異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

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136話.薬の効果

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 薄汚れた岩壁でできた天井だ。
 見知らぬ天井…… って、オイ!! ココは地下牢じゃないか。

 満足そうに、私の隣にリリスが眠っている。
「もう、お腹いっぱいー。もう入らなーい」と、リリスは寝言を言ってた。

 地下室から上がって来ると、フローラさんがお屋敷の掃除をしていた。

「おはようございます。
 朝ごはんがまだでしたら、今からエミリー達の所に行きますけど?」

「いえ、私はこちらで済ませます。
 このお屋敷にも立派な厨房がありますし」

「そしたら、私は向こうで食べてきますね」

「はい、いってらっしゃい!!」

「あっ、フローラさん。アリアから色々な注意事項を聞きました?」

「レベルの事とか、日替わりの件ですか?」

「そうそう」

「地下室のサキュバスちゃんが原因だけど……
 社長のお気に入りだから手が出せないってヤツですよね?」

「なんか物騒だなぁ~。
 それは、ドコからの情報なの?」

「ノルニルさんですね。先程、お話しました」

「そっか、それより。
 社長じゃなくて、ハジメさんとかでも良いんだよ。呼び方……」

「いえ、嫁になりましたが従業員ですので社長呼びで行きます。
 社長の嫁だからって甘えてると思われたくありません!!」

「そ、そうか……。
 そういえば、ココが何処だか解ります?」

「城下街のお屋敷ですよね。
 朝方、私の兄さんにあってきましたよ。
 あんなに小さかった妹が人妻かぁと泣いてました」

「そっか、フローラさんには……」

「社長、待ってください。
 貴方のお嫁さんになったんですから、呼び捨てにして下さい」

「えーっと、フローラ」「ハイ」

 なんか照れるな……

「フローラは私のお嫁さんになったんだけど、仕事を辞めて主婦やりたい?」

「いえ、今まで通り働かせて貰いたいです」

「そっか。それじゃ、フローラには治水工事の手伝いを……って、言ってたけど、近いウチに5号店をこの街に建築する予定です。
 ソレを引き受けてくれるかな?」

「はい!!」

「おっと、作業の途中で引き止めて済まなかったね。
 一旦、自宅へ戻るね」

「はい、いってらっしゃい」と、フローラに言われ私は自宅へ移動した。

 食事スペースには、みんな揃っていた。

「おはよう。みんな」

「お兄さん。あれから大丈夫でしたか?」

「まぁ問題なかったよ」と答えておいた。

 まぁ、皆を心配させても仕方ないしな。
 エミリーが用意してくれている料理を食べた後、溜まっている3日分の仕事を再開した。

 今日は、久々に氷の大陸で狩りを行い――
 1時間ほど狩りを早く切り上げて[サドタの街]のギルドへ向う予定だ。

 氷の大陸では、いつも通りにミスリルの剣で狩りを行った。
 運命剣は、なんだろう……?
 通常の狩りで使うには少しもったいないと感じたからだ。
 それと、いつもより魔法力の回復が早く調子はいいみたいである。
 コレが薬の効果じゃなければだけど……

 久々の氷の大陸での狩りだが、全く苦労することはなかった。
 いつも通りに討伐したモンスターを買い取ってもらう為に[サドタの街]のギルドへやってきた。
 ギルドの買取倉庫でギルド長を探して、ギルド長に話しかけた。

「レクターさん。お久しぶりです」

「お、おう!!にーちゃん。
 武器は完成したのか?」

「はい、無事に完成しましたよ。
 それで、さっきまで氷の大陸に行ってきましたんで、買取をお願いします」

「新武器を試したか?」

「いえ、武器があまりにも強い為に使う相手と判断しませんでした」

「そうか、ドラゴン相手に役不足か。
 にーちゃんは桁違いになるなぁ」

「あっ、そうだ。
 城下街の近くの狩場のロックバレーで、ランドドラゴンを倒して枝肉にしてもらってるんで買い取って下さい」

「あぁ、既にドラゴン二種類討伐か……。
 ちょっとギルド証を見せてくれないか?」

 ギルド証を渡した。
 私のギルド証を確認したレクターが驚愕している。

「はっ? にーちゃん。
 あっちでも、ボスモンスターを討伐したのか?」

「あー、シースルーってヤツですね。
 [エクスプロージョン]の魔法で仕留めたので、魔石しか残りませんでしたけどね」

「確かに、それじゃ武器を出し惜しみするのもわかるな……
 よし、討伐したモンスターを出してくれ!!」

 買取スペースに討伐したモンスターをズラッと並べる。

「ははは、この遠慮のない量。
 まさに、にーちゃんがウチのギルドに来たって感じだ」

「代金は後日でいいんで、対応お願いしますね」「ああ、また頼むよ」

 そして、この場を去って自宅へ帰宅した。
 自宅で夕食を食べた後、お屋敷へ移動してノルニルさんの部屋を訪ねた。

「ノルニルさん、いますか?」

「はい。ロックバレーへの狩りへのお誘いですよね。
 準備できてますよ」と言って、ノルニルさんが部屋から出てきた。

「どんな武器が出来たんですか? 見せてもらってもいいですか?」

「ハイ。良いですよ」

 運命剣をバッグから取り出して、ノルニルに手渡した。

「えっ、なんなのこの剣。
 私が考えていたモノより何倍も凄い!!」

「[鑑定]した時、私も内容を見て震えましたよ。
 武器を作ったドワルドさんは聖剣を作った? いや、覇剣を作ったと言って男泣きしてましたからね」

「なるほど、よく例えたモノですね……
 コレは聖剣ではなく覇剣。
 確かにコレを、二階堂さんが使えば覇を取れる剣になるかも知れません?
 武器をお返ししますね」と言って、ノルニルは運命剣を返してくれた。

「武器の名前は?」

「運命剣と書いて(フォーチュンソード)ですね。
 私の知っている女神様が運命の女神様らしくて、この武器との出会いや人の出会いに感謝しようと思って名付けました」

「二階堂さんらしい名付けですね。
 ただ……ここまで凄い剣だと後世では、貴方の名前が刻まれるでしょうね」

「いやいや、商人の持つ剣がそれほどまでにはならないでしょ」

「二階堂さんなら、そう言いますよね。
 それじゃあ、今日はロックバレーの山頂をメインに狩りを行いましょう」

「はい、そうですね。
 夜間だったら、スパイクバードが山頂に止まってるので倒しやすいんですよね」

「はい、そうです。
 せっかくですし、ランドドラゴンも山頂で出くわしてもらいたいですね」

「ははは、そんなそうなんども出くわす事なんてないでしょう」とか、言いながら。
 出かける準備を開始した。

「それじゃ、現地まで【転送魔法】で、移動しますね」

 ロックバレーのZ軸が高い所が、山頂だからソコに合わせて移動すればいいな。
 屋敷の外へ出て、【転送魔法】を使用した。
 狙い通りにロックバレーの山頂へ移動できたので、[ライト]の魔法と[魔力視]のスキルを使用した。

【マップ】で確認すると、所々にモンスター群れが集まっている。
 コレが、スパイクバード達が止まってる状態かな?
 スパイクバード群れが止まっているところに、[ファイアストーム]の魔法を運命剣を通して打ち込んでみた。
 いつもの[ファイアストーム]の魔法より威力が上がってるし、更に魔法の発動までが早い上にMPの消費が少ない。
 ……と、恐ろしい特殊効果が運命剣にある事が解った。

 何もできずに焼き鳥にされてしまったモンスター達をマジッグバッグ(仮)に次々と放り込んで行った。

「物凄い狩りの仕方ですね。
 近寄って気づかれない距離から魔法を打ち込むとか……
 戦闘ではなく、まさしく狩りと言う方が正しいですね」

「前から言ってますけど、私は冒険者のつもりは無いですよ。
 仕入れと販売の為に狩りはするけど、冒険をするつもりがないので安全第一です」

「あはは、二階堂さんらしいですね。
 けど今日は武器の試し切りというか、性能チェックの為に来たけど。
 初手から物凄いモノが見れた気がしますね……」

「とりあえず、後三箇所ほどスパイクバード集まってるみたいなんで――
 そこを回ってから、ランドドラゴンを探しましょう」

「はい、お任せします」

 三箇所のスパイクバードの群れを討伐した後、山頂でランドドラゴンを探した。
 マップ上では表示がされているので山頂にランドドラゴンがいるのだろう。
 しばらく、ランドドラゴンを探して移動していると、視認できる位置まで移動できた。

「ノルニルさん。
 ドラゴンいたので、この距離から狙ってみます」

「この前みたいに避けられませんか?」

「この前より距離も離れてるし大丈夫だと思うよ」

 かなり距離があるが[ファイアーボルト]の魔法をランドドラゴンに向けて放った。
 ランドドラゴンも魔法の詠唱に気付いて逃げようとしたが……
 既に魔法は放たれており[ファイアーボルト]の魔法が直撃した。

 ランドドラゴンを討伐した。

 えっ?  前回あれだけ苦戦したのに、装備を変えたら[ファイアーボルト]で一撃か……

「もしかして、ドラゴン相手に戦闘に入らず倒しました?」

「そうみたいですね」

「二階堂さん。本当に、その武器は凄いですね……
 個人が扱う武器のレベルを超えてる気もしますよ」

 それから後も色々とモンスターを討伐して、最後にノルニルさんにも出番を作り。
 彼女の戦闘を眺めたりしていた。

 胸が揺れる揺れる……
 いいお尻してるなぁ、などと邪な気持ちが時々出ていた為。
 ノルニルさんの戦闘が終わる頃には、下半身がヤバい状態になってしまった。
 ウゴッ!! まだ薬の効果が残ってたか?
 彼女が戻って来る前に治れ治れと思うが、治るどころか悪化していく……
 次第に自分の意識を保てなくなり、別の人格が産まれたような感覚に陥った。

 あの女を……脱がせたい……俺のモノにしたい……
 いやいや……違う違う。
 違わない……!! 襲え、襲え、襲え……

「グギッ、グギギギ……」と言葉にならない声を俺は発していた。

 自分の意識とは別の意識が身体を強引に動かして、ノルニルに襲いかかる。

「あー、やっぱり。衝動に負けちゃったんですね……
 だって言ってたのになぁ」

 襲いかかる俺を彼女は優しく抱きとめてくれた。

「ここで、二階堂さんに襲われると色々と拙いので、アッチで相手しましょうかね」

 俺はノルニルに抱かれながら、どこか違う場所へ連れていかれた。
 今にもノルニルに襲いかかろうとする俺と、その状況を見ている自分がいた。
 ノルニルさんが【転送魔法】? それに、いつか見たことのある光景なんだが?

 そんなことを考えている最中も、俺は薬の影響で野生の獣と化したような状態になっていた。
 上半身、下半身とノルニルの服を強引に破っていく……

 ……
 …………

「二階堂さん。気分は晴れましたか?
 魔王になるならまだしも、猿畜生と同等の獣になれとは私は言ってませんよ。
 起きて、[ヒーリング]をしてください」

 彼女に言われるがままに[ヒーリング]をやったが効果は薄かった。
「もっと、強くかけて下さい!!」と、乱れた格好のノルニルが強く言った。
 彼女の指示通りに[ヒーリング]の魔法を思いっきりかけた。
 
 魔法の効果で少しだけ意識を取り戻すが温かいぬくもりに瞼が重くなっていく……
 この場所は物凄く明るい場所だが、眩しさ等は関係なしに睡魔に負け目を閉じる。
 
 最後に俺は、ノルニルではなくノルン様がコチラを見ていたのに気付いた。
 そして、そのまま気を失った……
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