423 / 479
3話 4章 前編 山の調査と修行と【ヒルフェ】
23
しおりを挟む
そんなやり取りが、暫く続いている。
次第にミーツの声が大きくなり、辺りに響きだした。
あちこちの木々からは、何匹もの鳥達が慌てて飛んでいく光景があった。
「何やってんだ。…あいつは、」
俺は呆れて、ぼやいている。
しかし、その時に変な違和感も感じた。周りの騒がしさが、異常な程の大きさだった。
兵士達も気がつきだし、警戒体制を取りだした。
「おい、あれは何だ?」
ふと兵士の内の一人が呟き、真っ直ぐ森の方へ指を差すのが見えた。全員が振り向き、視線が集中する。
すると、その先に異様な光景があった。複数の大きな影が、森の奥から木々の間を縫う様に、ゆっくりと移動して此方の方にやって来る。やがて姿がハッキリと見えた。
あれは熊の魔物だ。と俺は思った。
そいつらは、パッと数えて七匹はいる。全身が赤茶色の毛に覆われており、程の身の丈は見上げる程に大きく、四本の腕を広げ、二足歩行で進んでくる。血走らせた鋭い両目で辺りを見回しており、此方に気がつくと全匹が揃って雄叫びを上げてきた。
「荒熊(ラーギング・ベアード)!!…」
「えぇ!!?…」
と、ヒナやキリエに動揺が走る。
「グオォォ!!!」「ガァララ!!」
その次の瞬間には、魔獣達が一斉に突撃してきた。
「まずい、魔獣達が此方に来るぞ!?」
「彼等の近くに来させるな!!…絶対に守れ!…」
対して兵士達も、やや遅ればせながら臨戦態勢を取り、武器を構えて迎え打ちにかかる。
俺も無言で戦いの構えを取りながら、ヒナとキリエの前に立ちながら、向かってくる敵を睨み付けていた。
次第にミーツの声が大きくなり、辺りに響きだした。
あちこちの木々からは、何匹もの鳥達が慌てて飛んでいく光景があった。
「何やってんだ。…あいつは、」
俺は呆れて、ぼやいている。
しかし、その時に変な違和感も感じた。周りの騒がしさが、異常な程の大きさだった。
兵士達も気がつきだし、警戒体制を取りだした。
「おい、あれは何だ?」
ふと兵士の内の一人が呟き、真っ直ぐ森の方へ指を差すのが見えた。全員が振り向き、視線が集中する。
すると、その先に異様な光景があった。複数の大きな影が、森の奥から木々の間を縫う様に、ゆっくりと移動して此方の方にやって来る。やがて姿がハッキリと見えた。
あれは熊の魔物だ。と俺は思った。
そいつらは、パッと数えて七匹はいる。全身が赤茶色の毛に覆われており、程の身の丈は見上げる程に大きく、四本の腕を広げ、二足歩行で進んでくる。血走らせた鋭い両目で辺りを見回しており、此方に気がつくと全匹が揃って雄叫びを上げてきた。
「荒熊(ラーギング・ベアード)!!…」
「えぇ!!?…」
と、ヒナやキリエに動揺が走る。
「グオォォ!!!」「ガァララ!!」
その次の瞬間には、魔獣達が一斉に突撃してきた。
「まずい、魔獣達が此方に来るぞ!?」
「彼等の近くに来させるな!!…絶対に守れ!…」
対して兵士達も、やや遅ればせながら臨戦態勢を取り、武器を構えて迎え打ちにかかる。
俺も無言で戦いの構えを取りながら、ヒナとキリエの前に立ちながら、向かってくる敵を睨み付けていた。
1
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛
Rj
恋愛
王子様と出会い結婚したグレイス侯爵令嬢はおとぎ話のように「幸せにくらしましたとさ」という結末を迎えられなかった。愛し合っていると思っていたアーサー王太子から結婚式の二日前に愛していないといわれ、表向きは仲睦まじい王太子夫妻だったがアーサーにはグレイス以外に愛する人がいた。次代の希望とよばれた王太子妃の物語。
全十二話。(全十一話で投稿したものに一話加えました。2/6変更)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる