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第四章 中編 森の異変と修行の続きと【ヒルフェ】
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「今回、我々は異様な魔物の調査に来たと言っただろう。…その醜気が関わっているのではと、実は睨んでいたんだ。…ただ、我々も文献でしか見たことなかったから、半信半疑だったがね。…なにぶん古い話で随分と薄らいでしまっているから、王族や統括管理者の中にも信じてない者もいるくらいだからな。」
そうして説明は締め括られる。
俺達は何も言えずに佇んでいる。あまりにも突拍子もない事に、頭で理解が追い付いていない。
その間に大人達だけで、さらに話を進めて行く。
「しかし、陛下。…リキッド殿のお孫さんの話や、こいつら蛇神結社の事といい、これは文献の内容が、真実なのは間違いないのでは?」
「あぁ、…ほぼ確証を持ってもいいだろう。…それに荒熊(ラーギング・ベア)や猫亜人族も、こいつらの仕業なら何か意図がある筈だし、少なからず関係がありそうだ。…」
「いったい、ダンジョンで何を?」
「猫亜人族を襲った理由とかは、城で尋問して吐いてもらおう。…ただ魔獣の方はなんとなく検討はつくさ。」
「と、言いますと?」
「荒熊(ラーギング・ベア)は、此処等にはいない北の魔獣だ。…しかもBランク以上やCランクの一握りの実力者が、ようやく倒せるんだ。…わざわざ苦労して七匹も此処に連れて来たと言うなら、…考えられる一番嫌な事は魔獣達に醜気を与える為じゃないかなぁ。」と、アスターは業とらしく、横目で視線を送る。
すると怪しい人物は、肩を微かに動かす反応を見せた。
その様子に、リキッドとアスターは険しい表情で納得したように頷いている。
そうして説明は締め括られる。
俺達は何も言えずに佇んでいる。あまりにも突拍子もない事に、頭で理解が追い付いていない。
その間に大人達だけで、さらに話を進めて行く。
「しかし、陛下。…リキッド殿のお孫さんの話や、こいつら蛇神結社の事といい、これは文献の内容が、真実なのは間違いないのでは?」
「あぁ、…ほぼ確証を持ってもいいだろう。…それに荒熊(ラーギング・ベア)や猫亜人族も、こいつらの仕業なら何か意図がある筈だし、少なからず関係がありそうだ。…」
「いったい、ダンジョンで何を?」
「猫亜人族を襲った理由とかは、城で尋問して吐いてもらおう。…ただ魔獣の方はなんとなく検討はつくさ。」
「と、言いますと?」
「荒熊(ラーギング・ベア)は、此処等にはいない北の魔獣だ。…しかもBランク以上やCランクの一握りの実力者が、ようやく倒せるんだ。…わざわざ苦労して七匹も此処に連れて来たと言うなら、…考えられる一番嫌な事は魔獣達に醜気を与える為じゃないかなぁ。」と、アスターは業とらしく、横目で視線を送る。
すると怪しい人物は、肩を微かに動かす反応を見せた。
その様子に、リキッドとアスターは険しい表情で納得したように頷いている。
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