが牛丼に!!」

「意味がわかんねぇ!!」

「知らねぇのか!!サメが牛丼になるのは…常識だろうがぁあああああああああああああああ!」

 そう言うと、リベンはビチの頭を掴むと、どこかへ放り投げた。

「はぁはぁ、何なの!?一体これは!!」

 彼女は血をぬぐいながら、辺りを見渡した。

 すると、今度は厨房だった。

「こ、ここは!?」

「うるせぇ!!」

 リベンは彼女の頭を掴むと、油に煮え切っている鍋に叩きつけた。

「きゃあああああああああ!!」

 ビチの悲鳴が厨房に木霊した。

「今日は大慈のために通ってきた料理教室の時間ザマスよ!!」

「何?料理教室?」

 彼女がふと見ると、ゴリラみたいな怪物たちが料理教室を受けようとしていた。

「さぁ、今日は簡単で美味しい豚カツを作ってみたいと思います!!」

 講師役を担当するのは王女“フラム”であった。

「はぁ?何この娘?」

「ケチ付けんなやぁ!!年下でも先生は先生だろうがぁああああああああ!!」

 リベンは大やけどを負って、もう喋れない程のダメージを受けているはずであるビチの顔面を思い切り殴った。

「そ、それでは作り方を説明するね」

「ちょっと困っているけど、続行した!!」

 そう言って、彼女は豚肩ロースを用意した。

「まず、脂身に切れ込みを入れます」

 フラムはそう言うと、脂身に切れ込み入れた。

「わかったあああああああああああああ!!」

 リベンは彼女の言う通り、ビチの肩を切り刻んだ。

 ザシュッ!!

「きゃあああああああああ!!」

「つ、次はお肉に小麦粉と溶き卵をつけます」

 フラムは次にお肉に小麦粉、溶き卵の順につけた。

「いやほおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 リベンは彼女の言う通り、魔術調味料、溶けた玉子さんの中にビチを投げ込んだ。

「きゃあああああああああ!!」

 それを見たロークスは思わずこう突っ込んだ。

「なんじゃあこれは!?」

「さぁ甦れ!!」

 そして、溶けた玉子さんの中からある生物が蘇った。

「〇を〇る翼竜!!」

「うそぉーん!?」

「火球の礫!!」

 火球の礫はビチとゴリラみたいな怪物に命中した。

「次は広がるようにパン粉で包んだら、お肉を静かに入れてあげて、油を170度で揚げます!」

 フラムは広がるようにパン粉をお肉を包、油の中にそれを入れた。

「わかったあああああああああああああ!!」

 リベンは巨大なハンマーでビチを殴った。

「ぴぎゃっ!」

「もはや関係ねぇ!!」

「絶対零度!!」

 ぐちゃぐちゃになったビチに絶対零度を浴びせた。

 もはや料理関係ない。

「色づいてきたら、最後はほんの少しだけ180度の油揚げてあげたら、余熱で冷ませば完成です!!」

「もうオチ読めたぞ!!どうせ熱々の油で揚げんだろ、どうせ!!」

 だが、ロークスの予想は外れた。

「止め!!芭唖火保二刀流禁断奥義“熱々の油”!!」

 リベンはビチを拘束し、トゲ付きのローラーでガリガリ引きまくった。

「もはや何だよ!!」

 そんな傍らでルミエも料理に参加していた。

「意外とタメになったわ」
 しかし、できたいるのはモザイクかけないと見せらない“絶望の豚カツ”であった。

「何作ってんの、あんた!?」

「豚カツよ。見た目より味でしょ、料理って」

「本当か!?貸せ!!」

 ロークスはそれを奪うと、リベンの口に放り込んだ。

「人体実験!!」

「ぐぼおおおおおおおおおおおお!!」

 リベンは“絶望の豚カツ”を無理やり食わされると、大量のヘドロをビチに吐いた。

「まずううううううううううううううううううう!!死ぬううううううううううう!」

「吐き出すほど美味しいのね」

「不味いって言っているぞ!!」

 ビチはあまりの攻撃に意識が途切れそうになった。

 そして、気が付くといつもの場所にいた。

 周りには騒ぎを聞きつけたのか、職員が集まっていた。

「えっ…何これは?」

 ビチはあまりの事態に困惑した。

「豚ババア。おれは最初の斬撃当てた以降、うっぷ、何もしてない。お前は、おえっ…気持ち悪っ…、ただそこで自身が生み出した悪夢で勝手にのたうち回っていただけだ…」

 リベンは一体何を食わされたのか、気分悪そうにそう言った。

「嘘つけ!!明らかにオレが食わせた後あるだろうが!!」

「あれって巻き込み形だったのね。技で料理教えてもらえるなんて随分お得ね」

 ルミエが感心していると、フラムは笑顔でこう言った。

「ルミエちゃん。後でお話があるんだけど」

 ビチは醜態を晒したことにわなわなと震えると、リベンは止めに刀を構えた。

「おれは前からお前に言いたかったことがある」

「あ…あ…」

 もはや、返す気力もない。

 リベンはそんなことを気にする様子もなく、刀を構えた。

「行くぞ!!」

「あ…いや…やめて!!これ以上ボロボロになったら、彼氏があんたを許さな…」

 最後まで言い切る前にリベンは奥義を放った。

「芭啞火保二刀流奥義“報復の一閃”!そして、てめぇみたいな豚ババアに彼氏なんているわけねぇだろうがあああああああああああああああああ!!」

「きゃあああああああああ!!」

 その一撃でビチは完全に沈黙した。

「てめぇみたいな優しさを知らねぇ豚ババアは少しぐらい現実をみろ」

 リベンは決め台詞みたいなの言うと、ロークスは再び“絶望の豚カツ”を再び彼に食わせた。

「てめぇもだろうが!!三十八歳!!」

「ぎゃああああああああああ!!」

 その様子を見ていた職員の一人がわなわなと震えながら、こう言った。

「ビ、ビチさんがこんなズタボロに…貴方たちは一体…」

 リベンは血反吐を吐きながら、にやりと笑ってこう答えた。

「ただの学歴職歴なしの無職さ。雇ってくれ」

 職員は笑顔でこう返した。

「無理です」
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