異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

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16話.お買い物デート1

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 何故?  このような状況になっているのかというと、昨夜に彼女と約束をしていたからだ。
 エミリーとシェリーを教会へ連れて行き、スミス神父に感謝を小一時間程、述べられた後――ゴブリンの住処の件で、個人的に思うことがあり教会で懺悔ざんげをしていた時である。
 エミリーが、懺悔をしている私の元へやってきた。

「ハジメさん。
 今回の件で、私にお礼をさせてください!!」と、彼女は突拍子も無い事を言い始めたのである。

 えっ!?  急に何を言ってるのかな、エミリーさん?

「えーっと?  どういう事かな?」

「あ、ギルドの依頼じゃないから。
 ハジメさんに報酬が出ないと思うので、代わりに私がお礼をしたいなと思って」

「そうなんだ、お礼かぁ。
 それじゃ、明日は朝方は用事が詰まってるから、昼からね」

「わかりました。
 昼頃に伺いますね」……って、出来事があった。

 エミリーはお礼って言ってるけど、これはデートのお誘いじゃ?

 ちなみに三つ程、【異世界取引】の枠を無駄に潰して、今回の出来事デートに挑んでいる。
([栄養ドリンク]、[香水]、[お察しください]の三つを異世界取引した)

 そして、そんな流れで現在に至る。

「こんにちは、エミリーさん。
 今日は私服なのかい」

「こんにちは、ハジメさん。
 スミス神父にコレを着ていけと言われまして」と、彼女が言った時に彼女の全体を見た。

「うん、よく似合ってるよ」と、褒めるとエミリーが少し顔を赤くしていた。

 白のワンピースか、エミリーのイメージにもあってるし。
 所謂いわゆる、[魔法使い]を殺せる最終兵器です。
 おのれ、スミス神父め――いい趣味をしている。

「それで、エミリーさん。
 お礼って言ってたけど何をしてくれるんだい?」

「それは……」と言って、エミリーは赤くなってる。

 もしかして、【異世界取引】で急遽取り寄せたアイテムが無駄にならないかも。

「それじゃ、エミリーさん。
 俺の買い物に付き合ってくれない? 灯りをつける魔道具と、冷蔵室を作る魔道具が欲しくてさ」

「あっ、はい!!
 わかりました」と、元気よくエミリーは、答えてくれた。

「あ、その前に何処かご飯食べに行かない?  代金は俺が出すから。
 それと、エミリーさんは行きたいお店とかないの?」

「あっ、それなら 。ハジメさんのお店で働く子供達の服を見たいです。
 食堂、魔道具店、服屋の順に回っていいですか?」

「それで良いよ」

 他愛もない雑談をしながら徒歩で食堂へ向かう。
 腕を組んだりはしてはいないが、そこそこ近い距離感である。

 しばらく歩いていると食堂についた。
 食堂へ入り奥の方のテーブルが空いていたので、奥のテーブルを使うことにした。

 メニュー表をエミリーに渡し、「好きなの選んで良いよ」と言って、自分もメニューを見ていた。

 この世界での、食事を選んだ事がほぼなかった。
 前の村では食堂のオススメのみだし、この町に来てからは食事はハンバーガーとコーラで済ませてたし。

 よし、エミリーと同じモノを頼もう。

 エミリーが頼んだのは、お店の日替わりランチだった。
「それじゃ、それと同じのを俺も選ぶよ」

 店員さんが来て、注文した。

「あのぉ? 
 お礼なのに、ご馳走していただいて良いんですか?」と、エミリーが聞いてきた。

「一人で食事するのも何かと寂しくてね。
 エミリーさんと、食事出来るのは俺としては嬉しいよ」

「そうなんですか?」と、エミリーが聞き返してきた。

「そんなもんです……」

 繋がりが欲しくて売◯スレ連中とレス付けて遊んでたこと考えると、一つ年下の可愛い女性と食事出来るってのはご褒美以外の何者でもない。
 ……と、そんな事を考えていたら、料理を店員さんが運んできた。
 店員により、テーブルに注文した食事が並べられた。

 それじゃ、いただこうか。
 エミリーが、食事への感謝を神に捧げていたので。

 俺もそれにつられて、「いただきます」と言って、手を合わせてから食事を始めた。

「ハジメさん。
 先程の、いただきますって何ですか?」と、エミリーが聞いてきた。

「んー。 俺が住んでた国の食事の前の挨拶みたいなものだよ。
 私達は生きてる命を頂いて、日々を生きていける。
 だから、それを頂くからいただきますってね」

(多くのいのちと、みなさまのおかげにより、
 このごちそうをめぐまれました。深くご恩を喜び、ありがたくいただきます  が、本来の用途)

「そうなんですね……
 命を頂いて生きている、考えさせられる部分がありますね」

「まぁ、細かいことは良いから、食事を再開しましょう」と俺は言って、二人は食事を再開した。

 食事が終わり、「ご馳走さまでした」と、いつもの習慣でやってしまった。

「ハジメさんは、本当になんですね」と、エミリーが言ってきた。

「転生者というよりは、女神様に出荷されたという方が近い気もするけどね……」

「やっぱり、ハジメさんは勇者様なんじゃ?」

「期待してもらって申し訳ないけど、違うと思うよ。
 この間、説明したけど特例みたいなもので、【魔法使い】のギフト無くなったら、勇者みたいな事はできなくなるしね」と言ったら、エミリーが言ったら赤くなってる。

 あっ、さらりと彼女にセクハラしてしまった。

「あっ、ゴメン」

「いえ、いいんです」と言って、彼女に許してもらえた。

 そして、食堂を離れて次は魔道具屋へ向かう事になった。

 魔道具屋は独特のの雰囲気を放っているお店で、黒を基調とした建物で不気味な雰囲気が漂っている。
 しかも、屋根にカラスが集まってるし――呪われてんじゃねーのこの店。

「なんか、このお店は不気味な感じするね」

「そうですか?  魔道具屋さんは、どこもこんな感じだと思いますよ」

「エミリーさんは、この世界の人なんだねって実感したよ」

「あぁ、食堂での事のお返しですね」

 話をしながら魔道具屋へ入った。

「不気味なお店へ――
 いらっしゃい」と、店員さんが話しかけてきた。

「えっ、聞いてました?」

「カラス達の目と、耳が教えてくれるのさ。
 今日は何のようだいお二人さん?  二人とも夜が眠れなくなるような薬を所望かい?」

「いえ、そういうのは必要ないです。」

 意味が、わからずエミリーは首を傾げてる。

「今日は部屋に灯りをつける魔道具と、物を冷蔵する魔道具を買いに来ました」

「灯りの魔道具は解るが、冷蔵する魔道具の情報は何処から聞いたんだい?」

「ファービレジの宿屋の奥さんから聞きました。
 取引相手なんで……」

「あぁ、あそこかい。
 現物を見てるなら、出来ないと誤魔化しても無駄っぽいねぇ」

「灯りの魔道具はすぐにでも用意できるが、冷蔵する魔道具の作成には時間がかかるよ」

「どれくらいかかりますか?」

「軽く見て半年はかかるねぇ」

「それで大丈夫です。
 冷却効率上げるために地下室を庭に作りますんで」

 一階に、八ヶ所二階の住居に八ヶ所灯りをつけるので。

「灯りの魔道具を16個と、冷蔵の魔道具をお願いしたい」

「そうかい、それじゃ5000ゴールドだね」

「金額の内訳は?」

「灯りの魔道具16本が、1000ゴールド 残りが冷蔵の魔道具さ」

「それなら、灯りの魔道具代1000ゴールドと2000ゴールドを前金として3000ゴールドを先に支払います。
 残りの2000ゴールドは冷蔵の魔道具を納品されたら払います」

「むしろ、3000ゴールドを即金でアンタが支払えるのかい?」と、店主が皮肉を言ってきた。

「あいにく、私は商人でね。
 それくらいのお金は簡単に動かせますよ」と、即金で3000ゴールドを店員に渡した。

 灯りの魔道具16本を受け取り、冷蔵の魔道具についての契約書を作成した。
 取引の一部始終をみて、店員と一緒になって、エミリーまでも言葉を失っていた。

 ここで、値切ったりするとケチったりすると相手に足元を見られる。
「残りのお金も用意は既に出来てますんで、半年での納期忘れないようにして下さいね」

 ……と、自分のバックに何者かがかいるのかもと匂わせておけば下手な手はうてないだろう。
 そして、灯りの魔道具を【アイテムボックス】に入れて、魔道具屋をあとにした。
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