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QUATTRO
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ワタシのスキンケアブランドの『ペルフェーナ』を立ち上げ後、表立っての代表はお父様にお願いしたけど(だってーまだ12歳ですし)実質動かすのはワタシなわけで… そんな、なんやかんやがあり、居ないと不便だろうとワタシ専属の執事がつけられた。 名前はジョージ。我オルベール公爵家の遠縁にあたる男爵家の三男で年齢はワタシの3つ年上の15歳だ。 これが意外に有能なのよ、びっくりだわ。 そう… とっても有能なのよ… だけどね、ものっすごく無口で、しかも音もなく行動するって言うか、おまえは忍者か、暗殺者なのかっ?!ってくらい、いつの間にか近くに忍び寄ってるのよ。
例えば寝ている時、ワタシが起きるまで、じーーっと顔を覗き込んでいたり。(目を開けるとなんの感情も読み取れない目が目の前にあるのよ… なんなの、なんなのもう!キスしてほしいの?! いや、しないけど! …えっ、しないわよ?)
例えば机に向かって書き物してる時、必要な資料に気が付いて取りに行こうと思った瞬間、後ろから手が伸びてきてドサッと資料を置いてみたり。(いや、うん、助かる。助かるのよ… だけどびくっとするわ!)
そんなユカイな執事が増えて、しばらくしたある日。 ワタシはリズとお茶会をすることにした。 新作スイーツの試食とペルフェーナの試作品のお試しをお願いしたのよ。
「ロイー 今日もキッチン借りるわねーっ」
ロイは我が家の料理長よ。 ちょっと熊みたいな見かけだけど、普段はとっても繊細で優しいナイスガイよ! ただし、調理中は人が変わるけど。(前世の私の居た店のキッチンの調理人達や、知り合いのシェフ達も調理中はまるで体育会系のノリで怒号が飛び交ってたから、世界が違っても調理人の本質は同じなのかしらねぇ) まだ年齢一桁の時からここでロイに手伝ってもらって、前世のスイーツを再現してるの。
「坊ちゃん今日はまた何作るんですかい?」
「ふふーん。 今日はシフォンケーキよぉ。」
「し… シ…? なんですか?それ。」
「まあ、いいから黙って手伝って。」
我が家でやるお茶会には毎回ワタシが手作りのスイーツを作って用意している。 この世界にはないスイーツのお披露目と「見た事もないおいしいスイーツが食べられる我が家でのお茶会に参加するステータス」と言う付加価値で、参加してくれた人に『ペルフェーナ』の商品をそれとなく宣伝できるからだ。 宣伝部長はもちろん”社交界の華”と呼ばれるワタシのお母様よ。 美しさに磨きがかかったお母様は向かうところ敵なしよ! ‥‥‥ まあそれはさておき、ケーキを作りましょう。
卵と牛乳、小麦粉とサラダ油、砂糖、生クリームを用意して、力のいるメレンゲ作りと生クリームの泡立てだけはロイに丸投げる。 あとの処理とオーブンの温度管理含めた焼きはワタシが担当。 焼き上がり、逆さにして冷ましてから粉砂糖をふりかけ、数種類のベリーとホイップした甘さちょっと控えめの生クリームと、飾りのミントを添えて完成よっ。 今日もおいしそうにできたわ~~!
丁度シフォンケーキが完成した頃、執事長のウイリアムがやってきた。
「坊ちゃま、エリザベス様がお見えになりました。」
「ありがとう、今いくわー」
玄関ホールへ行くと、我が家の使用人達に出迎えられてリズが入ってきた。 今日のドレスはリズの瞳の色、薄い紫のグラデーションが入ったAラインのドレスにシルクオーガンジーのショールで春っぽいイメージね。
「今日も素敵だね、リズ。」
微笑んで出迎えればリズも嬉しそうに微笑む。
「今日はお招きありがとうエド。 素敵な物を作ったって伺ったわ?」
「ふふふ、見てのお楽しみだよ。 さあ、ご案内しますエリザベス嬢。」
いたずらっぽくウィンクして、手を差し出してエスコートする。
今日は天気もいいし外でもいいんだけど、まだちょっと風が冷たいからサンルームで席を用意したわ。
「さ、どうぞ座って?」
そう言いながら椅子を引いてあげていると、扉がばーーーん!と開けられた。
「おーーーっす! また変わった旨そうなもん作ったって聞いたから来てやったぜー!」
「ちょ、ちょっと! アイオス! いつもいつも来るのが突然すぎるのよ! それになに、その言葉使い! 曲がりなりにも侯爵家の子息でしょうがっ!」
「あー? エドに言葉使いうんぬんは言われたくねーなぁ。」
「くっ… 痛い所を…」
騎士団長の息子であるアイオスは、王太子であるジェラルドの側近候補として10歳の時に知り合ったの。 貴族子息らしからぬその飾らない性格が気に入って、割と早い段階でワタシ達は仲良くなったんだけど… ワタシのこのオネエ言葉をうっかり聞かれちゃったのよね。 アイオスはもうずーーーっと笑い転げてしまって、酸欠になりかけてたわ… そんなこんなで気楽に本音で付き合える数少ない友人であるアイオスは、こうして時々アポなしで突撃してくる。
「ところで、エリザベス嬢が固まってるけど大丈夫なのか?」
はっ…! そうだった… リズにオネエ言葉は聞かせた事なかったのに、しくじったわ…
「あ、あの… リズ…?」
「……………」
「……………」
暫らく固まっていたリズは、突然はっ!と気が付いたように顔を上げた。
「あ、ごめんなさい。 ちょっと驚いてしまっただけ… でも大丈夫!」
「え、えっと…?」
「うん、ちょっと変わった? 言葉使いだけどなぜかエドにしっくり来てる… と思う。 少なくとも嫌な感じはしないわ。」
「リズ‥‥ ありがとう、本当にいい子ねアナタ…」
しんみり感動してるワタシの横で、あえて空気を読まないアイオスがシフォンケーキに手を付けた。
「お、これが新作かーー うまそーー!」
「あ、ちょっと!アイオス! 先に紅茶…」
紅茶入れるからって言おうとした瞬間にさささっと3人分の紅茶がテーブルに置かれた。
「‥‥‥‥‥」
「‥‥‥なあエド、今なんの前触れもなく、突然紅茶が現れたよな?」
「‥‥ごめんなさいね、ワタシの新しい執事なの…。 コレでなかなか有能なのよ と、とりあえず召し上がって? 新作のシフォンケーキよ。」
「ん… おいしい…! ふんわり優しい味だわ。」
リズが一口食べてへにゃりと笑った。 ああ、この子ほんと可愛いわぁ~~ あ、そうだリズって言えばペルフェーナの新作を渡さなきゃ… と考えた瞬間に、またどこからともなく商品がテーブルの上に乗せられてた。 ばっ!と振り返るとジョージがこちらに顔を向け(安定の無表情)、華麗なムーンウォークで後ろに下がっていったわ。 マイコー!マイコーがいるわ!
「‥‥なあ、お前の執事一体なんなの?」
うん、私もそれ知りたい。 ちょっとジョージとは話し合う必要があるわね。 言葉を発してくれればだけど!
例えば寝ている時、ワタシが起きるまで、じーーっと顔を覗き込んでいたり。(目を開けるとなんの感情も読み取れない目が目の前にあるのよ… なんなの、なんなのもう!キスしてほしいの?! いや、しないけど! …えっ、しないわよ?)
例えば机に向かって書き物してる時、必要な資料に気が付いて取りに行こうと思った瞬間、後ろから手が伸びてきてドサッと資料を置いてみたり。(いや、うん、助かる。助かるのよ… だけどびくっとするわ!)
そんなユカイな執事が増えて、しばらくしたある日。 ワタシはリズとお茶会をすることにした。 新作スイーツの試食とペルフェーナの試作品のお試しをお願いしたのよ。
「ロイー 今日もキッチン借りるわねーっ」
ロイは我が家の料理長よ。 ちょっと熊みたいな見かけだけど、普段はとっても繊細で優しいナイスガイよ! ただし、調理中は人が変わるけど。(前世の私の居た店のキッチンの調理人達や、知り合いのシェフ達も調理中はまるで体育会系のノリで怒号が飛び交ってたから、世界が違っても調理人の本質は同じなのかしらねぇ) まだ年齢一桁の時からここでロイに手伝ってもらって、前世のスイーツを再現してるの。
「坊ちゃん今日はまた何作るんですかい?」
「ふふーん。 今日はシフォンケーキよぉ。」
「し… シ…? なんですか?それ。」
「まあ、いいから黙って手伝って。」
我が家でやるお茶会には毎回ワタシが手作りのスイーツを作って用意している。 この世界にはないスイーツのお披露目と「見た事もないおいしいスイーツが食べられる我が家でのお茶会に参加するステータス」と言う付加価値で、参加してくれた人に『ペルフェーナ』の商品をそれとなく宣伝できるからだ。 宣伝部長はもちろん”社交界の華”と呼ばれるワタシのお母様よ。 美しさに磨きがかかったお母様は向かうところ敵なしよ! ‥‥‥ まあそれはさておき、ケーキを作りましょう。
卵と牛乳、小麦粉とサラダ油、砂糖、生クリームを用意して、力のいるメレンゲ作りと生クリームの泡立てだけはロイに丸投げる。 あとの処理とオーブンの温度管理含めた焼きはワタシが担当。 焼き上がり、逆さにして冷ましてから粉砂糖をふりかけ、数種類のベリーとホイップした甘さちょっと控えめの生クリームと、飾りのミントを添えて完成よっ。 今日もおいしそうにできたわ~~!
丁度シフォンケーキが完成した頃、執事長のウイリアムがやってきた。
「坊ちゃま、エリザベス様がお見えになりました。」
「ありがとう、今いくわー」
玄関ホールへ行くと、我が家の使用人達に出迎えられてリズが入ってきた。 今日のドレスはリズの瞳の色、薄い紫のグラデーションが入ったAラインのドレスにシルクオーガンジーのショールで春っぽいイメージね。
「今日も素敵だね、リズ。」
微笑んで出迎えればリズも嬉しそうに微笑む。
「今日はお招きありがとうエド。 素敵な物を作ったって伺ったわ?」
「ふふふ、見てのお楽しみだよ。 さあ、ご案内しますエリザベス嬢。」
いたずらっぽくウィンクして、手を差し出してエスコートする。
今日は天気もいいし外でもいいんだけど、まだちょっと風が冷たいからサンルームで席を用意したわ。
「さ、どうぞ座って?」
そう言いながら椅子を引いてあげていると、扉がばーーーん!と開けられた。
「おーーーっす! また変わった旨そうなもん作ったって聞いたから来てやったぜー!」
「ちょ、ちょっと! アイオス! いつもいつも来るのが突然すぎるのよ! それになに、その言葉使い! 曲がりなりにも侯爵家の子息でしょうがっ!」
「あー? エドに言葉使いうんぬんは言われたくねーなぁ。」
「くっ… 痛い所を…」
騎士団長の息子であるアイオスは、王太子であるジェラルドの側近候補として10歳の時に知り合ったの。 貴族子息らしからぬその飾らない性格が気に入って、割と早い段階でワタシ達は仲良くなったんだけど… ワタシのこのオネエ言葉をうっかり聞かれちゃったのよね。 アイオスはもうずーーーっと笑い転げてしまって、酸欠になりかけてたわ… そんなこんなで気楽に本音で付き合える数少ない友人であるアイオスは、こうして時々アポなしで突撃してくる。
「ところで、エリザベス嬢が固まってるけど大丈夫なのか?」
はっ…! そうだった… リズにオネエ言葉は聞かせた事なかったのに、しくじったわ…
「あ、あの… リズ…?」
「……………」
「……………」
暫らく固まっていたリズは、突然はっ!と気が付いたように顔を上げた。
「あ、ごめんなさい。 ちょっと驚いてしまっただけ… でも大丈夫!」
「え、えっと…?」
「うん、ちょっと変わった? 言葉使いだけどなぜかエドにしっくり来てる… と思う。 少なくとも嫌な感じはしないわ。」
「リズ‥‥ ありがとう、本当にいい子ねアナタ…」
しんみり感動してるワタシの横で、あえて空気を読まないアイオスがシフォンケーキに手を付けた。
「お、これが新作かーー うまそーー!」
「あ、ちょっと!アイオス! 先に紅茶…」
紅茶入れるからって言おうとした瞬間にさささっと3人分の紅茶がテーブルに置かれた。
「‥‥‥‥‥」
「‥‥‥なあエド、今なんの前触れもなく、突然紅茶が現れたよな?」
「‥‥ごめんなさいね、ワタシの新しい執事なの…。 コレでなかなか有能なのよ と、とりあえず召し上がって? 新作のシフォンケーキよ。」
「ん… おいしい…! ふんわり優しい味だわ。」
リズが一口食べてへにゃりと笑った。 ああ、この子ほんと可愛いわぁ~~ あ、そうだリズって言えばペルフェーナの新作を渡さなきゃ… と考えた瞬間に、またどこからともなく商品がテーブルの上に乗せられてた。 ばっ!と振り返るとジョージがこちらに顔を向け(安定の無表情)、華麗なムーンウォークで後ろに下がっていったわ。 マイコー!マイコーがいるわ!
「‥‥なあ、お前の執事一体なんなの?」
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