異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

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74話.狩り再開!!

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 3号店の従業員の補充が完了したので――
 エミリーとシェリーには二号店の手伝いを主にしてもらう事になった。
 3号店の店長業務を行うキャリーがお休み際に、代理の店長としてエミリーが三号店で勤務する。
 シェリーは、その補佐(お手伝い)である。

 私の仕事は、朝方に2号店と3号店の商品補充を行い、補充が終わればいつも通りに各方面への代金の支払いや、クズ魔石の購入、取引先への商品の販売、商品の入荷、経理(PCによる帳簿付け程度)等を受け持った。
 社長としての仕事はない訳ではないが、現場に出なくて済むので仕事量は激減する。

 つまり、私が売り場に立たずとも店舗運営が可能になった。
 その結果、本日から狩り再開して目標レベルを目指す事になる。
 出かける前に、エミリーに食事を用意してもらって、それを食べ終えて狩場に行くことにした。

「今日から狩りを再開するから……
 エミリー達は、2号店と3号店の様子を見回って下さい」

「はい(はーい)」

「それじゃ、行ってくるね!!」

 デスワーム以来の戦闘だ……大丈夫かな?
 ……と、一抹の不安を抱えていたが、結果から言えば何の問題も無かった。

 今回の狩りで解ったことは――[ビッグボイス]のスキルが予想外に扱えるスキルだった。

[ビックボイス]気合いを入れる時に、声出せば自動発動でステータスの微増。
 スキルで脅し入れて、氷の大陸のアイスウルフの集団を萎縮させて隊列を乱したりと割と使えた。
 このスキルに殺意を持って声を発すれば、弱いモンスターは逃げ出すだろう。

 いつも通りに氷の大陸で狩りを終えて、[サドタの街]のギルドへ移動した。
 そして、いつものようにギルドの買取倉庫へ移動した。

「レクターさん。久しぶりに狩りにきましたよ~。
 買取をお願いします。今日はすいません、前狩ってたぶんの砂漠のモンスター分も買い取ってください」

「鮮度は大丈夫なのか?」

「それはソチラで判断してくれて構わないですよ」

 ……と言って、氷の大陸の分と砂漠の討伐分(異常な量)を買取倉庫に置いた。
 買取倉庫内がザワついていた。

「おい、まとめて持ってくるなと言ったじゃないか!!」
 ……と言って、ギルド長のレクターがものすごい剣幕で注意を入れてきた。

「聞いた覚えがありませんねぇ……」

「ぐぬぬ」

「正直な話、デスワームや氷の大陸の依頼なんかで、砂漠のモンスター討伐分を渡せなかったのが原因です。
 それが積もったのが原因ですよ」

「暇な時に来てくれれば良いじゃないか!!」

「えっ? 冗談を言うのやめてくださいよ。
 こっちも色々と忙しいんですから」

「ぐぬぬぬ!!」

「今日は諦めてくださいね、引き延ばしになるだけですよ……
 あっ!! それと、アイスタートルを3匹ほど、捌いた肉の状態で下さい」

 ……
 ………

 私はアイスタートルが捌かれるのを、しばらく待って様子を見ていた。
 派手な格好の貴族風の青年が倒された3匹のドラゴンを見て驚いていた。

「氷の大陸のドラゴンを倒す奴がこの街にいるのか? 会ってみたいな」

 ……と言って、貴族風の青年は買取倉庫を去った。

「にーちゃん、待たせたな!! 
 アイスタートルを捌き終わったぞ、デザートブルは捌いてから冷蔵庫にまとめとくから後日でいいか?」

 私は渡されたアイスタートルの肉をマジックバッグ(仮)に入れた。

「あぁ、それでいいよ」

 レクターから買取の分の代金をそのまま手渡しで貰った。

「コレが今回の買取料だ。
 少し色つけさせて貰ったぞ!!」

「ドーモ、そりゃ有難い。
 ちなみにだが、今から砂漠に行ってこようと思ってる」

「まだこの時間だと暑すぎるだろ?  あと、デスワームがいても討伐して持ってこないでくれよ。
 扱ったことのない商材だから、売るのに困ってる最中なんだよ」

「前回倒したばかりだし、何匹もはいないでしょ?」
 ……と言って、ギルドを後にして砂漠へ向かった。

 あぁ、本当にまだ陽が出ていて凄く暑そうだ……
 周りの景色を見ていたら色々と拙い感じの光景が広がっている。
 前回、昼間に狩りに来たがデスワーム倒して終わりだったので、今回は少し様子を見てみることにした。

 この時間帯は鎧サソリとサンドワームが割と多めに出現するんだな……
 デザードブルはいるにはいるけど、この時間帯のデザードブルは無駄な突撃を仕掛けてこない。
 ちなみにキングコブラは見かけなかった。

 ……って、ところだろうか。ラッキーインセクトは数が増えていた。
 現在6匹目か……後5ヶ月で倒さなきゃな。

【マップ】を確認すると――例のアレがまたいやがった!!
 ああ、コイツもアイスドラゴンと同じで、その日の制限あるタイプか?

 この前の戦闘で、デスワームの倒し方は理解している。
 レベルも上がっているし、新しいスキルも覚えた。
 新しく覚えた[ロックスパイク]の魔法次第では、前回より戦いやすいハズだ。

 戦闘に入る前に、適当に[ロックスパイク]の魔法を放った。
 ふむ、俺の身長くらいの石の槍が地面から出て来ている。
 これじゃダメだな!! デスワームの足止めにもならない。

次に、太く、長くとイメージを込めて魔力を通常より多く、[ロックスパイク]の魔法に送り込む。

太く長い岩の槍? いや 牙みたいな形の岩が砂漠にそびえたっていた。

おっ!! ご立派ぁ!!

[ロックスパイク]の魔法で狙い通りのサイズと長さの岩の槍を作り上げることができた。
 これなら、岩の強度も向上させれるな……
 レベル上げは、どうせやる必要があるんだ!!

 デスワームを討伐するぞ!!

[ブレッシング]と[スピードアップ]の魔法を使い、次に火属性を剣に付与した。
 最後に、デスワームのいる方向に向けて大声を上げて威嚇した!!

「うおぉぉぉ~~~~!!!」

[ビッグボイス]の効果で気合い上昇した。

 こちらの威嚇に気づき、デスワームのみがコチラに向かって来た。
 他のモンスターは俺の周りから逃げ去った。
 俺もデスワームに近づいて、相手が見え始めた。
 こちらに気づき、デスワームが寄ってくるのが確認できた。

 デカいが脆い[アースウォール]を張り、その後ろに[ロックスパイク]をサイズ、強度共に強化して待ち構える!!

 モンスターは案の定、突っ込んで来た……
 ボスモンスターといえど賢くはないみたいだ。

 前回同様、大きな石の槍にデスワームが、前回より鋭く深く複数箇所に突き刺さり砂漠がモンスターの血にまみれた。

 勝負を決めるのは、今だ!!

[エクスプロージョン]の魔法を使い、デスワームを狙い放った。
 爆風が砂塵を巻き上げ、デスワームに直撃する。

 完全に対策を行われたデスワームは何事もなく討伐された。
 レベルは36→から37へと上がった。

 武器の付与は、いらなかったかな?
 いや、最善を尽くそう……俺は冒険はするべきじゃない。
 俺は商人だ。やれるのは狩りの範囲までだ。

 俺の計算の範囲外は、冒険者や勇者に連中にやらせればいい……
 俺が無理をすれば嫁達を悲しませる。
 いや、社員全員も悲しませる。……と考えた後に、討伐したデスワームを【アイテムボックス】に収納した。

 そのあとは陽が沈むのを待ち、いつもどおりに砂漠での狩りをおこなった。
 当然のごとく、赤い芋虫ラッキーインセクトを狩ることはできなかった。
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