異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

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131話.転送の魔道具完成

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 朝だ……
 今日は武器の製造開始から4日目である。
 今日から3日間の間は私が動けなくなる為、4日分以上の仕入れを纏めて行う必要がある日だ。

 私の寝室には一緒に眠っていたエミリーは既にいなかった。
 彼女は早くから起きて私達の料理を作ってくれている。
 服を着替えてから、朝ごはんを食べて。
 ひたすら【異世界取引】を使って仕入れ作業行ったり教会や農場へ行って商品の買い付けを行った。
 その後は、仕入れた品をひたすら倉庫に詰めていく作業を行った。

 まずは、二号店の料理の材料等の地下倉庫への納入が終わった。
 物を持たずとも【アイテムボックス】のスキルで、アイテムを指定の位置に出現させれるので重さを感じる事はないが、いかんせん数が多いので大変な作業だった。

 次は、地下倉庫から三号店へ移動だなと思っていたら……
 2号店と3号店の橋を架ける作業をしている、フローラさんが話しかけてきた。

「社長!! 二号店と三号店を繋ぐ橋が完成しました」

「本当に?  ドワルドから仕事を引き継いで、よく頑張ってくれたね。
 出来栄えを見させてもらうよ」

 フローラからの報告を受け、地下倉庫から出て裏庭の川縁へと移動する――
 川縁には対岸へと道を繋ぐ石橋が完成していた。
 へぇ!! 煉瓦造りの石橋か俗に言う眼鏡橋ってヤツかな。

「良いね、良い出来栄えだ。
 三号店に用事があるので渡らせてもらってもいいかな?」

「どうぞどうぞ!!  その前に社長、次の仕事を指示下さい」

「それなら、治水工事してる班と一緒に一週間程作業をお休みしてから、治水班のお仕事を手伝ってください」

「お休みなんですか?」

「一週間使って、リフレッシュして下さいね」

「わかりました。
 各班に伝えておきますね」

「よろしく頼むよ!!」

「はい」と言って、フローラは治水班の現場へ向かっていった。

 しかし、橋ができちゃったか……
 新しくできた橋を渡り三号店へと向かった。

 作るのは大変で――沢山の人数と月日がかかっても渡るのは一瞬なんだよな。
 ココの橋を通っても、短縮できるのはせいぜい片道2~3分程度だろう。
 正直、趣味だろうと言われても文句は言えないが、毎日往復する事を考えれば大変な労力になる。

 本当にありがたい物が完成したと思う。

 次に作るのを、決めるのが先か?
 今作ってる、四号店のオープン急ぐのが先かな?
 その前に転送の魔道具だろうなぁ。

 三号店の倉庫に着いて、納入作業しながらそんな事ばかり考えていた。
 屋上倉庫、石鹸の製造スペース、スイーツの製作スペース等に納品を終え、全ての倉庫に4日分の商品の納入を完了した。

 これで、4日間は納入作業がない事だけは確かだ。
 3号店を離れる前に、スイーツの製作スタッフ(正確にはミルクとアイス販売)の二人に、先日の件を前向きに検討してもらえるかもと言う旨を伝えておいた。

 その報告を聞き、2名の熱気が激化したのは言うまでもない。
 お互いにココで決着を!! ……と、まるで最終決戦みたいな感じになっている。
 まぁ、本番に何が出るか楽しみなので放っておくとしよう。
 二人とも基本的な仕事はこなしてるしな……

 一度自宅へ帰り、昼食をとってから。
 町の研究施設にいるジッパーさんに、無事に国王陛下に透視眼鏡を献上できた旨を伝えた。
 モノが高額なので、ジッパーさんもホッとした表情をみせていた。

 とりあえず、ジッパーさんに報告を終えて【転送魔法】で城下街へと移動した。
 
 城下街で最初に向かうのは魔道具屋だ。
 依頼はシースルーの魔石以外は片付けたので、転送の魔道具の材料は二セット分は揃っただろう。
 そして、胡散臭い雰囲気のある魔道具屋へ到着した。

「いらっしゃい、良い所に来たね。
 この短期間で、全て依頼をこなしてくれた人がいたみたいでな。
 材料が揃ったので、依頼品がワンセットは完成したよ。
 君は、【マップ】というモノがわかるかい?」

「私は、【転送魔法】が使えるから解るよ」

「それでは、【マップ】を見てZ軸の概念は解るかい?」

「高さ(高低差)ですよね」

「それがわかってるなら話は早い。
 XとYの座標のみだと、場合によっては混線が起きる。
 それを防ぐ為のZ軸だと把握してくれればいい」

 続けて、魔道具の使い方の説明を受けた。

「両方の魔道具に移動先と現在地を同じ数値指定してから。
 7桁の登録番号で好きな数字を作って、両方の魔道具ともに同じ同じ登録番号をつければ登録完了だ。
 使う魔石は低級のゴミ魔石だと転送距離が伸ばせないので、中級魔石を大量に入れておけばいいよ」

「使い方はわかったよ。
 前金で二セット分2万ずつ払ってたから残り16万ゴールド払っておくよ。」

 16万ゴールドを魔道具屋に支払った。

「!?」 と、大金をポンと支払った事に魔道具屋が言葉を失っていた。

「あぁ、こんな大金をよく出せるなと思ったかい?
 おたくのギルド依頼を引き受けたのが全て、私なんだよ。
 なので、半分くらいはペイ出来てるのさ」と、金払いの良さをネタバラシした。

「そういえば、おたくのお店もシースルーの魔石の依頼してたけど……
 何を作る気なんだい?」

「それは教えれないね」

「そうか、おたくの10倍の価値をつける依頼があったんで――
 シースルーの魔石はそっちに流したから関係ない話なんだけどね」

「な、なんだと?
 出現条件がイマイチわかってない、ボスモンスターを倒したというのか?」

「そうですね……。おそらくの出現条件も解ってますよ。
 流石に依頼料が安かったので、ソコに流す奴はアホだとギルドからストップかけられたんですよね」

「ぐぬぬ、情報を教える。
 もし試してうまくいったのなら、その可否を教えて欲しい。
 ある種のギャンブルに払える額があの額だったんだ」

「上手くモンスターに出くわしたら、うちの町の研究所で試して見ますよ。
 それで、どんな情報なんです?」

「シースルーの魔石を砕き水に溶かして、熱を加えて溶けた金属のようになるまで熱を入れる。
 次に両面の鏡を用意すると、シースルーの魔石を塗った面からだけ鏡が覗き込めるらしいんだ」

 へぇ、マジックミラーみたいな感じか……

「需要としては、性産業、監視等の関連に需要が出そうですね。
 もし上手くいけば魔石の代金の2割くらいを謝礼に払いますよ」

「わかった!! 結果の是非を楽しみにしてるよ。
 それと、コレが転送の魔道具だ」

 魔道具屋から転送の魔道具を受け取り、マジックバッグ(仮)の中に入れた。

「材料は揃ったので、3~4日程あれば二つ目の魔道具も完成するので取りに来てくれ」

「あぁ、わかった。
 4日後にまた来るよ」と言って、私は魔道具屋を離れた。

 転送の魔道具を手に入れたが、建築スタッフは一週間休みを入れてるから、使えるようになるのはそれ以降だろうな。

 そのあと、ドワルドがいる鍛冶屋へ向かい翌日の説明を受けた。
 魔鉄に魔力を込めるのは1日3回目、朝と昼と夜だ。
 朝の魔力注入は、急いでも大丈夫だが昼と夜の魔力注入はゆっくりやる必要があるらしく、
 昼の部夜の部ともに3~4時間はかかるらしい。

 魔力の自然回復が勝負なので、[栄養ドリンク]位は飲んどけとドワルドに言われた。
 ドワルドに注意はされていないが――今日から4日間はリリスの夢の中で食事を与えるのは、よしておいたほうがいいだろう。

 お屋敷に帰ったあと、リリスに今日から四日間夢の中での食事を禁止と、直接の食事一回と制限をかけたらすごく嫌がったが、彼女を宥めて落ち着かせた。
 よし、明日から新しい武器作りの始まりだ!!
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