異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

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126話.スケスケ眼鏡は護身用。(エロ用ではありません)

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 目が覚めた……
 朝イチの清々しさはなく、身体のだるさがヤバい。

 体力のステータスが異常に高いといえど、これじゃ身体を壊すのを容易に想像ができた。
 私は、起きた直後に、【異世界取引】のスキルを使用した。
 今回、取引したアイテムは何度か使った事のある[栄養ドリンク]だ。
 今まで使っていた安めのモノではなく高めの[栄養ドリンク]を選んだ。
 [栄養ドリンク]は、安いモノは飲みやすいが、金額が高いモノはほぼ薬みたいな味に近づいていく。

 ドリンクを手に持ち覚悟を決めて一気に飲みきった。
 うぅ……不味い。

 コレを毎日飲むのかと考えると少しゲンナリする……
 体調は良くなってくるかもしれないが、これじゃ朝から気分が優れない。
 私の気分が落ち込んでいた所に、アリアが起きてきた。

 彼女は少し乱れていた衣服を整えてから――

「おはようございます。ご主人様お気分が優れないのですか?」

「いや、大丈夫だよ」

「そうですか……それならいいのですけど」と言って、アリアは私の寝室から出て行った。

 女性がいると、私も着替えにくいからな。
 服を着替えて、いつものように皆と朝食をとった。

「ハジメさん。
 今日は体調が優れないんでは? 顔色が悪いですよ」
 ……と言って、エミリーが私の気だるさを見抜いているようだった。

「いや、大丈夫だよ。
 朝起きたばかりだから、頭が動いてないのかな?」

「そうですか……
 無理しないでくださいね」

「あぁ、わかった。気をつけるよ」

「キャリーとアリアは、仕事を始める前に私と話し合いましましょう」
 ……と言って、エミリーは二人と話をするみたいだ。

 こういう時は、だいたいエミリーのお説教のパターンだ。
 もしかして、私は無理をしなくて良くなるパターンかもしれない?
 事の行く末は彼女達に任せるとしよう……

 食事を終えて、席を立った。

「仕事前に町長の仕事をしてくるね」

「いってらっしゃいー」と、皆で私を送り出してくれた。

 今日は仕事を始める前に、ドクタージッパー氏と会う必要がある。
 少し早いが、町長の職場の一角にある研究室へと向かった。

「おう、町長。
 研究に関しては基本的に私に投げっぱなしだが、今日は何かいい話か?」

「ギルドにさ、シースルーの魔石を物凄い価格で依頼かけてない?」

「あぁ、かなり前からかけてるぞ!! それこそ町長戦の前くらいかな」

「えっ? それじゃ、あの大金は出せる見込みがあるって話なのかい?」

「余裕で出せるぞ!! しかも取引相手は教皇様だしな」

 全く、想像外の所に繋がりがあるものだ。

「それで、魔石の用途って?」

「あぁ、見た衣服が透けて見える魔法のメガネさ……」

「ブッ!! なんだよ……そのエロ専用アイテム。
 ソレを教皇様が欲してるって?」

「あぁ、町長なんか勘違いしてるな。
 あくまでも、あのメガネは護衛に着けさせる護身用のアイテムだぞ。
 たしかに用途を歪めれば、そう使えるだろうがキチンと使えれば役に立つハズだ」

 彼の正論に――私の心が、薄汚れているのを実感した。

「ジッパーさんにしては、物凄く実用性のあるアイテムじゃないか!!
 何故、実用化できないんだい?」

「出るかわからない、ボスモンスターの魔石だ。
 魔石の価値ばかり上がって手に入れられなくて依頼費ばかりが上昇したんだよ」

「なぜ、シースルーの魔石にその効果があるって解ったんだい?」

「一つは教会が持っていたモノをスミス神父経由で譲り受けて、ソレを研究して作った事があるんだよ。
 だが、今回のモノは教会側から国王陛下への献上品として私に依頼されてるんだよ。
 だから、値段が高くても手に入れたい魔石という訳だ。
 けど、なんで社長がその事を知ってるんだ?」

「シースルーの魔石を私が手に入れたんだよ」

「え!? ボスモンスターだろアレ?」

「色々あった結果、シースルーを倒したよ」

「それで私に、その魔石を譲ってくれるのかい?」

「それは、お互いに拙いよ。
 お互いにギルドへの不信感を買ってしまうし。
 裏で取引してギルドが利益を食いっぱぐれた挙句、それがバレたらギルドの利用停止の可能性もあるだろうね」

「たしかに、依頼を急に取り下げると、そう考えられるよなぁ」

「もし、できたとしても……
 魔石の売り上げ代金から一部をそちらに返金する形かな」

「いやいや、それでも十分だよ。
 町長が手に入れてくれた事が何より嬉しいよ」

「そしたら、その依頼完了は今日中に引き受けて、現物をココに持ってくるとするよ。
 そこでまた稼げそうな気がするぞ!! 
 こんな大金のかかったアイテムだし護送するのも大変だろうしな」

「あはははは、町長は金のための日夜研究をしてるって感じだな」

「商人だからな、当然だろう。
 そしたら、後で現物を持ってくるよ。
 作業中に護衛が必要ならギルドから雇いなよ」

「いや、それさえも危険なんだよ。額が額だからな……
 物さえ手に入れば2時間あれば依頼品を作る事が出来るから町長が護衛してくれないか?」

「二時間だな? 解ったその依頼を受けよう」

「お金は?」

「いらないよ、従業員から金をとる町長がドコにいる。
 それじゃ、[フォースの城下街]のギルドに行ってくるよ」

 今日は、在庫の入荷はお休みかな……
 商品などの在庫は、2日分くらいはいつも大目に仕入れてるからなんとかなるだろ。

【転送魔法】で、城下街のお屋敷前に移動した。
 まだ朝方なので、ノルニルさんは門の前には待っていない。
 ギルドへ移動し、ギルドの買い取り倉庫へ直接移動した。
 ライガスが、買取倉庫にいたので話しかけた。

「ライガスさん。
 先日のシースルーの魔石のドクタージッパー氏の依頼に流しますよ!!」

「お前らーー!!
 今日はボーナス確定だぞ!! ギルド長を呼んでこーい!!」

 ボーナスという言葉を聞きギルド員が全速力でギルド長を呼びに行った。
 そのノリに釣られて、ギルド長も走ってこの場に現れた。

「ルーカスさん、早かったですね」

「いやいや、足早になるのも当然だろう。
 今年一番の大商いになるんだぞ。
 本当に依頼に流してくれるんだよな?」

「ハイ、ギルドとの信頼も大事にしたいですからね。
 それで、提案なんですけど。
 あまりにも大金すぎるんで、すぐにお金が動かないのはルーカスさんも解りますよね?」

「それは、額が額だからな仕方ないよな」

「なので、現金ではなく、売掛の形でドクタージッパー氏に売掛けられてはいかがでしょう?」

「こんな大金の売掛なんて、一個人に対しては難しいよ」

「全責任を私が持つといってもですか?」

「それなら、問題はないな。
 支払い先が解ってるんだしな」

「それで、これがもう一つ大事な案件なんですけど……
 こんな大金のかかったアイテム護送する時が大変じゃないですか?
 いくら、ギルドに【転送魔法】の使い手がいたとしても、内部に裏切りがあれば詰みますよね」

「かといって、内部の人間を信用しない訳にはいかないだろう」

 指をチッチッチッという感じに振って、自分を指差した。

「ここに適任の運び屋がいるでしょ?」

「いくらで引き受けてくれる?」

「それはそちらにお任せしますよ。
 ただ私達は、ギルドへの義理は果たしたつもりですよ」

「それはつまり、ギルド側も義理を果たせって事だな。
 わかった!! 今回の収益のギルド側利益の1割を護送費として依頼するよ」

「まいどあり!! それじゃ現物をココに出しますよ」

 シースルーの魔石をテーブルに置いた。
 ギルド側と、私の取引完了のサインを書いた。

「この商品、配送の為にお預かりしますね」

「あぁ、頼んだよ!! ハジメ君」

 あとは、マジックバッグ(仮)が受け入れてくれるかどうかだが?
 魔石は問題なく入った。自分の所有物でなくても相手の了承を得ていれば問題ないんだな。
 また、【アイテムボックス】の謎が一つ解った気がする。

「お任せください……」

「あまり室内で【転送魔法】は使わないけど、今日は仕方ないですよね。
 行ってきます」

【転送魔法】で、[セカンタの町]の町長の建物の前に到着した。
 そして、ジッパー氏のいる研究室へと移動した。

「お待たせしました。
 ギルド依頼完了しましたよ」と言って、魔石をジッパー氏へ手渡した。

「おおぅ、これだよ。
 アイテムを作ってしまうから、しばらく待っててくれよ」

 ……
 …………

 予定の2時間経過が経過した。

「出来たぞ!! 命名:スケスケ眼鏡君二号だ」

「ジッパーさん。ネーミングセンスがヤバいですね」

「社長。試しに掛けて、色々回ってきなよ」

「……と言われても、私が見たいのは嫁だけで十分だしなぁ。
 しかし、試してはみたいので嫁で試してくるよ」

 私は、ハレンチなメガネを手に入れた。
 自宅の二階に行くまで付けるのは我慢しよう。

 急いで、自宅へと帰宅し自宅の二階に到着した。
 そして、けしからんメガネを装着した。
  
 エミリーがお昼ご飯の準備をしている。
 彼女の後ろ姿が透けて見える。
 いいねぇ……最高だねぇ。

 アリアがベッドメイキングをしていて、上半身をこちらに向けるようにして作業をしている。
 しっかりと透けて、2つの双丘が見える更にその山頂もはっきりと見えている。

「お兄ちゃん、ソレ何?」と、シェリーがこっちに気づいて近づいてきた。

 彼女に向けて視線を下ろすと、色々とアウトな感じだった。

「いや、これは」

「あっ、ハジメさん。元気出たみたいですね……
 あれっ、ハジメさん眼鏡かけてましたっけ?」

 エミリーが、正面を向いて話しかけてきてた。
 あ、あかん……。今頃になって[栄養ドリンク]が効いてきた。

「ちょっと気分でね、かけてみたんだ」

「へんな、お兄ちゃん」

「それで、お兄さん。
 なんで眼鏡かけてるんですか?」と言って、キャリーが私がかけていた眼鏡を奪い、その眼鏡を彼女が掛けた。

「え!? お兄さんの下半身すごい事になってますよ!!って、なんで透けて見えてるんですか!?」

「「「えー!!」」」 という声をあげ、被害者三人がびっくりしていた。

「エミリー。アンタ、また胸が成長したみたいだね。
 お兄さんに揉まれた成果かな」 

 エミリーは胸を両手で隠していた。

「ごめん、説明するから返してください。
 壊れたらマジで破産するかも」

「えっ!? そんなヤバいものなんですか?」

「国王様への献上品だよ。テストで使用してたんだ」

「お兄さんのエッチ」

「いやいや、テストなら君達でと思って、急いでココに来たかな」

「そう言っても、お兄さん。
 私達の身体見慣れてるじゃないですか」

「ほら、それはそれコレはコレでしょ」

「あのぉ、ハジメさん。私も使ってみてもいいですか?」

「エミリーは意外とエロいんですよ。
 お兄さん、覚えといてくださいね!!」

「ちょっと、なんて事を言うの!!」

 キャリーの持っているメガネをエミリーに渡して、次にシェリー最後にアリアに試させて実験は成功した。

「こんなモノを欲しがるなんて、国王様も男なんですねぇ……」と、キャリーが言った。

「おいおい、それ不敬罪で捕まるから気をつけようね。
 あくまでも、コレは護衛用のアイテムだよ。体の内側に武器を隠してないか調べるためのモノさ」

「へぇー!!」と、みんな感心していた。

「実験はバッチリだったんで、再び出かけるね」

「はい、いってらっしゃい」

 皆に、送り出されて自宅を出たのだった。
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