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3話 4章 前編 山の調査と修行と【ヒルフェ】

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 「あの…、…ヒルフェ様、…叔母の言う事も最もですので、あまり根を積め込みすぎるのも、よくありませんし、…」
 そんな様子に、キリエが寄ってきて宥めだす。さらには、ー
 「そう言うけどなぁ、…結構痛かったんだぞ。…まだ少し身体がじんじんするわ。」
 「…どの辺りですか?」
 と此方がぼやいたのを聞き、首やら背中やらを軽く触ってきた。まるで甲斐甲斐しく世話をやいているようだ。
 「ふむ。…キリエも女中らしさが身についてきましたね。」「ぶー、ぶー。…リエちゃんだけ、ズルい。」
 ふと、不意にダフネとヒナの声が聞こえる。
 俺とキリエは同時に、真顔のまま固まった。
 だが、すぐにキリエだけ我に返り、顔を真っ赤にしながら慌てて距離を取っている。さらには、俯きながら黙ってしまい、恥ずかしそうな素振りをしていた。
 「なんだよ。…」と俺は振り返り、首をかしげる。しかし、相手から返事は返ってこない。
 「ぐぬぬ。…」とヒナも険しい目付きで、どことなく此方へと距離を詰めてきている。
 「…これで、もう少し緊張感がなくなれば、…」と、ダフネも囁くような声を漏らし、明後日の方を向きながら、微かな溜め息を吐いていた。だが同時に彼女の視線が何かを捕らえ、直後に馬車の方へと走りだす。
 すぐに俺も、其方へと顔を振り向かせる。只事ではない様子を感じ取った。
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