異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

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174話.英雄(ヒーロー)は遅れてやってくる!!

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 時刻は昼を過ぎて約束の時刻から四時間以上の遅刻になっている……
 こんな大遅刻をやってしまい国王陛下とマーガレット達にどんな顔して会えいいのだろうか?

 私は門の前で考え込んだが答えが見つからない……いくしかないよな?
 意を決して、門をくぐる。
 お屋敷の庭園を街の住民にも一般開放している為、庭園にはたくさんの人で賑わっていた。
 
 まるでお祭りだな。

 あっ、主催者の為の席と花嫁用の席があった。
 会場を見回してみたが……花嫁達は席に座っていなかった。

 国王陛下と教皇様とボルグ様。それとギルドのいつもの面々と従業員。
 スミス神父とライアン神父も今日は来てくれたんだな。
 それと、シズクも来客席に座っていた。

 レクターさんが私の到着に気がづいた。
「にーちゃん!! オークの討伐が終わったのか?」

「ハイ!! 全ての依頼を完了しました」

 私のレベルは44から46へと上がっていた。
 しかし、ステータス上がり幅は普通の商人のステータスの上がり幅だった。

 私は国王陛下の元へ移動し、頭を地面につけて謝罪した。

「国王陛下、申し訳ありません。
 マーガレット様の大事な挙式に訳あって遅れてしまいました」

「頭をあげてくれ……婿どの。
 理由は聞いておる、その件は不問とする。
 しかし、婿殿。今のキミはカナリ臭うので風呂で匂いを落としてから娘に会ってくれよ。
 それと、君の帰りがあまりに遅いので君の身を皆が心配していたぞ……」

「今回は、オークの巣が多すぎましたね……
 あっ、すいません。お風呂を頂いて着替えて来ますね」と言って、風呂場に向かった。

 風呂場に到着して、脱衣所で服を脱ぎ風呂へ向かうと……
 既に風呂が沸かしてあった、私はお風呂を頂き身体を洗った。

 風呂から上がり、脱衣所で身体を拭き終えたら。
 これに着替えろと言った感じに派手な衣装が置いてあった。
 うわー、派手だけど丁寧な作りしてんなぁ。

 誰が作ったんだろ……? その件は置いといて急いで着替えるとしよう。
 私は、その衣装を着て嫁達に会いに行った。

 嫁達はお屋敷に臨時で作った控え室にいた。
 エミリーが、すぐに私がいるのに気づき話しかけてきた。

「ハジメさん。おかえりなさい!!
 それと、私が作った服を着てくれたんですね」

「あぁ、これってエミリーが作ったんだ。
 いい出来だね、どこに出しても恥ずかしくないよ」と言って、彼女を褒めておいた。

「ごめん、色々あって遅れた申し訳ない!!」と、花嫁全員がいる部屋で謝罪した。

 マーガレットが私の前に歩いてきて、叩かれるかなと覚悟したが……

「お疲れ様です。旦那様」と、彼女が言ってくれた。

 許してもらえたみたいなので、皆に帰宅の挨拶を行った。

「ただいま!! 
 それとごめんなさい。あの薬を6つ使っちゃった」

 マーガレットが何?  みたいな表情をしていたので、キャリーが耳打ちで色々と教えてあげてたらマーガレットは顔を真っ赤にしていた。

「それは、エミリーさんに怒られないとダメですねー!!」と、ノルニルが言ってきた。

「ははは……使うなって言われてたのに使ったんだから。
 怒られるくらい仕方ないよね」と、私は皆におどけて見せた。

「それと、みんなの衣装すごく似合ってるよ」

「私だけ衣装が違うので、浮いてしまいますね」

「マーガレットさんは……」と、私が言おうとしたとこで発言を止められた。

「マーガレットでお願いしますね。旦那様」

「マーガレットは、国王陛下の娘だしある意味仕方ないさ。
 けど、これからは私の嫁の一人になるけどいいのかな?」

「ハイ」

「出来れば薬の効果がない時に、相手をしたかったなぁ」

 エミリーが、この展開を読んで下半身の暴走がばれないような服の作りにしてくれていた。

「エミリー、ごめんね。
 余計な手間をかけさせたね」

「いえ、薬を使うと言われてましたので。
 ハジメさんに恥をかかせたくないですから」

「正直、このままキミ達を襲いたい気分だけど……
 それをやると挙式が終わらないから、みんな挙式に参加しようか」

 そして、私は花嫁達を連れて会場へと出て行った。

 司会は、マーガレット様のお付きのメイドのお姉さん?
 小型の[スピーカー]を使い、スピーカーの付属のマイクを使って案内を始めた。

「大変お待たせしました。本日のメインイベントになります。
 二階堂伯爵の花嫁のお披露目になります。
 挙式よりイベント性を高めたい、二階堂伯爵の御考案でこういう形式となりました」

 花嫁達が名前を呼ばれて、壇上で礼をしていく至ってシンプルなスタイルだ。
 そして私の隣に来てみんな挨拶をしていく。

 エミリー、シェリー、キャリー、アリア、リリス、ノルニル、フローラ、リーネの順に8人の嫁の挨拶が終わり。
 最後に、マーガレットが呼び出された。

「言わずと知れた。
 この国の第三王女、数々の貴族の男性がマーガレット様を嫁にしたいと毎日のように求婚がありました。
 そんな求婚を押しのけて、二階堂様の元へと嫁がれるんです。 二階堂様!! お嬢様を大事にしてあげてください」

 ……と、最後の方は泣きながらメイドさんは言っていた。
 マーガレットは壇上で礼をして、メイドさんからマイクを受け取った。

「お父様、私、マーガレットはこの事の殿方と添い遂げます。
 私の希望通りの相手を選んで頂いて、ありがとうございます」と言って、父親に礼をした後メイドさんにマイクを返した。

 そして、マーガレットは私の前に移動して来た。

「マーガレット、私と一緒になってくれるかい?」 

「ハイ、旦那様」と言って、彼女はキスしてくれた。

「これにて、二階堂伯爵の花嫁のお披露目会の終了になります。
 引き続き会場での催しを皆様お楽しみください」と言って、メイドさんが話を締めた。

 スミス神父やドワルドが娘の姿を見て泣いていた。
 ロイズさんはリーネさんに手を降ってるみたいだし、サキュバスのお姉さんもコッチに手を降ってくれてる。
 あっ……本番もできるようになったし一度位は……等と考えてたら近くにいたノルニルに思いっきりツネられた。

「あはは……考えを読まれましたね」

「ダメですよ!!
 気が多過ぎるのは……私達がいるんですから」

「そうですね気をつけます」

「まぁ、私はどうなるか知ってるんで、注意するのも虚しいなぁ」と言って、ノルニルはこの場を離れた。

「社長!! 私達のお菓子が爆発的に無くなってます。
 作っても作っても、作業が終わりませんよーー!!」と、マカロンが言ってきた。

「うん、良かったじゃない。
 メイドさんにマイク借りて、お店のアピールを二人でやって見たらどう?」と、マカロンと話をしてると……

 国王陛下が壇上に上がり、マイクを手に取った。

 皆が静かに国王陛下を注視する。

「あー、お楽しみの最中に注目してもらって申し訳ないな。
 今回の主催の二階堂伯爵の参加が遅れた理由について、私から説明をさせてもらおう。
 今回、娘が嫁いだ彼は多大な魔法の才能と商才の二つを兼ね備えた……ある種の傑物だ。
 彼は【転送魔法】を駆使し、各地の色々な問題を解決して、現在では商人の身から自力で、貴族の伯爵の位を貰うまでに成長した英雄と言っていいだろう。
 そんな英雄が、国王である私が参加しているこの挙式になぜ遅れたか?」

 さらに、国王陛下は言葉を続けた。

「そんなモノは簡単だ!!
 英雄が英雄であるべく、人助けをしていたからだ!!
[サドタの街]から報告があり、オークの大量発生により色々と問題のあった点を彼一人で解決してみせた。
 このような英雄が我が国に存在する事を私は心より嬉しく思う。
 それじゃ、二階堂君。 せっかく来てくれた来客にキミも挨拶したらどうだい?」

 へ、陛下。クッソ重い、キラーパスを投げて来たなぁ……
 仕方ないので壇上へ向かい、国王陛下よりマイクを受け取り挨拶を始めた。

「先程、ご紹介頂きました。
 二階堂始です。
 国王陛下は私の事を、という言葉で説明してくれたのは私が[勇者]ではないからです。
 私が守れるのは私が知る範囲だけ、私が知らない人間まで助ける余裕はないからです。
 そんな私は、なれたとしても英雄までかなと思います……
 ただ、こんな私を英雄だと認めてくれる方がいる事の事実だけは、しかと受け止めたいと思います。
 この度は、この場にお集まり頂きありがとうございます」

 ……と言って、メイドさんに再びマイクを返して私は壇上を降りた。

 おっそろしいキラーパスをしおって……
 あそこで変な返答をすれば私が国内中を回って人助けをする羽目になるじゃないか!!
 そんなモノは勇者にやらせとけ!!

 私はだ!!
 守れる範囲は、私が見えてる範囲だけ……それで十分だ。

 挙式も終わりかなという時に……
 マカロンとレイモンドの二人が「「 この街にお店を出しますんでヨロシク!! 」」と、マイクを使って宣言した。

 これで、今回の件はひと段落ついたよな。
 挙式が無事終了して皆が敷地内を片付けている。

 そして、その夜……嫁達を寝室に呼び出した。
 その夜は、薬の効果に身を任せた事もあり、部屋中の酷い匂いに包まれながら長い夜が明けるのを待つ事になった。
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